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どこにもいない、あなたへ。

今日は私の誕生日だった。
私自身は、乙女座だけど。

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窪田あきな、というこの名前との付き合いは、
もう8年目にもなる。
もともと幼いころに自分に付けたペンネームが、
すったもんだ、少しずつ変化を繰り返してこの形に落ち着き、以後そのまま使い続けている。

もうひとりの人格、なんて表現には完治していない中学生の心が疼き出すけれど、
感覚としてはそんな感じ。
他所行きの言葉を綴る、自分以外の自分。

窪田あきな。
彼女の誕生日が、6月21日。

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なぜこの日なのかは分からない。いつ決めたのかも覚えていない。
ただ、ふっと。何故だか唐突に。
6月21日だと思った。
彼女はその日に、私の知らないどこかで、
人生を授かったのだと思った。気づいたという感覚すらあった。

そんな空想をぺらぺら喋る機会ももう無いけれど、
あの不思議な気づきが自分を掴んで離さず、
今でも夏至の長い昼に、星座も覚えていない彼女の誕生日を思ってしまう。

名前は、それだけでひとつの存在となり得るのだなぁ、なんて。
赤く染まる空を眺めながら、
私の中で静かに息づく彼女にそっと、言葉を送った。


ヒモ志望です。とっても上手に甘えます。