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マイクロインフラの未来

控えめに言って、開いた口が塞がらなかった。
この記事を読んだ時だ。

創業者の方と面識はないけど、同世代で同じように建築畑の出身みたいだから、「やられたっ!」って思って少し悔しかった。
(悔しいだなんて全く図々しい笑)

とにかく、これはすごい。

だから今日はマイクロインフラの話をしよう。
そして、その先に待つ未来の話。


自律分散型の社会へ

僕たちが生きていく上でなくてはならない社会基盤、
インフラストラクチャー(Infrastructure)。

infraは「下に」を意味して、structureは「構造」。
僕たちの生活を支えてくれる構造。

たとえば、道路・電気・水道、
その他にも通信施設・交通・物流なんかもインフラ。

昔の人は偉いから「みんな」を支えようと思った。
...もしくは、それを掌握することで「みんな」を支配しようと思った。

最初にインフラ作った王様はどんな気持ちで作ったのかなんて知らないけど、ひとつたしかなことはインフラが強く強く権力と結びついていること。

誰が悪いとかではなくて、インフラって大きいから、必然的にそうなっていく。

この日本においては、どのインフラももはやがんじがらめで身動きが取れない。変えたいと誰かが思っても、変わらない。

地方では人口が減っていくから、1人あたりのインフラ維持コスト負担は年々嵩んでいく。
そして、結局人々は都市部へ流れてしまう。


そこに一石を投じるマイクロインフラの台頭。

都市への大規模な一ヶ所集中から自律分散の流れへ。
権力から解放されたインフラはその流れを加速させるのか。


水インフラの革命

WOTA社が開発した「WOSH」は水インフラに起きた革命のはじまりだと僕は思ってる。

出典:WOTA CORP.

このドラム缶式の手洗いスタンドはどうやら、手洗いで使った水を独自のテクノロジーで浄化し、再利用できるようにしたものらしい。

つまり、水道につないでないのに水が出続けるってこと。

この凄さ、ちゃんと伝わってる?

このまま開発がどんどん進んでたとえば、お風呂も飲み水も洗い物も、家の中で使う全部の水が再利用される「家」ができたらどう?
もしくはそんな「キャンピングカー」ができたら?(まるで宇宙船みたいだ)

「住む」ってことの概念すら変わってくると僕は思う。

どうして高い税金を払って「みんな」のインフラを維持しなければいけないのか考えざるをえなくなってくる。
(別に悪いと言ってるわけじゃない、インフラに生かされてることはよく理解してる。)

とにかく、自律分散が大きなテーマになっているここ日本という文脈においてもこういったマイクロインフラの動向は目が離せない。


リープフロッグ

ところで、少し話ずれるけど、
リープフロッグ」って言葉を知っているだろうか?

直訳するとカエル跳びなんだけど、日本でいうところの馬跳び。屈んだ人の上を飛び越えるやつ。

これ、意味が転じて、
技術や経済がいきなり数段すっとばして発展することを指すらしい。

例えば、電子マネーを例に出す。
日本もアメリカもなかなかこれが普及しないけど、中国やアフリカでは数年前からどんどん使われている。

日本の方が、アメリカの方が、発展していると思ってたのに気がついたら最新テクノロジーはそこにはなかった。

なんでかというと、
日本はATMがちゃんと普及して、誰でも簡単に、どこでも現金を取り出せるようになった(そして、治安が良かった)から現金文化がなかなか抜けない。
アメリカはクレジットカードが広く普及し、文化として根強く残っているから電子マネーに移行するメリットがそこまでないと思ってる。

そんな中、中国もアフリカも、ATMもなければクレジットカードもあんまり使えない、さらには銀行まで若干怪しい。
そうなると必然的に電子マネーを導入するのが1番合理的だったというわけ。

現金→ATM→クレジットカード→電子マネー

ではなくて、

現金→電子マネー

っていうリープフロッグ。


自律分散は途上国から

...これ、さっきの水のマイクロインフラの話を思い出さない?

つまり何が言いたいかというと、

日本にとっては自律分散っていう新しい理想像に向けて、水のマイクロインフラはあったら良いよね的なモノでしかないけど、
水道インフラが整ってない国(たくさんある)にとっては死活問題であって、マイクロインフラは経済合理に適った手段ということ。

日本って基本的には水の豊かな国だから、僕含め、生きてる中で水道から水出すことにあんまり注意払ってないかもしれないけど、毎日何kmも歩いて水汲みに行ってる子どもたちからしたら、こんなの夢見たいな話じゃん。

だって、その水汲みの回数が減れば、学校に行けるかもしれないんだから。


うまく開発が進めば、マイクロインフラはあっと言う間に中国の地方とか、アフリカの国々で広まっていく。

自律分散型の社会は先に発展途上国で起こるし、日本はきっとそこから学ぶことになる。


発展途上国をいつまでも「助けるマインド」で接してたら置いてかれるよ。
僕らは発展途上国から学ばないといけない。

っていうのが、僕の予想。
果たしてどうなることやら。


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