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限界が来ても終わらない芝居。

本鈴がなった。

教室にいる人間はゾロゾロという効果音を鳴らしているみたいに

自分の席に着席し、廊下からは少し息を荒げながらも陽気に

教室に戻ってくる人間。

その15秒後くらいに担任の教師が胸を張って

見た目とは裏腹に堂々と教室に入ってくる。

典型的な中年太り体型。

高校の教師ともなると生徒になめられる人も少なくないからなのか

やけに肩で風切って歩いている人が多い印象を受けた。

喋り口調も堅苦しくしゃべるタイプの教師ではなかった。

こういうのは別に珍しいことではないと思う。

どの学校も生徒との距離を縮めるために友達感覚で話してくる人はいる。

外見はおとなしく質素ではあるが特徴がないわけではない

なんとも難しい外見をしている教師だが、高校をやめてもなお

外見と中身の違和感のようなものが拭えない人だった。

「人を見た目で判断するな」とよく耳にするがさすがに無理がある。

光の速度で入ってくる視覚情報を意識下で制御することなど不可能だ。

誰しもが無意識下で人の外見から得られる情報をもとにその人のある程度の

人物像を構築するものだと思ってる。本能的な機能だと思ってる。

また話しが逸れた。

教室に入ると同時に挨拶をし、大股で教壇の段差を跨ぐように上り、

教卓に紺色の名簿帳がなにかを置き、教室に全員来ているかを確認した。

その後に軽く報告事項を話し、手早く朝のホームルームが終わった。

こういうところは生徒から好かれていた。バランスの良い適当さ。


ホームルーム中もずっと俯いて、先生の話どころではない様子だった。

この時点でもうほぼ限界だった。

辛さでいうとバス車内のほうが辛かったが、もう体力がないと言った感じ。

もう力が入らない。もう走れない。もう立ってられない。

そう思い立った瞬間また自動的に、保健室に向かって歩を進めていた。

ただトイレに行くだけなのかと思わせるほど自然にまっすぐ歩くことを

心がけた。


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18歳。いつか19歳になります。 noteに自分の体験談や考えをほぼ毎日書いてます。何か反応をもらえると嬉しいです。 【twitter】https://twitter.com/qSWaNGop
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