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【CI編】横浜F・マリノスのリブランディングを考える<その1>【#2022YFM50th】

akira(@akiras21_)です。
2020シーズンも横浜F・マリノスサポーターです。

はじめに:なぜ、マリノスをリブランディング?

先日、渋谷スクランブルスクエアで行われた『TOKYO VERDY EVOLUTION WEEK in SHIBUYA 2020』というイベントのトークセッション「リブランディングの真相」を観覧してきました。

クラブ50周年を迎えた東京ヴェルディが大規模なリブランディングによって様々な要素を刷新したことは記憶に新しいですが、その背景には何があったのかということをテーマに、ヴェルディのリブランディングに関わったパネラーがトークを繰り広げる…というものでした。

ぶっちゃけます。ヴェルディのことが超うらやましかったです。

何が羨ましかったかというと、“自分たちが何者であるか”を堂々と語っていたこと。これ、簡単そうで意外と難しいことなんです。だって、

自分はマリノスサポーターなのに、“マリノスとは何者か”を語れる自信があまりなかったからです。

いや、話せることはいろいろあるんです。「オリジナル10」の一員だとか、CFGの一員だとか、4度リーグ優勝したとか、マスコットやくざがいるとか、マリノスユース出身のプロ選手がたくさんいるとか、やたらみんなアウェイに行くとか、「堅守」から「猛攻」に方向転換したとか…

そういうことじゃないんです。「マリノスとは何者か?」という問に対して“根本的に”“簡潔に”答えることがなかなか難しいなと思ったんです。

そこで、港町・横浜の伝統あるトリコロールを応援する人間として、“先駆者”たるヴェルディの後塵を拝しつつも、ここは自己理解を深めるためにも「横浜F・マリノス」のリブランディングを想像してみようじゃないか…という考えに至りました。

奇しくも、2年後の2022年は日産自動車サッカー部から数えて創立50周年。この半世紀余でトリコロールが築き上げてきたものを今一度見直して、これからの50年に向けた(勝手な)意識改革「#2022YFM50th」をやってみようと思います。

…といった感じで壮大な書き出しとなりましたが、あれです。いつも通りのざっくりです。本格的にやろうとするとソースもリソースも圧倒的に足りないんで、ササッと調べた・考えた限りのことを並べていきますね。

今回考える3つの要素

リブランディングを構成する要素にはいろいろありますが、今回は次の3つについてざっくり考えてみたいと思います。

▼ CI:クラブ・アイデンティティ
クラブの理念、ブランドとしての位置付けなどを考える

▼ VI:ビジュアル・アイデンティティ
視覚的にブランドを意識させる要素を考える

▼ BI:ビヘイビア・アイデンティティ
クラブの行動規範を考える

CIの「C」は本来なら「企業(Corporate)」を指すんですが、今回は「クラブ(Club)」に置き換えます。クラブも会社といえば会社なんですが、とはいえなかなか公共性が高く、「企業」としてしまうとなんかしっくりこなかったので…

ほか2つはなんとなくイメージできますね。今回は便宜的にサッカーを中心に考えるので、「サッカーにおける行動規範=ゲームモデル」として見ていこうと思いますが、戦術的な知識は不要です。というか、予備知識がなくてもパッと浮かぶイメージを考えるのが今回の狙いのひとつです。

ここまでで何となく伝わったかと思います。そう、

全部いっぺんに書こうとするとめっっっっっちゃ長くなるんです。

なので、今回はCIに絞って考えていきましょう。やっと前説が終わったぞ!

CI:クラブ・アイデンティティ

「マリノス」というクラブについて。実はマリノス公式サイトにいろいろ掲載されています。なので、ここではクラブの理念に着目してみましょう。

○ 私達は、ホームタウン「横浜・横須賀・大和」の代表としてサッカーの普及・選手の育成活動を通じ、青少年を含むあらゆる層の方々の健全で豊かな生活を応援し、地域に貢献できるクラブになることを目指します。

○ 私達は、サッカーを通じ、スタジアムに集う人々に「楽しさ」を感じてもらえるエンターテイメントを供給するとともに、魅力あふれる攻撃的なサッカーを追求し、「喜び」を共有できるクラブを目指します。

○ 私達は、横浜F・マリノスのサッカーを通じて、チームが最後まで諦めず戦い、チームを応援するすべての人達と「夢」と「興奮」と「感動」をともにし、「世界」を目標に常勝チームとなることを目指します。

○ 私達は、クラブを支援していただくすべての方々を大切なパートナーとして、理念を共有し、ともに歩むことを目指します。

文章。

理念なので当たり前ですね。でもこれを暗唱できるサポーターっていないんじゃ…?

