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でき太くん三澤のひとりごと その161

◇  ほめまくる会


今私は、ベートーヴェンの「月光」を聞きながら「ひとりごと」を書いています。

この「月光」は、ベートーヴェンが30歳のときの作品だそうです。

西暦でいえば、1801年。そこから200年以上たっていますが、今なお多くの人を魅了し続けています。

200年以上消えずに残っているということは、時代の変化に左右させることのない完成度であるということでしょう。


私は若い頃はロック音楽にハマっていて、ローリングストーンズ、ビートルズ、エアロスミス、レッドツェッペリンなどといった60年代、70年代のロックから、ベック、ニルヴァーナ、オアシス、レディオヘッドといった90年代から流行った音楽ばかりを聴いていました。その当時は、「クラシックなんか古くてダサい!」と思っていたものです。

しかし、30代のころでしょうか。

「こんなに古いものが今だに人々を魅了するということは、何か理由があるはず」と思い、クラシック音楽も聴くようになりました。「古い!ダサい!」と決めつけないで、一度真剣に向き合ってみようと思ったのです。

そこではじめて私を魅了したのがベートーヴェンでした。
よく音楽室で見かけた肖像画。
髪の毛がぐちゃぐちゃのねぐせ頭のようなおっさんです。

はじめてベートーヴェンの「月光」を聴いたとき、流行歌やロック音楽では感じられなかったような感覚を得ました。

音から様々な情景が浮かぶ。
感情が心に描かれる。
そして抑揚のある旋律は、まるで生命のある生き物のように輝き、私を別世界に連れていってくれる。まるで映画の世界に引き込まれていくような感覚。

正直、これには驚きました。

200年以上もの間、人々を魅了し続ける理由のひとつは、ここにあるのだとそのとき思ったものです。

こうなると「世の中にあるすべてのクラシック音楽を聴いてみたい!」と思ってしまうのが私の性格ですが、クラシック音楽は演者によって様々に変化し、新しい輝きを持った旋律が次々と無限に生まれてきます。こうなると、限りある私の人生においては、すべてのクラシック音楽を聴ききることはできません。

せめて小学生くらいの時期から聴いていたら、今よりももっと多くのクラシック音楽に巡りあえていたのではないか。そう思っても、時間を巻き戻すことはできません。もしドラえもんがいてくれたらなんて考えたこともありました。アホですね。(ドラえもんといえば、「0点、0点、れーーーてん」という歌詞の歌はおもしろいですね。曲名は忘れましたが)

まさに、後悔先に立たず。

とはいえ、ベートーヴェンによって導かれたこの世界を、私はこれかれもずっと大切にしていくつもりです。

少し前置きが長くなってしまいました。
本題に入ります。

前回、前々回は成功体験によって「セルフイメージ」が変わり、飛躍的に成長することができた「Rくん」について書いてきました。

私はお子さんたちの学習をサポートしていく上で、この「セルフイメージ」というものがとても重要なものだと考えています。

「子どもが自分自身のことをどのようにイメージしているか」

これが子どもの学習意欲、学習の質、継続性に多大な影響を与えます。

セルフイメージがプラスの方向であれば、Rくんのように学習意欲が生まれ、どんどん自分で学習できるようになっていきますが、マイナスの方向であれば、初期のころのRくんのように学習意欲はなく、何をやっても長続きはしません。

残念なことに、子どもたちが日々過ごす環境では、その「セルフイメージ」をマイナスの方向へと導いていってしまうようなことが多々あるように感じています。

知らず知らずのうちに、子どもたちの「セルフイメージ」が傷ついてしまっていることがあるように思うのです。

ですので私は、時折実践教室で「ほめまくる会」というものを行ないます。教室にいる生徒同士て、とにかく相手のことをほめまくるのです。
自分が思いついた相手の良いところを伝えるのです。(嘘はダメ)

「Aくんは、ずっと休まずにでき太くんの教室にきているのがすごいと思う」とか、

「Aくんは、やさしいところがあって、いいと思う」とか、

「Aくんは、友達を大切にしているところが素敵だと思う」とか、

「Aくんは毎日でき太くんの学習をしているのがすごいと思う」

というように、相手の良いところを言い合うのです。

教室にいる生徒ひとり1人順番に良いところだけを言い合うのです。

ちょっと恥ずかしそうにしている子もいますが、この「ほめまくる会」が終わるころには、みんな笑顔になります。そこから学習をスタートすると、とても良い雰囲気で、みんないつも以上に集中して学習するようになります。

「セルフイメージ」というものは、ほめまくる会を1度や2度行なったくらいで簡単に変わるものではありません。焼け石に水かもしれません。

しかし子どもたちは、私たちが想像する以上に、家庭外の環境で「セルフイメージ」を傷つけられていると思います。

それを少しでも修復できないか。

もしこれをご家庭でも実践していただけたら、子どもたちの「セルフイメージ」がマイナスの方向へと進んでしまうのを防ぐことができるのではないかと考えております。

もしお時間があれば、ご家族で「ほめまくる会」を実践してみてください。

おうちの方はコーヒーや紅茶などを飲みながら。

子どもは好きなジュースなどを飲みながら。

家族ひとり1人の良いところを伝えてあげてみてください。

きっと素敵な時間をご家族で過ごすことができるのではないかと思います。

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