人は自分を知るために本を読む? フランツ・カフカの名言から、読書のメリットについて考える。

僕は本を読んでいる時に引っかかるフレーズや表現があればメモして後から見返せるようにしています。「心に刺さる名言集 編:自分」みたいなものです。

今回はその中から、フランツ・カフカの名言を引用して少し考察しようと思います。

「多くの書物には、自分自身の城内の未知の空間を開く、鍵のような働きがある」

この言葉、皆さんはどう感じるでしょうか?

僕の最初の感想は、「そう!その通り!自分の中の知らない部屋を開けて何が入ってるのかなーって言うのを楽しむのが本を読む楽しさだ!」といったところでしょうか。すごく共感できるところがあります。

度々感じるんですけど、自分のことってあんまりよくわからなくないですか?例えば、自分はどんな時に嬉しくて、どんな時に悲しくて、どんな時にイライラして、どんな時に怒るのか。一つずつあげてみて、と言われると詰まってしまう人の方が多いのではないかと思います。もちろん僕もそうです。

ある時、仲のいい友達が、

「自分の機嫌をとるのって大事。どうやったら自分の機嫌を自分で取れるかのリストをたくさん作りたい。」

みたいなことを言ってて、結構新鮮な視点だなと思ったのを覚えています。リストっていうのは具体的にいえば、「服を買う、風呂にゆっくり入る、お笑いの動画を見て笑う、スポーツをしてスッキリする」みたいなことです。それをやればメンタルが改善するリストです。このリストを見返せば何をすればいいかわかるってことですね。なんでこんなことを引用したのかと言うと、

自分の機嫌の取り方をわかってない人の方が多いんじゃないか

とその時思ったからです。つまり、自分のことって意外とわかってなくない?ってことですね。前述したように、どういうときに幸せでどういうときにそうで無くなるのかというのを知っておくと、人生だいぶ生きやすくなるんじゃないかなと思います。

ここで本題に戻ります。カフカは自分の未知の空間を開く、つまり自分と言う生き物を深く知るために書物が役に立つと言っているわけです。

僕の個人的な解釈で言うと

「この登場人物に憧れを抱くってことは、この人物がやってることを自分もやりたいと思っているんじゃないか?」

みたいなことです。ある小説の中で、作家として活躍する主人公に憧れるということは、自分のどこかに創作意欲があるんじゃないか?とか。

もちろん自分がどんなときに喜んで幸せを感じるのかを知ることも大事ですし、どんなときにイライラしてしまうのかを知ることでその可能性をあらかじめ排除することもできるわけです。

「通勤電車が死ぬほど嫌いだからお金はかかるけどグリーン車で通おう」

とか。まあ一例としてですが。

さらには、言葉にするのが難しいですが、もっともっと深い部分の自分も読書を通して垣間見ることができると思います。

せっかくなのでカフカの代表作『変身』に関していうと、非現実と現実の狭間で繰り広げられるやりとりを読んで、感じて、想像することで、心の深い部分が揺り動かされているのを実感するわけです。この感覚上手く言えないですがなんとなくわかって頂けるでしょうか、、、。

おそらくnoteを使っている方は本を読む人の方が多いと思っているので、この感覚は伝わっていると信じます笑

自分探し、というフレーズが流行った時期がありましたね。いつかは覚えていないですが。自分探し、と言って遠くに旅したりするのもいいですが、実は自分自身の城の扉の鍵は、本の中に隠されているのかもしれません。


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