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「観察ってどうやってたの?」第5回 昨年度参加者インタビュー 菅さん


こんにちは。
国語算数理科デザイン 運営です!

国語算数理科デザインでは、地域を素直に”見ること(観察)”を通して、地域を実感し、地域に寄り添う気持ちを育むことを目的にしております。
この事業は、若者にとっての、自分の正直な視点や気持ちを携え、地域に向き合った先に、自分が「表現・メッセージしたい」と思ったことを自由なカタチで実現する場です。

そのような中、ぜひ、昨年度の様子をみなさんにお伝えしたいと思い、
昨年度参加者にインタビューを行いました。
今回はこの事業の中でも特に大切にしている「観察」について、お話を伺いました!
このインタビューを通し、「国語算数理科デザイン」のイメージをより膨らませていただき、皆さんにとっての「観察」に向き合うヒントになればと思います!


第5回目は昨年度参加者、「チームちゃどぅ」で参加されていた菅さん(現:社会人、企画当初:高校3年生)へインタビューしました。

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Q. まず早速、チーム名の「ちゃどぅ」が気になったのですが、由来はなんですか?
A. そうですよね!
意味は韓国語で「すもも」です!笑
チームメンバーの共通点として韓国が好きだったので、チーム名を決める際せっかくなら韓国語を使いたかったのと、実はこの事業とは関係なく、学校の課題研究で湯沢地域のすももについての研究をしていて。
そこでなんとなく「すもも」を韓国語に直してみたら「ちゃどぅ」って出てきて!
可愛かったので、そのままチーム名にしました!笑

な、なるほど(笑)


Q. 次に昨年度の活動について教えてください!

A. 私たちは、「地元湯沢の商店街のシャッターを、全部開けちゃいました!」
昨年度はテーマが「通学路」ということで、通学路を観察しているときに、通学路にある商店街のお店のシャッターがほとんどしまっていることが気になり、このシャッターを開けてみると中には何があるのだろう?という興味とともに、商店街を活性化のために閉まっているお店のシャッターを、開けてみたくなりました。

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ちょうどそのとき別で、学校の課外研究でやっていたすももをもっとアピールしたかったこともあり、
「商店街とすもも、両方をアピールする企画がいいんじゃないのでは!?」
という話になりました。

そこで商店街のシャッターがしまっている空き店舗で、すももをアピールするワークショップをしようということになりました!

まずはすももの味を知ってもらいたい!ということで、洋菓子店のお店の人と協力して、「スモチー」といういうすももチーズケーキを作りました。
そしてそのあとワークショップとして、「スモチー」を販売してる店舗で、すももを作った湯沢の農家さんへインタビュー動画を見ながら、すももの良さをどうやったらアピールできるか話し合いをしようとしていました。

でも、実は全然人が集まんなかったんです。。。
「スモチー」も買ってくれる人が全然いなくて。
そして商店街でシャッターを開けることも失敗に終わりました。
本当は商店街でシャッターがしまっている店舗を開けて、その中でワークショップを行いたかったのですが、お店がホコリだらけだったり、管理をしている人から許可が降りなかったりして、商店街で開催することができませんでした。


Q. 観察をしてきて!と言われたとき、実際どう思っていました?
A. 企画が始まっていきなり、「通学路を観察してきて!」と投げ込まれて、正直自分たちが試されているんじゃないかなって感じた。
「この子たちはどういう風に観察するんだろう?」って。
だって、「観てきてください〜」って言われても、
「まず観てきてくる?って何!?」
アバウトに通学路を観て来てって言われて、
「毎日通ってるけど何もないけど!?」って。
通学路なんていつも通る道だし、今更観察しても何も代わり映えがないと思っていました。

でもよく考えてみると、確かに自分たちの通学路について思い出そうとした時、通学路に何があったか、全然わかんなかったんです。
毎朝通る道で、視野に入っているもの。それなのにわからなかった。
そこで初めて、私たちは自分たちの通学路をちゃんと観たことがなくて、普段何も思ってなかったんで気づきました。


Q. そんな中、観察をする中で意識していたことは何かありましたか?
A. いや、まずはとりあえず観てみようと。
そして観たものをそのまま記憶しようと心がけました。
まずは通学路にあった商店街で、
「例えばお店が何個あるか」とか、
「この店は実は何屋さんだったんだ」
とか、いつもは見ない、上からも下からも観たりしました。
とにかくいろんなものを、いろんな角度で観てみる。
それを意識しました。


Q. 観察中、難しかったことはありましたか?
A. 去年のテーマだった「通学路」という言葉が大き過ぎて、自分たちが観ようとするものを落とし込むのに時間がかかりました。
チーム4人で、「通学路とは何?そしてどこ?」ということを落とし込むところが難しかったです。
4人それぞれ、通学路というものに対するイメージが違かったりしていたし、4人それぞれ観ているも違う。
チームとして、言葉で通学路と言って人によって思い浮かべるもの、観るものも全く違うんだなと感じました。


