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『Dialogue: The Art of Thinking Together』(著:William Isaacs)

この本に出会ったのは2005年頃だったか。デザイン会社を立ち上げて、顧客をどうやったら獲得できるのか、マーケティング関連の本とかブログを読み漁ってた。そんな中で、嫁さんが図書館で見つけてきたこれ。異様に読みにくく感じて、でも何か惹きつけられるものを感じて、読み進まないまま何ヶ月も借りたままになってた(当時そういう本が家に常に10冊くらいある状態だった。ビバ・アメリカの公立図書館!)

しばらくのちにポートランドの本屋で見つけた時には他のデザイン関連の高ーい本たちと一緒に、自然に買い物かごに入れてた。それでやっと読了したんだけど。

この人はMIT の教授で、対話を使っていろんな場面での問題解決をした実践経験をもとに体系付けて「対話」のあり方、やり方、なぜ問題解決やイノベーションの現場で効果的なのか、を示しながら同時に自分語りもという内容で、濃い。その分(繰り返すようだけど)読みにくい!

それでもなんでここで紹介するか、というとそれはやっぱりこの本が原点になって、今の自分の仕事(フィールド)があるという思いがあるから。「対話」というフィールドが存在するということ自体新鮮だったし、その方法論が、昔勉強した道教(Tao of Pooh!)や、同時期に読んだ『Zen and the Art of Motorcycle Maintenance』の世界観とも通じる感じで自分にとってしっくりきた。自分がやってきた「デザイン」というフィールドに、これを持ち込んだら面白くなりそう、という直感もあって。

この本を読了して間もなく、自分たちの仕事を「対話」中心にしていくことにして、アーティストを集めて対話型イベントをしたり、The Year of Dialogueという企画を一年かけてやったり、町おこしの企画でクラウドファンディングとアートを掛け合わせて見たりした。

その延長で、今ここにいさせてもらってると本当に実感として思うので、この本を書いてくれたWilliam Isaacsさんには感謝してもしきれないのです。

今アマゾンのレビューを見たら、この本の内容がOtto Schermerの『TheoryU』(と今世界中でうん十万人もの人が受講する「u.lab」オンラインコース)に反映されてるんだって。この辺の話とか、Art of Hostingについてとか、そのうちまた話したいけど、綿々と繋がってるのね。面白い。

一ヶ月以上かけてやっと、6冊目。なんか一週間毎日みたいなチャレンジだったような気がするけど、まあいいや。次でこのシリーズは終わります。

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