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LINEで実践するリテンションマーケティング②|LINE公式アカウント運用_part.2

LIFULL HOME'Sでは、リテンションマーケティングのチャネルとしてLINE公式アカウントを運用しています。ここでは、アカウントを運用してきた中での感じたことやナレッジをご紹介しています。

今回の記事は、前回の「LINEで実践するリテンションマーケティング①」の続きです。


リテンションマーケティング成功の為の課題

こんにちは。LIFULLの秋月です。
LIFULL HOME'SのCRMマーケターとして、リテンション施策を担当しています。

前回、リテンションマーケティング成功の為には「ID獲得」「状況の把握」「接客の最適化」の3つの課題があり、それぞれのレベルを上げることが大事だよ、とお伝えしました。

リテンションの課題

では、この3つの課題に対して、LIFULL HOME'Sでは何を行ってきたのか?をご紹介します。

①ID獲得

LIFULL HOME'SのLINE公式アカウントのお友だちは、大きく3つの経路から獲得してきました。

・LINEスタンプ
・LINE通知メッセージ
・独自開発のLINE通知サービスへの登録(新着物件通知など)

この3つのどれが成功か失敗か…でいうと、実施時に定めたKPIもあったりするので、入り混じっている感覚です。(いきなり濁しました)

しかし、「リテンションマーケティング」の視点で振り返るならば、『お客様ご自身が”LINEを使う目的”を認識してお友だち登録されるか?』という視点が抜けたID獲得は、成功確率が低いと感じています。

例えば、LINEスタンプ。LINEアカウントを立ち上げた際に実施をしました。

その当時は、LINEでのリテンションマーケティングを視野に入れつつも、集客メディア寄りの運用に留まっていた為、LINEスタンプで獲得したお客様を上手く接客できていませんでした。結果、ブロック率も高かったです。

次いで取り組んだのが、LINE通知メッセージ。
通知メッセージとは、LINE社が提供するメッセージ機能の一つです。LIFULL HOME'Sでは、物件問合せ後の完了通知をお送りしています。
(通知メッセージについては、こちらの記事が分かりやすいです)

元々は、ID獲得の為に取り組んだ施策ではなかったのですが、蓋を開けてみると通知メッセージ経由のお友だち追加が一定数あり、ここからLIFULL HOME'SのLINEリテンションサービスの立ち上げが本格化しました。

通知メッセージからの獲得は「物件問合せ直後」であり、『接客するターゲット』と『ターゲットのこの後の動き・悩みそうなこと』が絞りやすいです。
このターゲットに向けて「住み替え完了までをサポートするサービス」を作りました。それが現在のLIFULL HOME'SのLINEサービスの軸となっている住み替えサポートです。(住み替えサポートについては、次のブロックでご説明します)

ただ、ここにも課題はありました。
通知メッセージ経由のお友だち追加は「LIFULL HOME'SのLINEアカウントを使いたい」というよりは「何かLINEでメッセージが来たから登録」という感覚が多いのか、ブロック率が高い傾向にあります。
目的がないままのお友だち追加が多いんですね。

そうして取り組んでいるのが、独自開発のLINE通知サービスでのID獲得です。LIFULL HOME'Sでは、大きく2つの機能を作っています。

・新着物件通知
https://www.homes.co.jp/lineofficial/newarrival

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・物件更新メッセージ
https://www.homes.co.jp/smp/mansion/shinchiku/line/update-message/about/

物件更新メッセージ

このどちらもが「LINEで自分が欲しい情報を受け取りたい」という明確な目的をもってお友だち登録して下さっている為、ブロック率が低い傾向にあります。

以上の3つの取り組みをもって、LINEのID獲得は『お客様ご自身が”LINEを使う目的”を認識してお友だち登録される経路』であることが重要だと思っています。

②状況の把握・接客の最適化

次に「状況の把握」「接客の最適化」への取り組みです。この2つはどちらかではなく、ニコイチの課題だと捉えています。
(なぜ分けているの?は、改善施策を講じる際に課題を分けて捉えると、目的が明確になり進めやすいからです)

なぜニコイチなの?でいうと、
お客様から聞いたことを接客に反映させないのは『教えた意味ないじゃん(怒)』に繋がりますし、お客様のことを良く知らずに接客を最適化するなんて無理難題すぎますよね。

この2つの取り組みとして、先ほどID獲得ブロックで触れた『住み替えサポート』の事例をご紹介します。
住み替えサポートは、いつでも誰でもどこでも使えるLINE上のサポートサービスとして、Messaging APIを用いて作り上げています。

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・住み替えサポートとは?
https://www.homes.co.jp/lineofficial/scenario/move_support

・エンジニアブログもご紹介
https://www.lifull.blog/entry/2020/10/12/110000

LIFULL HOME'Sでは、お客様の物件問い合わせ後の内見や契約・引越し・新生活開始までをトータルにサポートすることを目指して『住み替えサポート』を生み出したのですが、このサービスの中ではお客様に「住み替えの状況」をお伺いしています。