Q. 観察をしていて、印象に残ったことはありますか?
A. 観察をして、「観ている景色って、私の感情そのものを表していたんだ」と気づきました。
例えば今日学校であったこと、嬉しいことがあったときはふと上を見ながら歩いているみたいで空の景色を覚えていて。
逆に嫌なことがあったら下をみて歩いているから地面の景色を覚えていて。
観えている景色から、通学路は私にとって自分の感情そのものが出ている場所なんだと思いました。


Q. 観察で、今に生きていると思うところはありますか?
A. 日々生活している中で、目の前に見えたものの背景を考えるようになりました。
別な言葉で言うと、一歩踏み込んで観るようになりました。
例えば歩いている時、閉店したお店があったとして、
「このお店はなんでやめたんだろう?」、
「お店の人はどうしてしまったんだろう?」とか。
日常的に町を歩いているときも、例えば農家さんのお家の前を通るとき、
野菜を並べているところを見た時にも、
「この野菜はなんで吊されているんだろう?」とか、
「なんで段々にしているのだろう?」とか。
日常暮らしているなんでもない景色の一つ一つに、どういう意味が込められているのかを考えるようになりました。

そして今年から就職で東京に住み始めたのですが、東京で過ごすようになってからも、初めての街でも、置かれているものに関して意味を考えるようになった。
例えばポスターのデザイン。
文字を見て「ああ、そういうイベントあるんだ。そうなんだ!」じゃなくて、「このフォントにはどういう意味があるんだろう?」「ポスターを作った人は、何を伝えたいんだろう?」とかを、自然と日常生活の中で意識するようになったと思います。


Q. もし菅さんが今年も参加するとしたら、観察経験者として今年は何意識しますか?
A. 今年のテーマは「笑」ですもんね?
私は笑いとかは、感情で動くものだと思っていて、なので日記を書くかもしれないです!
今日こういうことで笑ってとか、一緒に誰かと笑ったかとか、そういう一つ一つ観察した、色んな笑いを書き溜めていきます。
私自身が元々文字にすることが大切だと思っていて、思っていることを文字にすると、自分の感情を可視化して、こういう風に思っていたんだなって自分で気付ける。
そして過去を振り返っても、その時の感情を思い出すこともできるし。
今日と同じ日はないし、今日感じたことはもう感じることはできない。
そんな1日1日が過去になっていく上で、1日1日が積み重なっていく。
絶対同じように笑うことはないから、その時の一瞬一瞬を日記として記していくと面白いかなと思いました。


Q. 昨年を振り返ってきましたが、「国語算数理科デザイン!」で活動する前と今で、変わったなと思うことはありますか?
A. 自分が過ごしてきた湯沢は、温かい町だったんだということに気づきました。
それは自分たちにの周りには協力してくれる大人がいるんだって。
湯沢で活動しているときは、何かしたいとなると大人がバーって集まってきて、手伝ってくれたりいろいろ教えてくれたり。
活動を通して、色んな大人の人にお世話になった。
湯沢は大人が暖かい街だなと思った。
そしてそれは今、就職で東京に来てから、さらに思いました。
東京は、自分は自分、他人は他人。何かを始めようとしたり、始めても、誰も見てくれない。
東京は他人行儀な街なんだなって、たまに寂しくなります。
だから、そんな温かい湯沢に帰りたいって、いっつも思ってます。



Q. 最後に先輩として、今年観察をする参加者に一言ください!
A. 恐れずに失敗しても成功してもいい経験だし何もしないことは始まらないことなので、恐れずにやって欲しい。
私も最初は地域のことに対して、湯沢なんて何もないところだから、早く都会に行きたい!ってずっと思っていました。
でもこの事業を通して、実際に今東京にでて地元を離れてから気づくこともあるけど、自分が育ってきた地域っていいところだったなってすごい思います。
この活動を通していろんなものを見ていろんな人に会って、いい町だなって。
だから皆さんには、普段過ごしている地域でも、話して、観てみないとわからないものもたくさんあるから、いろんな人に関わって欲しい。
恐れず立ち向かって欲しい。
最初は怖いと思うけど、大人と接する貴重な機会なので、恐れずにやって欲しいです!



菅さん、今回はインタビューにご協力いただきありがとうございました!


国語算数理科デザイン!は現在、参加者に加えて、チームYOD(運営チーム)も、観察のトレーニング、訳して観トレに取り組んでいます。
デザインの基礎となる観察のトレーニングをしている様子を、是非下記のリンクにあるinstagramとTwitter、ブログからご覧ください!

国語算数理科デザイン! 概要
■令和3年度若者と地域をつなぐプロジェクト事業
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■[事業概要]
主催|秋田県あきた未来創造部地域づくり推進課
運営|一般社団法人ドチャベンジャーズ

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