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雑感98:静かに退職する若者たち 部下との1on1の前に知っておいてほしいこと

バブル世代、就職氷河期世代、ゆとり世代、さとり世代、Z世代……。
たった1つの職場で、こんなにも多様な世代が働いている。
育ってきた時代や環境が違えば、考え方や価値観は当然違う。
そして、すれ違う。
そうした「世代間ギャップ」「コミュニケーション・ギャップ」をどう埋めるのか?
解決策の1つとして、多くの企業では「1on1ミーティング」がなされている。
しかし、効果的に実施できている企業は一握りだ。
そして、若者が何も言わずに辞めていく。
なぜ、うまくいかないのか? 今の職場の若者はいったい何を考えているのか?

amazon紹介文より

私も気が付けば30代後半に差し掛かり、今時の新入社員とは一回り以上離れてしまった。気持ちはいつまでも若いのだが、逆に一回り上の先輩方を同世代と認識することは決してないわけで、同様に一回り下の世代を自分たちと同一視してはいけない。

では今の20代は何を考えているのだろうか?

まず一つ興味深かったのは、仕事選びの基準として収入や休暇取得日数、ワークライフバランスの重要性は下がっており、逆に研修の充実度やスキル・資格に繋がるかを重要視する傾向にあること。

本の中の統計データは直近4年分くらいしかなかったが、もう少し長いスパンを見ても同じ傾向なのだろうか。

これは勝手にかつ適当に推測すると色々な要因があると思う。

一つ思いつくのは日本の経済成長。古くは高度経済成長期のように日本全体が成長する機運にあり、会社はそう簡単には潰れない、大きな日本の成長物語に乗っかっていれば何とかなるという安心感があった。知らないけど。

今はどうか。大企業だろうが何だろうが、社会は複雑化しており、景気の先行きも不安。日本を支えたものづくりを揺るがすような品質の問題など。自分の会社が明日どうなっているか分からないという不安感・モヤモヤ感。社会に"危うさ"がある。

ちょっと大げさな書き方になってしまった気もするが、こういった背景の中で人材市場も流動化しているので、昔より自分自身の"時価"に敏感になっている人が増えているのかな。

私自身も10年前より自分の人材市場における"時価"が気になるようになった気もします。

もう一つ興味深かったのは「理想の上司」論。

本の中の調査結果を見る限りでは「丁寧さ」「分かりやすさ」「傾聴」「適切なフィードバック」あたりが現在の上司には求められているのかなと。あくまで統計ですが。

この辺のキーワードを無理やり一つにまとめようとしたらやはり「心理的安全性」の確保、でしょうか。

次に雑感を書く予定の『モチベーション3.0』にも繋がるテーマのように思います。アメとムチではなく、部下の動機づけがパフォーマンスに影響することを科学的に説明できると。

グダグダ書きましたが、私が書いたことだけを繋げると、現代の若者は「心理的安全性が確保された環境で、いつでも転職できるように会社と適度な距離感を保ちながらスキルを身に着けたがっている」という感じでしょうか。30後半の私自身も何だかんだでこれに近いような気がします。

社員旅行をして、みんなで徹夜して、夜遅くまで飲んで・・・という共通体験を通じて会社や他者を自分と同一視する時代から、会社を自分とは切り離して"道具"ないし"手段"として扱う時代に変化している、といったような言い方をしてもいいのでしょうか。

これを背景とすると、昨今の流行りのパーパス経営、個人と会社の目的を一体化させるような活動に奔走する企業の動きとも辻褄が合う気がします。

別に辻褄が合う必要はないのですが、話が一旦まとまった気がするのでこれで終わります。




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