少なくとも僕はできなかった(というか知らなかった)ので、分かりやすさ重視でキーワード化してみましょう。英単語にすると覚えやすくてカッコいいので、こんな感じにしてみました。

CSR(Club Social Responsibility)
EXCITING
COLLABORATION

単語と言いつつひとつは略語なんですけど、ちょっとそれっぽくなったところでひとつずつ見ていきましょう!各項とも某海外ドラマ風に並べてみるよ!

YFM:CSR(社会貢献)

「CSR」。最近よく聞く言葉だと思いますが、これは「Corporate Social Responsibility」の略、つまり「企業の社会貢献」を指します。前述の通りCIの「C」を「クラブ」とすることにしたので、ここでも「Club Social Responsibility」、よって「クラブの社会貢献」とします。

クラブの社会貢献って何ぞや?一例を挙げてみましょう!

ふれあいサッカーキャラバン
選手・スタッフが横浜市内の小学校を巡り、サッカー教室を行うホームタウン活動のひとつ。

横浜F・マリノスフトゥーロ
知的障害者サッカーチームを構成し、選手たちに対して競技を通じた教育・社会性の養成を目的とする活動。

HEART MADE
横浜市内の障害者が手作りしたアクセサリーなどを日産スタジアムでのホームゲーム開催時に販売。

WWF アース・アワー
3月最終土曜の夜に電気を消灯し、地球環境を考える国際的なキャンペーン。

他にもいろいろありますが、これらの働きをクラブとして行っています。一見すると「企業・クラブとしてよくある取り組み」に思えなくもないですが、地域貢献というアイディアはマリノスの前身である日産自動車サッカー部時代から考えられてきたことだったんです。

昔からサッカーを見ている方ならご存知かとは思いますが、トリコロールの歴史を語る上で欠かせない加茂周さんという方がいます。1974年から1989年まで15年間日産サッカー部の監督を務め、チームを国内3冠に導いたことで知られていますが、同時にクラブの発展・環境整備に尽力した人物でもあります。

そんな加茂さんがクラブを構成する要素のひとつとして考えていたのが「地域貢献」でした。

地域に根ざした活動を軸に据えることでクラブの認知を高めるだけでなく、サッカーの普及に努め、ゆくゆくはクラブOBのセカンドキャリアとしてのプラットフォーム作りを考えていたそう。お気付きかとは思いますが、現在も数多くの選手を輩出しているマリノス下部組織の原型にあたります。

このように、1993年のJリーグ開幕以前から地域貢献に向けた取り組みを行っていた経緯、そして現在も継続して社会貢献活動を行っていることから、マリノスのアイデンティティのひとつには「CSR」が挙げられるのではないか…と考えます。

YFM:EXCITING(魅力・興奮)

「CSR」で触れた加茂さんですが、彼は攻撃的なサッカーを標榜していたことで知られています。なぜアタッキングフットボールを志したのかといえば理由は単純で、「魅力あるサッカーは評判を呼ぶ」という考えに基づいていたからでした。

先に挙げたクラブの理念には「楽しさ」「喜び」「夢」「興奮」「感動」といったキーワードが散りばめられていますが、これらを実現するために「魅力」はとても大きな要素です。魅力が人々を惹きつけ、ムーブメントを生み、更に増え広がっていく…実に明快な流れですね。2019シーズンの快進撃から興味を持ってマリノスを(更に)好きになったサポーターも少なくないでしょう。「強さ」は「魅力」のひとつなのです。

CIには「魅力」を英訳した「charm」という単語も考えましたが、ここはもう一歩踏み込んで、マリノスに魅力を感じた人々の様子を想像しやすいように、魅力の次の段階である「興奮(EXCITING)」を据えてみました。

YFM:COLLABORATION(協働・共創)

「情熱は何よりも人を動かす」。これも加茂さんの言葉ですが、そんな加茂さんを日産サッカー部に招き入れた安達二郎さんもまた、人間の内側にあるものを大切にする人でした。

