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食べなれた味とは強制的に『慣らされた味』

18:00 スーパーでランダムに商品を集め検査をする。
前回のリマ社の営業がドイツの事情通を紹介したくありませんと言ったことに反応し、では自分たちで調べましょう、という入りです。
今回はテレビ局と有名なニュース雑誌シュピーゲルの共同作業。
アウトレットのソーセージからBioのソーセージまで(鳥肉の)集めるが、どの商品にも『セパラトーレンフライシュ』の表示はない。
19:00 ハンブルクで一番のBIO生産者のもとへ。
『無添加』でソーセージを結着させるために温屠体で生地をつくる。
と畜した後、急激にpH値が下がります。下がらないうちに生地をつくるという意味です。下がりかたもマチマチなので数時間内に生地にする必要があります。
結着剤として使われるリン酸はpH が下がって結着が思わしくない原材料に使用します。
ドイツではBIOや無添加商品に対して、リン酸は使用しないが、クエン酸塩や乳酸塩を使用するのがほとんどです。
こちらのお店は、それらも不使用とのこと。AkitaHam. と同じです


21:00 添加物の説明
ここでは亜硝酸Naについて言及しています。グレー(亜硝酸Na 発色剤 無し)が本来の色です。
見た目の良さに消費者が引き寄せられるように、色味を良くする為だけのものです。
という説明ですが、亜硝酸には他にも作用があります。
味としても『肉の香りを抑える』またはハムなどだと、あの独特のハムの香りは発色する事により生まれます。
発色というと色が生まれ出るようなイメージになってしまいますが、肉の色が安定するイメージです。
ハンブルクで一番のBIO加工品の生産者が亜硝酸入り、無しのソーセージを作り試食します。
『美味しいですよ、慣れ親しんだ味です』
私たちは、小さいころから色々なものを食べます。例えばスーパーの加工品を食べていればそれが『ハム、ソーセージ』の味になります。
手作りの加工品に出会った時に、今までと違う、これはソーセージの味ではない、となれば本物がウソになりウソが本物になります。
さて、亜硝酸の有無での味わいの違いは簡単に言うと、亜硝酸入りはソーセージは肉の味、という感じです。
肝心の色味は本当に最低限でそれのみを使うと、光でも数分で色が抜けます。
そういうことからAkitaHam. のショーケースはシリコンのサンプルが並んでいます。
次にサラミについて言及しています。
GdL 表示には酸味料とありますが日本ではph調整剤と表示されていることが多いようです。
これを使うと写真のように1日もたたないうちに固まります。
時は金なり
使用していないものは勿論まだまだ普通のミンチ状態です。
本来何ヵ月もかかって作るものがものの数日で作られます。
見た目が良くて形の良いものには、要注意。
人間も同じでしょうか?

鳥ではなく豚のセパラトーレンフライシュで実演です。
『肉』ではないので、水との結着が非常に悪い。
それを補うためにグロブーストと呼ばれている白い粉を利用。
『この粉は、家畜の血液、内臓から作られます。つまり廃棄物からです。』
この粉を利用する事で、通常よりもたくさんの水を結着させることができます。
つまり水で量を増すことが出来てしかも廃棄物から作られるセパラトーレンフライシュが原料となれば、原価は驚くほど下げられます。
原料は『廃棄物』+水
『ここに(肉より安価な)脂を加えればサラミができます。』
数時間冷蔵庫に置いておいたものは、すでに固まり始め、ある程度、スライス出来るようになっています。
まるで普通の行程とは真逆です。
サラミなど非加熱製品は熟成過程で水分が失われます。もちろん、ワインを加えたりしますがその後はゆっくり熟成、それに伴う乾燥です。
しかしこれら工業製品は、いかに量を増すことができるか考えているだけです。
原価は0に限りなく近いでしょう。
売値のほとんどが利益になる。
そのような価格設定が世の中では『加工品の値段』として認識されれば、個人店の値段は『高い』になるのは当たり前です。
しかしながら本当に莫大な利益を生み出しているのはどちらか?
『高い』個人店でしょうか?
それとも『廃棄物』+水の食品工場でしょうか?
ドイツではこれらの製品が出始めた時に多くの今までの個人店が廃業しました。
消費者が値段でそちらに流れてしまったからです。
そこに『値段』で対抗した店舗の末路は目に見えています。



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