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相対的な幸せからの脱出

負けず嫌いの私にはなかなか厄介な問題かもしれない。

人生で一度だけ、心の底から「幸せだ」と声に出して言ったことがある。今年(2020年)の2月、フランス北部の難民キャンプで働いていた時のことだ。その「幸せ」にたどり着くまでの私の人生が、今日の話。

私は、昔からとにかく負けず嫌いだった。幸せがゼロサムゲームであるかのようにいつも誰かと何かを競っていた。習い事は多い時には4つ掛け持ちし、土日どころか平日も忙しくしていた。ピアノのコンクールに歌のコンクール、合唱団でのソロの獲得、書道の大会、全てが常に競争だった。全部好きで自分から始めたけれど、苦しいことの方が多かった。

でも、やっぱり認められると嬉しいもので、見えないところで努力して、誰にも負けないようにまた頑張った。(コツコツ努力するのは苦手だったから、波はかなりあったけれど)。

それが私の「幸せ」だった。一番になるということによってしか、自分の価値を測れなかった。

でもこれで幸せになるのは、難しかった。上には上がいたし、一番になったとしても、それを守るのも辛かった。学力テストの結果が張り出されて、私がいい成績をとると「親が教師だからね」。成績が良くないと、努力をしない自分を責めた。

そのうち、なんのためにやっているのかわからなくなった。

そんな自分が変わったのは、つい最近。休学中のこと。2019年の4月から大学を1年お休みした。

ただひとりになりたくて、旅に出た。

何もせずにとことん自分と向き合って、本当は何がしたいのか、どう生きたいのか、心に問いかけた。そこで見つけたのが、中東とヨーロッパの難民キャンプで働くことだった。

そこからはあっという間だった。同じ情熱を持ったたくさんの人と出会い、共に汗を流し、夜が更けるまで人生について語った。私が経験したことを、皆興味を持って聞いてくれた。今、私の旅の話は、イギリス人の友人がやっているどこかのポッドキャストにのっている。(どこかは教えないよ)

ある夜、また自分の人生やこの旅について友人に(勝手に)話していて、ふと気づいた。それが「私は今幸せだ。」と初めて口に出した瞬間だった。

何がそう言わせたのかはわからない。でも、自分の(たった)22年の人生を振り返って、自分がしてきたことを思い出して伝えることで、なんだか自分が愛おしくなった。自分を誇りに思えた。自分がしてきた決断が、今の私を作っている。世界の誰とも違う人生。他の人と比べてしまったら、大したことない人生かもしれないけれど、私と全く同じ人生を歩める人は他にいないんだと。

他の人に経験を話して認めてもらっている点で、まだまだかもしれないけれど、少しずつ、自分で自分を幸せにできるようになっているのかもしれない。

これからも小さな幸せを見つけられるように、自分に素直に生きていこう。

#大学生 #休学 #ボランティア #バックパッカー #旅 #人生 #幸せ #難民キャンプ  







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