'95 till Infinity 006
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【 Prologue: He’s Back 006 】
「エイミー!」
気まずさに耐えられなくなったかのようにトーニが呼ぶ先には、高校を卒業したかどうかさえ怪しい年のブロンドのショートカットの綺麗な女の子。
それぐらいの年のコだけが持つ薄い氷の上に立っているようなあやうい美しさを持った女の子はトーニと俺を順番に見比べて二人の関係について考えたようだが、すぐ諦めて、わかんないという顔をする。
素直な子だ。トーニの素直さは人に弱点としか映らないが、こういう子の場合はチャームと受け取られるのだろう。
「彼女を紹介するよ」
と、トーニに紹介された俺達は、エイミーが俺の手をそっと触っただけの握手とすらも言えない握手をする。
3人がトイレのドアの前で気まずくお互いを見つめあった後、エイミーがこの場を脱出したいというサインを目線で出す。
それを合図にトーニが俺に「じゃあ、そろそろ行くとするよ」と言う。
俺とトーニは2時間も放っておいたビールのような気の抜けた握手をし、エイミーは俺に微笑んで2人は偶然のもたらした過去と現在の出会い頭事故現場を後にする。
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