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でき太くん三澤のひとりごと その62

以前のコラムでもお話したことがあるかと思いますが、私は今、劣等感がかなりある中学2年生のお子さんの学習をサポートしています。
(そのお子さんについて触れたバックナンバーは以下のURLにあります)

ひとりごと その41
https://note.com/akio_mw/n/n0659f882135a

そのお子さんは劣等感の影響もあり、火曜日に学習したことは、木曜日にはウソのようにすっかり忘れているというような状況です。

そのような中でも、少しずつですができることが増え、「もしかしたら自分もできるようになるのかも」という感覚は持てるようになってきていると思います。

火曜日に学習したことを、木曜日にはウソのようにすっかり忘れているというのは、劣等感が強く影響しているのですが、指導者が「あること」を意識してサポートすると、その劣等感の影響を最小限にくい止めることができたりします。


私は中学2年生のお子さんにその「あること」を常に実践しています。

その「あること」とは、必ず「今日のポイント」を口頭で本人に言わせるようにすることです。

たとえば、

「小数のかけ算の小数点は、どこを見ればいくつ動かすのかがわかるのか」

ということを学んだら、これが今日覚えるポイントであることを伝えます。

そして、レッスンが終わるときにも、「今日のポイントはなんだっけ?」と尋ねて、口頭で答えてもらうようにします。

これでも劣等感が強くあるお子さんは、火曜日に学習したことを木曜日には忘れていることがあります。(私はその状況に慣れていますので全く驚きませんが、普通は驚くと思います)

私は、その「あること」を実践しても劣等感の影響を受けてしまうお子さんには、レッスンをせず、じっくり話をすることがあります。

どういう話かといえば、それは学習者本人の「主体性」を引き出す内容です。

三澤
「もしかしてAくんは、私に算数、数学をできるようにしてもらおうとか思ってる?とりあえず、レッスンにくればできるようになるんじゃないかと思っているかな」

Aくん
「うーーん、わかんない。。。たぶん」

三澤
「私が準備するプログラムをしっかり消化していけば、必ず算数、数学はできるようになるけど、学習するのは私ではなくて、Aくんだよ」

「私はオリンピックで金メダルをとるためのノウハウ(例え話です)はあるけど、それを実践するのはAくんです」

「私が覚えるようにアドバイスしたことは、Aくんが自分で“忘れないようにするぞ!”とか、“家に帰るまでずっと呟いて忘れないようにするぞ!”というように、自分で覚えようとする努力をしないと、なかなか算数、数学はできるようにならないんだ」

「自分はできるようになりたい、わかるようになりたい!という思いで、自分から働きかけるようにしていかないと、状況はなかなか変わらないんだ」

「私は、Aくんが“できる子”になるためのプログラムを組んだり、サポートはできるけど、実際に学習するのはAくんで、Aくんが金メダルを取るためにトレーニングをするんだ。努力するのは私ではなく、Aくんなんだよ」

「いつまでも私に“今日のポイントは何だっけ”と言われているようではだめ。自分で今日のポイントを考えて、自分で忘れないようにする努力をしていくんだ。そうすれば必ずAくんは変わることができるよ」

「自分が自分の人生の主人公になって、自分で変わりたいと思って、自分で変わるための働きかけをしていくんだ」

「そうすれば、必ず変わるから!」

というような話をします。


当然、この話を1度したくらいではすぐには変わりません。

長く劣等感の影響を受けている子は、その主体性とはどういうものなのかということすら感覚的につかめていないことがあるからです。

劣等感が強くあるお子さんが「V字回復」していくには、上述したようなことをあきらめず、何度も徹底していくことが必要なのです。

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