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2019年度の人間中心設計スペシャリスト(第7期)の認定試験に合格しました。

この度、特定非営利活動法人 人間中心設計推進機構(以下「HCD-Net」)が提供する認定制度において「HCD-Net認定人間中心設計スペシャリスト」として無事に合格することができました。

こちらの記事では、本認定試験の受験に関する情報や個人的な体験談についてまとめていきたいと思います。

HCD-Netの認定制度とは?

HCD-Netが提供しているこの認定制度は、2009年から人間中心設計に関して一定水準の能力を有すると認められる人材に対して専門家またはスペシャリストとして認定資格を授与する制度です。

認定を受けるためには、HCD-Netのウェブサイトから応募申請をし、審査書類を記入して提出する必要があります。

ちなみに私が今回スペシャリストの認定を受けた2019年度の応募要領はこちらから閲覧することができます。また、こちらのページから2019年度の受験者向け説明会資料などをダウンロードすることもできます。

申請書類とは?

認定を受けるために提出する申請書類は大きく分けて3つあります。

プロジェクト整理シート
プロジェクト記述書
コンピタンス記述書

実際に審査に利用されるのは、下の2つとなります。書類のフォーマットはMicrosoft ExcelまたはGoogleスプレッドシートのいずれかを選択する形式となります。私は、事務局の方からメールで送られてきたGoogleスプレッドシートをオンラインで直接編集・提出する形式で取り組みました。

プロジェクト整理シートとは?

プロジェクト整理シートは、プロジェクト記述書とコンピタンス記述書で詳細を記入するために、申請者がこれまでどのようなプロジェクトに取り組んできて、専門家またはスペシャリストとしての基準を満たすためにどのプロジェクトを利用することが適切か、を全体的に把握するために活用するシートです。このシートは最終的な審査のために提出の必要はありません。

私は、個人的に全ての申請書類を完成させるために、最後までのこのプロジェクト整理シートを活用しました。具体的には、プロジェクト整理シートのセルの一つ一つを、タスクリストのチェックボックスのように使い、一つの項目への記入と誤字脱字の確認が完了する度に、対象のセルにチェックマークをつけて進捗と残タスクを確認しながら、セルフモチベーション管理を行なっていました。

プロジェクト記述書とは?

プロジェクト記述書とは、審査を申請するために利用するプロジェクトの詳細について記入する書類で、専門家を受験する場合は5つ以上、スペシャリストを受験する場合は3つ以上、プロジェクトを記入する必要があります。

この書類では、プロジェクトの秘匿性を担保するために、設計・開発した製品やサービスの具体的な名称などがわからないように内容を記入する必要がありました。ここで具体的な製品名やサービス名、企業名などが想像できるような内容を記載してしまうとそもそも審査の対象外となってしまうため、書き方には注意が必要です。私も、前年度にスペシャリストに認定されていたメンバーから、記入のコツを教わりながら内容を調整しました。

認定試験に利用するプロジェクトを選定するポイントは、いくつかあると言われています(認定試験の内容に関するフィードバックは無いため、過去の合格者からの感想ではありますが)。その内の一つで、私が今回最も重視したのは、「HCD実践者としての成長が伝わること」でした。私がどのようにHCD基本コンピタンス(後述)を学習・拡張し、補佐的な役割から主担当メンバーとしてHCDを導入したプロジェクトを推進したのかという個人の成長が最も伝わるような時系列の異なる3つのプロジェクトを選択して申請書類に記入しました。

プロジェクト記述書だけでも結構なボリュームがあるため、この書類を記入する際には余裕をもって1週間くらいの時間を確保しておくことをオススメします。おそらくまずプロジェクト記述書と書いた後に、コンピタンス記述書を書き、両方の書類の整合性を調整するために、プロジェクト記述書を推敲する流れになります。

コンピタンス記述書とは?