「見学予定は決まった?」「見学は終わった?」「契約は終わった?」などです。

そもそも、住み替えは賃貸でも大体2ヵ月、購入では平均で1年近くをかけて行うミッションですが、それこそお客様一人ひとりで進み具合は違うので「お友だち追加から〇日後に見学が終わっているはず…」という予測が当たる訳がありません。

そして、LIFULL HOME'Sのビジネスは「エンドユーザーと不動産会社を繋ぐ役割」なので、エンドユーザーが不動産会社とどんなやり取りをしているのか?住み替えが進んでいるのか?も現状分からない状況です。

なので、お客様にお伺いすることにしています。
お伺いすると、結構答えて下さるのです。現在でいうと約3割のお客様が教えてくれています。

そして、お伺いした状況に合わせて
「見学前には、見学時のチェックリストを送る」
「契約が進みそうなら、引越し割引を送る」
「見学したけど何か違った…なら、再度おすすめ物件を送る」
というように、お客様と不動産会社の間に入る中立な立場として、お客様が一歩前に進めるようなサポートを提供しています。

住み替えサポートを通じて学んだのは、
「状況の把握」をする為の1つの手段として「お客様に聞く」ことは有効だ、という事です。但し、LINEは「簡単に答えられる」特性がある以上、事実とは異なる回答が得られる可能性があります(ただ触ってみただけ、など)。
しかし、お客様にご回答頂いた情報からコミュニケーションが切り替わることを体験頂ければ事実を教えて下さる可能性は高まると考え、頂いた回答に全力でお答えしている、というのが今のサービス状況です。

また「接客の最適化」として見えてきたのは、LINEでは『PULL型のコミュニケーションが良い』ということです。

CRMとしてシナリオ構築に携わっている方は感じたことがあるかと思うのですが…
「ユーザーの状況に合わせてシナリオを組む」というのは、どうしても「マーケターの脳内で考えられること」に留まってしまいます。そして、100点満点のシナリオを1人1人に準備するなど、AIのチカラを借りても夢の世界です。

そこで、LINEのコミュニケーションでは『お客様に選んでいただく』場面を散りばめています。

例えば、家の購入に関して「今、気になること」を伺ってサポートすべく、LINEのクイックリプライという機能を取り入れています。

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クイックリプライは選択肢を最大13個並べられて、LINEトークルーム上で「多数の候補の中から選んでいただく手段」としてはとても有効です。13個目に「その他」を設置して、選択肢を一新することも出来たりしますので、数に制限がないと言っても過言ではありません。

こういった『PULL型コミュニケーション』は、ポチッと押したら回答が返ってくる…というLINEの双方向性があるからこそ提供できるものだと思っています。

KPI:ユーザー満足度の運用

ここまでは、リテンションマーケティングの成功(=満足度向上)を目指して、3つの課題に対して実践してきたことをお伝えしましたが、最後に「どんな指標で評価してきたのか」をご紹介します。

LIFULL HOME'SのLINE公式アカウントのKPI指標は「ユーザー満足度」です。

リテンションマーケティングとしてLTV(事業への売上貢献)を最終目的(KGI)とした時に、KPIをユーザー満足度に据えて『お客様の満足度を高めることで、売上を上げる』という指標で評価しています。

その運用方法ですが、ユーザー満足度=NPSスコアを活用しており、LINEお友だち専用のアンケートを作って取得しています。

そのアンケートで得た情報をお客様の行動データを紐づけて「こんな状況のお客様が満足度が低い(から、このサービスのここを改善しよう)」を判明させ、ユーザー満足度向上に繋げよう!と思っているのですが、アンケート取得率の低さなどまだまだ課題が沢山です。

こんないい方法があるよ!という方がいらっしゃれば、教えて頂きたい!
宜しくお願い致します(笑)

LINEコミュニケーションは、新たなCRMの形

今回の記事では、LIFULL HOME'SがLINEでユーザー満足度を上げる為に取り組んできたことを書きました。如何だったでしょうか?

ユーザー満足度を高める為に取りうる手段は沢山あると思います。
ただ、ユーザー満足度を高める為には、我々からの一方的な愛を受け取って頂く…という方法ではなく、お客様にも我々のことを理解して頂きながら一緒に課題を解決するような方法もあるんだな~と感じてもらえたらいいな、と思います。

尚、今回ご紹介したサービスを始め、LIFULL HOME'SのLINE公式アカウントには様々なお役立ち情報を散りばめています。
是非、お友だち登録して、触ってみてください!

【LIFULL HOME'S】LINE公式アカウント オフィシャルページ
https://www.homes.co.jp/lineofficial/

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さて、次回ですが

ここまで書いた弊社のLINEサービスは、ゴリッゴリにエンジニアさんに作り込んで頂いています。「いやいや、LINE運用にそんなリソース無いよ」という皆さんに、今日からできる!LINE Official Account Manager(管理画面)を活用したLINEコミュニケーション改善をご紹介します!

ありがとうございました!


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