秋田県の人口減少がますます加速しているという事実
こんにちは。秋田県由利本荘市でごてんまりを作っています〈ゆりてまり〉です。
先月25日の秋田魁新報1面に、こんな記事がありました。
秋田県の人口減少スピードがさらに加速している、という内容です。
行動規制緩和による社会減が理由かと思いましたが、増えたのはむしろ自然減のほうでした。
とはいえ単純に地元を出て行った人数だけを比べて、去年より出て行く人が減ったと喜ぶのはあまりに楽観的過ぎるでしょう。
若い人の数自体がどんどん減っているわけですし、近年はコロナによる行動規制で県をまたぐ移動がかなり抑えられていました。
秋田県の高齢化率は38%を超えており、上の世代から順番に他界していくことを考えると、今後、秋田県の人口減少スピードが今以上に加速する恐れは十分あると考えられます。
このような人口減少について、県もただ手をこまねいていたわけではなく、いろいろな施策を行なってきました。
しかしあまり成果をあげられていないというのが実情のようです。
4月20日の秋田魁新報の記事には、「佐竹知事が就任した2009年4月から先月までの14年で県人口は、約17万8千人(16%)減り、92万2802人となった。県は子育て支援の拡充などさまざまな対策を打ってきたが、人口減に歯止めはかかっていない。要因に浮上したのが女性の県外流出だ。」と書かれています。
佐竹知事は「女性定着に向けた対策に、もう少し早く取り組むべきだった。」と、反省の弁を述べています。
問題はこれからどうしていくか、ですよね。
同じ20日の記事には、女性と若者を定着させるための独自策が必要である、という意見が載っていました。
確かに、秋田県は他の自治体に比べてカネがあるとは言えません。
しかも今後もっと人がいなくなるだろうと言われています。
このような状況下では、他と同じようなことをしていても意味がありませんね。
「知恵を絞り、秋田ならではの女性や若者の呼び込み策を進める必要がある」という点には、わたしも賛成です。
お金と人手がかけられなくても、女性と若者に「ここにいて良かった」と思ってもらえるような、秋田ならではの策を講じたいです。
具体的には、より若年層に向けたごてんまり商品の開発に力を入れる予定です。
由利本荘市でごてんまりを作っていると、「東京で売りなさい」だの「海外に向けて売り出しなさい」だのしつこく言われます。
わたしにはそれが「ここ秋田にいる限り、東京や海外の都市部に住む人たちより後回しにされて当然なんだよ」と言われているようで、すごく嫌でした。
最近も「スラムダンクの映画の影響で由利本荘市へ訪れる観光客が増えている。その観光客のためにバスケットボールのごてんまりを作って欲しい」と言われました。
秋田の人口減少に歯止めがかからない最大の理由は、女性と若者が「ここにいても大切にされない」と感じているからではないでしょうか?
実際、LIFULL HOME'S 総研が行った研究レポートでは、秋田県の都道府県別寛容性総合指標は下から2番目です。
そして6項目あるジャンル別寛容性指標のうち「女性の生き方」と「若者信頼」では、堂々の最下位でした。
わたし自身、秋田にいると女性と若者の地位が低いと感じます。
秋田にはもっと女性と若者に「ここにいて良かった」と思ってもらえるような施策が必要です。
LIFULL HOME'S 総研が行った例の研究レポートでは、在住者の総合幸福度と出身者のUターン意向は相関しており、暮らしている人自身が幸福かどうかが大きく影響を及ぼしている(87p)ことが報告されています。
またUターン意向と強い正の相関を持つのは、社会増減率などの人口関連指標に加え、芸術・文化に関する項目である(95p)ということも指摘されています。
つまり、芸術・文化で県内に暮らす人たちを幸せにするようなことができたら、それが秋田ならではの何かでできたなら、人口減少に良い効果をもたらすと考えられるのではないでしょうか。
たとえば、秋田県由利本荘市の有名な工芸品であるごてんまりは、今まで東京や海外の都市部に暮らす人たちにPRすることばかりが考えられ、県内に暮らす人たちのことは、ほとんど相手にされてきませんでした。
とくに若者や子ども向けにごてんまり商品を開発しようとする人は、これまで誰もいませんでした。
わたしは外部の人間よりも、秋田に暮らす女性と若者のために力を注いだ方がいいと考えます。
単純過ぎるかもしれませんが、女性と若者に定着してもらいたいなら、ダイレクトに彼らに向けたアピールをすればいいのではないでしょうか。
それが世界最速のスピードで人口減少が進む秋田でできる、わたし独自の策なんじゃないかと思います。
成人式や七五三で使う髪飾り、100日祝いのベビーヘアバンドなど、作りたいものはたくさんあります。
すでに試作品が完成したり、注文が入って制作に入っている案件もあるので、今後ご紹介していけたらと思います。
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