コンピタンス記述書とは、HCDを実践する専門家・スペシャリストとしての能力があることを証明するために、プロジェクト記述書に記載したプロジェクトの中でどのようなHCDコンピタンスを発揮したかを記入していく書類で、こちらが認定試験のメインの審査書類となります。

コンピタンス記述書の基本的な構成は大きく4つに分類されます。

A. 基本コンピタンス(13項目)
B. プロジェクトマネジメントコンピタンス(3項目)
C. 導入推進コンピタンス(4項目)
L. テクニカルコミュニケーション能力(3項目)

また、判定には以下の条件を満たしていることが必要になります(L.テクニカルコミュニケーション能力は必須ではありませんが、加点項目として取り扱われます)。

HCD専門家
・Aのコンピタンスのうち、基準得点に達した項目が7項目以上
・Bのコンピタンスのうち、基準得点に達した項目が1項目以上
・Cのコンピタンスのうち、基準得点に達した項目が1項目以上
・B、Cのコンピタンスあわせて、基準得点に達した項目が3項目以上
HCDスペシャリスト
・Aのコンピタンスのうち、基準得点に達した項目が6項目以上

実際の書類を見たことがある人はご存知かと思いますが、このコンピタンス記述書に記入する文字量は相当な量になります。認定の対象が専門家かスペシャリストかに応じて、記入量はおよそ倍ほど異なると言っても過言ではありません。スペシャリストであってもかなりの文字量です。

スペシャリストの最低基準にあわせたとしても以下の文字量になります。

3プロジェクト × (6Aコンピタンス × 500文字)= 9000文字

コンピタンス記述書の回答する項目には、それぞれ質問が用意されており、その質問の意図に沿った回答を記入することが求められます。パッと見にはとても似ている質問の場合もあるので、回答を記入する度に質問の意図を的確に解釈することが出来ているかを確認しながらの作業になるため、かなりの集中力と忍耐力が求められます。

また、記入する内容も申請者がプロジェクトの中で、どのような役割で参加して、どんなHCDサイクルに登場するツールを選択して、どのような目的でそれらのツールを採用して、どのように設計・実施して、結果としてどのような発見をしたのか、などについて詳細に説明しなければなりません。さらに、プロジェクト毎に多少の差異はあると思いますが、使用するツールの実践方法は、HCDの標準的な活用方法に準拠していることが伝わるような内容で記入する必要があります。今回私は、千葉工業大学先進工学部知能メディア工学科教授の安藤昌也による「UXデザインの教科書」を中心に参考にしながら、こちらのコンピタンス記述書を埋めました。

他にも今回参考にした書籍・文献を以下に掲載しておきます。

コンピタンス記述書に関しては、年末から申請書類提出の前日になるまで記入と推敲を重ねていました。年末年始の諸々の行事や会社の通常業務を行うかたわらに、こちらの書類の記入を行うのは相当な気合いと体力が必要でした。期間的には1ヶ月程度の時間をかけて完成させたと思います。

認定試験の申し込み開始は11月下旬で、申し込みの締め切りは12月20日前後、申請書類の提出は1月20日前後です。申請書類の実際の公開タイミングは、11月の下旬なので、提出までには約2ヶ月半の期間があります。スケジュールをしっかりと立てて、計画的に記入を進めることをオススメします。

認定試験を受験した感想

今回の試験を通じてHCDに関する情報を体系的にインプットし、これまでの実務経験と照らし合わせながら、書類の記入を進めました。結論から言えば、何か全く新しいことを学んだということはありません。しかし、より明確にかつ意識的にHCDに関する知識と経験を繋ぎ合わせて整理して自らの言葉として落とし込むことができたように感じます。

今後は、専門家の取得を目指しながら、実務での経験と理論的なインプットの両方をバランスよく取り組んでいきたいと思います。


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Service designer and (board) Director at Yumemi, Inc. Previously, Interaction designer at Dubberly Design Office.

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