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東北でパートナーシップ制度を導入したいーパートナーとのあり方を考えるー

木村聡と申します。
陸前高田市議会議員を務めております。
現在、盛岡市議会議員の加藤麻衣さんと共にパートナーシップ制度の導入に向けて取り組んでいます。

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◆パートナーシップ制度とは
パートナーシップ制度は結婚をしない・できない事情のあるカップルの関係を自治体単位で公式に認めるものです。
例えばLGBTQ+といわれるセクシュアルマイノリティーのカップルや、パートナーと死別し※(すでに子どもがいるなどの事情により)再婚を選択しない方々のための制度といえます。
※死別について
パートナーシップ制度の他の自治体の例を見ると「配偶者がいないこと及び相手方当事者以外のパートナーがいないこと」を条件にすることがほとんどで、死別を理由に制度適用になるかは議論が必要です。
特に被災した陸前高田においては重要な文脈と言えます。

パートナーシップ制度のおかげで当事者の方たちは
・市営住宅への申込
・病院で入院や手術の同意ができる
・住宅ローンや生命保険(民間企業が認めた場合は)でのパートナーとしてのサービスを受けること
など、結婚している夫婦ならば当然のことの一部ができるようになります。

また有識者の方によると
「パートナーシップ制度導入によってが社会が当事者の方の存在を認めることにつながり様々な進展につながる」としています。
制度によってできることのみではなく、「社会として考えていくこと」に着目した考えです。

東京都渋谷区の導入を皮切りに全国で40近くの自治体が導入、導入検討をしており
茨城県、大阪府は県府単位でこの制度を推進しています。
しかし、日本で唯一東北地方だけ0。となっています。

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◆提案のきっかけ
大きく二つの理由があります。
一つ目は
同じく、20代政治家の加藤麻衣さん(盛岡市議)の存在です。
彼女自身はレズビアン(女性同性愛者)、そのことを公言し学生時代から民間での活動をずっと継続しています。そして昨年9月、25歳で史上最年少の盛岡市議となりました。
加藤さんとお話しする機会をいただいた時に、LGBTQ+に関する様々なストーリーを教えていただきました。
・地方では当事者の存在が見えにくく民間や行政のサービスから取りこぼされること
・地方は異性愛規範、性別二元論、性別役割分業意識が強く、生きづらさを感じた当事者が出て行くこと
・LGBTQ+の方は自殺を考える割合が高いこと

パートナーシップ制度が導入されれば、制度を利用するしないに関わらず
「民間や行政のサービスがより充実していく」
「生きづらい思いをしたり岩手・東北から出て行く人が減っていく」
「地方でもLGBTQ+であることに誇りを持って生きていける」
加藤さんの言葉一つ一つが強く胸に刺さりました

二つ目は
ぼく自身の結婚です。
先日結婚し、本当に多くの方から祝福いただきました。妻とはいつ子どもが欲しいか。という話もしています。
・ぼくは、パートナーを両親、親戚に紹介し祝ってもらえた
・二人の今後を考えることができている
とても幸せです。

しかし、これは当たり前ではないのではないか。
ぼくたちが子どもを授かったとして、その子がLGBTQ+のことで悩むことは大いにありうる
ぼくと妻どちらかが早くに亡くなってしまい、長い時間を一人で過ごすことも、その時に心の支えとなるパートナーに出会うことも大いにありうる

ぼくは当事者ではないし、「加藤さん、あなたが盛岡から東北を変えて欲しい」と思っていたけど

当事者でなくては言ってはならないのか
というか、当事者ではないと言い切れるのか。ぼくは。あなたは。

そんな想いが湧いてきました。

◆導入への課題

パートナーシップ制度はSDGsや多様性が認められている現代で、「いずれ」導入されていくのかもしれません。
しかしなかなか進まない現実もあります。制度を変えていくためには声をあげることがなにより重要なのです。
【当事者の方が声を上げづらい】
通常行政は市民の方の声がわき起こると、動き出してくれたりします。
しかし、本件に関して言えばLGBTQ+の方々やパートナーシップ制度を望む方々は声をあげられるでしょうか。
そこが難しいのです。
特に陸前高田のような人口2万弱の小さな市では、(人々のつながりが強すぎるせいなのか)現状ではパートナーシップ制度の理解が進んでいるとはいえません。
本市で市民運動が起きるのはまだまだ先だと思われます。

すると行政に重要性・緊急性が伝わらず、動きが起きづらい。
そして当事者ではない人たちにとって「そういう人って私の周りにはいない」と特に意識することがないままです。

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◆みなさまにお願い
ぜひ、
シェア、そしてコメントをお願いいたします!
・コメントにはこの取り組みを応援するコメント
・実際にパートナーシップ制度がないことで困ったことがあるなどのコメント
・その他意見(反対の意見、慎重になるべきという意見)
などなどです。


今の「当たり前」は
誰かの「ほっとけない」から始まっている


先日出会った素敵な言葉です。

行政に声を届け、注目を集め、
今、導入に踏み切ることはとてもポジティブであると、行政の後押しができるとうれしいです!!

最後に、共に活動している加藤麻衣さんからのコメントを紹介します。
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東北のLGBTQ+当事者が、暮らし慣れた場所で大切な人と生きていける未来をつくりたいです。
そのためにまずは岩手県内にパートナーシップ制度を導入したいと考えています。
現在全国34の自治体がパートナーシップ制度を導入しており、利用しているカップルは759組に登ります(2020年1月20日時点)。
全国同様、東北にもたくさんのLGBTQ+当事者が暮らし、制度を必要とするカップルもいます。
しかし、東北でパートナーシップ制度を導入している自治体は0です。
LGBTQ+当事者が暮らし慣れた場所で大切な人と生きていける未来を目指し、若手議員2人が岩手で動き始めます。
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一般質問は2月25日14時より。
ぜひ、みなさんの力で東北の背中を押していただけたらと思います!

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 #パートナーシップ制度


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