安達さんは日産サッカー部の初代監督です。それまでは工場ごとに結成されていたサッカーチームをひとつにまとめ、いち企業としてサッカー部を結成するにあたり、安達さんは恩師である竹腰重丸さん(元東京大学教授、元サッカー日本代表監督)に相談しました。そして、そこで得た「技術よりも人柄で選びなさい」というアドバイスを基に安達さんはチームを編成。その後加茂さんを招聘する際も「対話」を大切にしたといいます。

…と、ここまではピッチ上の話。フィールドの周りに目を向けてみると、マリノスにはサポーター有志が中心となって結成された「NPOハマトラ」という団体があります。ホームタウンの地域ごとに分かれてマリノスのポスター掲出活動を行うなど、サポーター同士が協力し合い、クラブとも連携しながらホームタウン活動を進めています。

またクラブからのアプローチとして、サポーターと連携しながら行う「沸騰プロジェクト」を導入しました。詳細については割愛しますが、SNSやリアルミーティングを通じてクラブとのつながり、そしてサポーター同士のコミュニティ形成にも一役買っています。

そして、なんと言ってもスタジアムでのサポーターの様子を外すことはできないでしょう。コール・チャントによるサポート、コレオグラフィの実施や大旗・ビッグフラッグ掲出など、非常に多くのサポーターが互いに声を掛け合い、協力しながら、国内最大級の演出を全国各地で行ってきました。

こうした背景を踏まえると、マリノスには「協力」「協働」の文化があるのではないかと思います。そこで「力を掛け合わせ、大きなパワーや価値を創出する」という意味を込めて「COLLABORATION(コラボレーション)」をCIのひとつとしてみました。

余談ですが、前述の安達さんはこれからのマリノスに対して「立体感」を期待していると話しています。クラブ・サポーター間だけでなく、地域、そしてマリノスのコンセプト・哲学に共感する人々、つまりパートナー企業や行政などと一緒になって作り上げるムードこそ、マリノスの将来像を考えるにあたって重要な要素なのではないでしょうか。

おわりに:CIは全体にまたがる大切な要素

以上、3つのCI要素をおさらいしましょう!

CSR(社会貢献)
地域に根ざした普及活動、および社会貢献活動を通してホームタウンの活性化を促す

EXCITING(魅力・興奮)
「楽しさ」「喜び」「夢」「興奮」「感動」を人々に与えるため、魅力的なクラブを目指す

COLLABORATION(協働・共創)
横浜F・マリノスに関わる全ての人々と力を掛け合わせ、大きなパワーや価値を創出する

ちょっとスッキリしましたね!補強・検証すべきポイントは正直たくさんありますが、全体像を掴むためにもまずはこのコンセプトで進んでみたいと思います。

また、ここまで本稿をご覧になった皆さんも「マリノスのCI」について考えてみていただけますと幸いです。自分なりのマリノス像が見えてきたり、あるいは新たな発見があるかもしれません。やってみると結構楽しいですよ!

ささ、CIがある程度定まったところでお次はVI(ビジュアル・アイデンティティ)、見た目のお話です。「リブランディング=ビジュアル」なイメージが結構強かったりするので気になる方もいらっしゃるでしょうが、これまたぼんやりとざっくりと考えていくだけなので結論を出すつもりはありません。あくまで「今はこれがある」「こういうイメージならどうするか」といった具合にしていけたらと。

それじゃまた次回!

【参考】
クラブ紹介 | クラブ | 横浜F・マリノス 公式サイト
https://www.f-marinos.com/club/profile/
ホームタウン活動 | クラブ | 横浜F・マリノス 公式サイト
https://www.f-marinos.com/club/hometown/
まりびと | コラム | 日産自動車サッカー部初代監督 安達 二郎 | 横浜F・マリノス 公式サイト
https://www.f-marinos.com/maribito/adachi_jiro/
まりびと | コラム | 加茂周 | 横浜F・マリノス 公式サイト
https://www.f-marinos.com/maribito/kamo_shu/
hamatra.com-NPO 法人ハマトラ・横浜フットボールネットワーク yokohama hamatra non profit organization
http://hamatra.com/
横浜F・マリノス 沸騰プロジェクト
https://mari-fan.jp/
リブランディングの意味や目的と展開事例 | ブランディングデザインの会社|株式会社チビコ
http://chibico.co.jp/blog/business/rebranding/
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横浜F・マリノスサポーター。映画、音楽、デザインに興味あり。

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