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Rh血液型〜Rhnull血液型とは

こんにちは、あきのくれです
今日は、Rhnull血液型という、だいぶマニアックな血液型についてお話をしていきます。
先日、テレビでRhnull血液型という単語が出てきたため、どういうものか確認していきましょう。
なお、血液型はかなり専門的なお話しです。できる限り分かりやすく説明してみる次第です。

Rh血液型

Rhnull血液型を説明するのに必要な知識は血液型についてです。
みなさんがよく聞く「血液型」というのは「A型、B型、O型、AB型」のABO血液型ではないでしょうか。実は血液型にはこのABO血液型以外にもたくさんの種類の血液型があり、その一つにRh血液型があります。
Rh血液型というのは「Rhプラス」「Rhマイナス」という言葉で聞いたことがあるかと思います。
Rhnull血液型血液型はRhプラス、Rhマイナスと合わせてRh血液型の1つです。

ABO血液型というのは、赤血球の上にA抗原、B抗原があるかないかでA型、B型、O型、AB型の4つに分類しています。それと同じようにRh血液型もD抗原、C抗原、c抗原、E抗原、e高原の5種類の抗原があるかないかで分類されています。そのパターンは18種類ほどあるためRh血液型というのは非常に複雑な血液型です。
なので、ここではこれだけを覚えておきましょう。
わたしたちが使っているRhプラス、RhマイナスというのはD抗原があるかないかで分けています。
RhプラスはD抗原があり、RhマイナスはD抗原がない
ということです。日本人ではRhマイナスは0.5%、つまり200人に1人しかいません。

Rhnull血液型とは何か

Rhnull血液型はD、Cとc、Eとeの5種類の抗原全てを持っていないRh血液型です。
D抗原を持っていないのでRhマイナスの親戚のようなものと思ってください。

RhプラスであってもRhマイナスであっても、Cかcのどちらか、Eとeのどちらかは必ず持っていますが、Rhnull血液型はこれら全てのRh血液型抗原を持っていません。

こうなってしまう原因は2つあり、1つはD抗原を作る遺伝子がなく、更にCとc、Eとe抗原を作る遺伝子に変異が起きていて、結果的にRh血液型抗原を作ることができない場合と、Rh関連糖蛋白というRh血液型抗原の土台となるようなものがないからDを作る遺伝子があっても、Cとc、Eとe抗原を作る遺伝子に正常であったとしてもRh血液型抗原を作ることができない場合とがあります。
いずれにしてもRhnull血液型というのは世界的にも稀で確認されているだけでも40人くらいしかいません。

Rhnull血液型は何が問題なの?

1つはRhnull症候群という軽い貧血や赤血球の異常が見られることがあることと、もう1つは輸血する時には国際的な援助が必要になるところです。

なぜ輸血する時に困るのかというと、人は自分の持っていない抗原が体に入ってくるとその光源に対する抗体を作り異物を排除しようとします。
例えばA型の人にB型の血液を輸血したら命の危険があるという話を聞いたことがないでしょうか。これはA型の人はB抗原に対する抗体をすでに持っているからです。
A型の人に輸血されて体に入ったB型の赤血球(B抗原)に対してA型の人が持っているB抗体が反応して輸血された血液に抗体がついてしまい、せっかく輸血されたB型の赤血球が壊されてしまいます。

ただ壊れるだけではなく、この時の反応により熱が出たり重症になると呼吸困難になったり血圧低下などが起きてしまい、最悪お亡くなりになられてしまいます。

このように輸血をしたことにより体の状態が悪くなってしまうことを輸血副反応と呼んでいます。

話を戻しますと、Rhnull血液型はRh系血液型抗原を全く持っていない血液型です。
そして、人は自分の持っていない光源に対して抗体を作ってしまうため、Rhnull血液型の人が普通に輸血をしたらRh系血液型抗原に対する抗体を作ってしまい、輸血副反応が起きる可能性が高くなります。

なので、Rhnull血液型の人が輸血をするときは、基本的にはRhnull血液型の血液型を輸血しないと輸血副反応を起こしてしまい危ないということです。

しかし、Rhnull血液型の人は世界的に見ても40人程度しかいません。
日本には10人ほどと言われています。なので輸血用の血液製剤を準備するのが非常に大変であり、国際的な援助が必要になる場合があります。

まとめ

今日は血液型のなかでも特に稀な血液型を紹介しました。
・Rh血液型はD、C、c、E、e抗原の5種類の抗原があります
・私たちが普段使うRhプラス、RhマイナスはD抗原があるかないかを見ていて、RhプラスはD抗原を持っていて、RhマイナスはD抗原を持っていません
・RhプラスであってもRhマイナスであってもCとcのどちらか、Eとeのどちらかは必ず持っていますが、この5種類全てを持っていない場合があり、これがRhnull血液型です
・Rhnull血液型と確認されているのは世界中で見ても40人程度と言われていて極めて稀な血液型です

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