大原亜希

日本と海外のレストランで16年デザートを創っていた元職人です。今は創造性や強みをベースに、成長をサポートするお仕事してます。Gallup認定ストレングスコーチ。ウェブサイトはコチラ→https://coach-liberte.com/

大原亜希

日本と海外のレストランで16年デザートを創っていた元職人です。今は創造性や強みをベースに、成長をサポートするお仕事してます。Gallup認定ストレングスコーチ。ウェブサイトはコチラ→https://coach-liberte.com/

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    • 職人の世界

      日本・フランス・オーストラリアのレストランで働いていた時代のストーリー。

    • 世界を旅する

      世界で出会った美味しいものや美しいもの、素敵な人との出会いのストーリー。

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    「自分らしさ」をお皿の上に

    以前働いていたレストランで 「顧客に好まれるのはどんなデザートか」 という話題になったことがありました。 「酸っぱすぎるものはちょっと」 という方もいるし、 「甘すぎるのはフレンチのあとにはねえ」 というかたもいる。 お客様の意見を全部取り入れて、そういう「難」をすべて無くしていったら、とてもありふれた無難なデザートが出来あがった。私が創作で迷走していた時代。 当時一緒に働いていた尊敬するサービスマンから 「(このデザートはあなた)らしくないね」 と言われたのを、強烈に

      • 「緑」がなくても料理は完成するか、という話

        料理やデザートを構築するとき、「足し算」をするか「引き算」をするか問われると、自分は「引き算」が好きだなあと思います。 これは以前一緒に働いていたシェフに影響を受けたから。とってもロジカルに料理の構築をされる方で、 「これ、なんでここに乗せたの?」 「このスパイスを持ってきた意図は?」 と、私が創ったデザートの、ひとつひとつの意味を問われる方だったのです。 それまで感覚だけで作っていた私は、このシェフからすごく良い刺激をもらいました。 料理のなかで「引き算」をするという

        • 大徳寺龍源院:悠久の時が流れる蓬莱式庭園

          少しゆったりとした時間に浸かりたいとき、私は京都のお寺、しかも出来るだけ観光客が少ないお庭を訪れる。 京都って少し不思議な街で、現代風の建物やお店もあるのだけれど、こういった時が止まったような空間も点在している。 中に入ると、そこは少し時間の流れが違う。まるでそのお庭が始まったときの時間が、今もそこに留まっているかのよう。凛とした美しさで、訪れる人を迎えてくれる。 参拝者を拒むお寺が多い大徳寺のなかで、年中扉を開放している珍しい塔頭のひとつ。お庭と一対一で対話するなら、

          • 世界の果てで

            「え、ちょっと、本気で言ってる?」 私はぎょっとして、隣で小学生みたいに、ピンと手を挙げている彼に言った。 「え、ごめん。実は早口やったから、あまりよく分かってない。今何て言ってた?」 ああ、良かった。ガイドの英語が聞き取れてなかっただけだ。さっきの話聞いて、それでも行きたいなんて言わないよね、普通なら。 「部族の人達は、神聖な場所だと思ってるんだって。だから祭事のとき以外は、誰も登れないらしいよ。彼らの掟では」 「ふ~ん、でも一応観光客は登れるんでしょ? じゃあ、僕登

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            ミッシェル・ブラス:最高のレストランで買うのは時間

            「今まで行った中で一番印象にのこったレストランは?」 と聞かれたら、私は間違いなく 「ミッシェル・ブラス」 答える。 三ツ星はわざわざ行く価値のあるレストラン、という形容をされるけれど、その言葉にふさわしく非常にアクセスが困難。私はフランス留学時代、リヨンにあった学校から往復10時間以上かけて、フランスの南西部にある本店へとランチを食べに行った。 近くの町(というより村)Laguioleはソムリエナイフで有名な場所だけど、それ以外は本当に山、山、山。あと牛。名物のチーズL

            Love in Action. 愛を行動に起こす

            旅をしていて一番楽しいのは「出会い」だと思う。 エクスアンプロバンスの町中を歩いていたら、ふと看板が目に留まって入ったレストラン。「タルティーヌ専門」という、ちょっと風変わりなお店なのだけど、料理がテーブルに来たときに思わず微笑んでしまった。 私の感性にドンピシャの一皿。見た目も素敵だけど、味もメチャメチャ好み。 帰り際、笑顔の素敵なマダムに「エクスアンプロバンスで食べた食事の中で一番素敵だった。とても綺麗で、美味しくて、繊細で。もしかしてシェフは女性??」と尋ねると、

            「教えないこと」の大切さ

            むかーし、職人をしてた時代。部下を育てるのが楽しくなってきた頃に意識してたのって 「教えないこと」 だったんですよね。 何年も経験を積んでいれば、そりゃあ自分なりの正解というか、「上手くいくやり方」「失敗しないやり方」って、色々持っているわけです。相手も当然それを知ってるから、”どうしたらいいですか?”っていう質問がやってくる。 最初の頃は頼りにされるのも嬉しくて全部答えてたんですけど、あるときふと思ったんです。 「こうすると上手くいくよ」 というアドバイスを先に渡し

            Mean it literally. 言葉通りを意味する

            リル・シュル・ラ・ソルグ=「ソルグ川に浮かぶ島」。そんな意味をもつこの小さな町に、日曜になるとたくさんの人が押し寄せる。 透き通った清流の流れる運河で囲まれたこの町のいたるところに、アンティークや南仏の雑貨、食品のマルシェが立つからだ。 フランスのマルシェがすごく好きだ。 スーパーと違って、お店のひととのコミュニケーション無しには成り立たないところがいい。 フランス人はおしゃべりが大好きだから、こちらがフランス語を話せると分かると、自慢のチーズやオリーブについて熱く語

            Be simple, be myself シンプルに、私のままで

            「Les plus beaux villages de France(フランスで最も美しい村)」にも認定されているゴルド。 町から少し離れた高台から見る景色は圧巻。リュベロン地方にはこういった鷲の巣村がたくさんあるけれど、外見だけでなく町の中も、中世のころのまま時が止まっているような気がする。 世界を旅することは、新しい視点を手にいれることだ。 日常を離れると、当たり前だと思っていたことがそうではなかったことに気づく。すでに自分が持っているものに感謝できるし、鈍っていた

            Eye to eye 目と目を合わせて

            石灰質で作られた入江「カランク」。濃い青と空のような青の対比が面白い景色。 そんなカランクを見に行こうとマルセイユに行ったら、駅から港までの道で完全に迷子になった。 南フランスの明るい街のイメージと同時に、犯罪もとっても多いマルセイユ。道のど真ん中で地図を広げるのはちょっと気がひける。     通りかかった優しそうな年配の女性を呼び止める。 ”すいませんマダム。マルセイユのかたですか??“ 迷子になってしまったんだけど港に行きたいの、と言うと、丁寧に行き方を教えてくれ

            【Who did you learn from? 誰から教わったの?】

            職人時代、オーストラリアのメルボルンで働いていたレストランに、1人の日本人が求人募集を見て訪ねてきたことがあった。 履歴書にはシドニーで知らない人はいない、ある有名日本料理店の名前が書かれていて、スタッフは「すごい助っ人がくる!」と色めきだった。   ところが、一日のトライアル(試用)に来てもらった後、オーナーは彼の採用を見送った。 詳しく聞いてみると、彼がその有名店に勤めたのは、ほんの一年ほど。その間ほとんど、ジャガイモの皮をむいたり、野菜の下処理だけだったらしい。