映画監督になって

2020年6月14日。
僕は映画監督になった。

特に有益なテキストにするつもりはない。
訴求の為にするわけでもない。
だからリンクも画像もなにも載せない。

僕は、2019年6月に6人の仲間で始めたクラウドファンディングを成功させ、「映画監督」になった。
僕が「映画監督」だとしつこく言うのは、これが大変な偉業であると同時に、ワンピースのモンブラン・クリケットの自宅さながらに、空虚なものでもあるからだ。
その、後者からまとめたいと思う。

僕はまだ、素人だ。
だけど、謎の自信があった。
不思議と周りにはそれを笑う人間はいなかった。それが僕の宗教を加速させてしまった。

映画人間あそびは、僕の脳内で始まった。
ただ、それはあくまで制限という名の檻に阻まれたモノだった。
予算、時期、機材、ロケーション。
結局のところ、自主制作。いくらMVで経験を多少積んだとて、頭が素人なのだ。手伝ってくれる皆も本当によくやってくれたと思う。
普段僕は人に好かれている、という感覚はまるでないんだけども、人には「あなたは人に好かれている」とよく言われる。その意味が少しだけ分かった気がした。
話を戻すと、制限といった「檻」があって良かったのだ。
いつもは大見栄をきる僕だが、今回だけは、真摯に。
あの時一億円を渡されていたら、もしかすると出来上がった映画人間あそびより、ゴミを作っていたかもしれない。
与えられた予算や時間は、theULTRALEAとしていままで僕に与えられた物よりもかなり大きい。だが、途方もないほどの金額ではない。
適度な重圧が、僕をいいバランスで動かしたように思う。
数百万円は、映画なんて作っていたらあっという間に消えてしまう。だから僕は割り切ることができた。
だから僕は「映画監督」になれたが、いまだ、「素人」のままなのである。

素人だからといって、スタッフやキャストにかけてしまった散々な迷惑を肯定するわけではない。僕が言いたいのは、今回の映画製作において僕はまた「やってしまった」のだ。

音楽も、MVも、一貫して人に習わなかった。
映画の作り方も人に習おうとはしなかった。
結局自分の手探りで作ってしまったから、この経験は、僕にしか活きてこないのだ。
そして多分、かなり効率が悪かったと思う。
映画制作に入り、まず僕がしたことは、脚本のフォーマット制作だ。(およそ数時間かけたと思う。)本当に馬鹿だとおもう。よく、映画つくるなんて言ったな、と。
ロケだって、小道具だって。スタッフはよくわかってると思う。スゲーアナログで、稚拙だ。
機材面で確かに背伸びはしたんだけど、それでも僕にまだ大きなお金を動かすことは出来なかった。

そういった意味で、僕は稚拙だ。
こどものあそびだとおもう。

だから、楽しかった。
本当に楽しかった。

無理やり呼び出して、ミーティング。
ルールを作っては、壊していく。
撮影は30時間オーバー連続で行ったり、
寒さと疲労でスタッフが寝てしまったり。
僕のせいでチームの人が怒られたり、
僕が怒ったり、誰かが怒ったり。
ヒリヒリして気持ち悪い時間が流れたり、
許されたり、許したり。

プロの現場では凡そ起きないであろう、
「人間」が起こっていた。

それがとてつもなく刺激的で愛しかった。

だから僕にはこの感動を、「プロの仕事」だとは到底思えないのです。
こんな楽しい仕事があってたまるか、とね。


さて、偉業の話。
少し口が悪くなるよ。

僕の周りにはゴミみてえなバンドしかいない。
良い音楽、悪い音楽、上手い下手、は置いといて。あくまで何かしらの目的を持って集まった集団として考えていますここでは。

ちょっと音楽をして、ライブハウスに出演して、音楽を作って、それなりにファンがいて。
それだけで自分のことを「特別」だと思ってる。
「価値」があると思ってる。
本当に情けない。
君達なんて、「普通」だよ。

正直、僕らが成した「インディーバンドの楽曲映画化」という偉業はもっともっともっと評価されたいと思ってる。
なのに君達と来たらリツイートも反応もしないんだ。
コソコソ僕達が作った映画を繰り返し見てくれていることは知ってる。
なのに反応しないんだ。
僕らが作った勇気の道を、功績を。
音楽家としての可能性を。夜に広めようと力を貸してくれないんだ。
本当に愛想がつきたよ。僕は。

クラウドファンディングで、沢山の人に力を借りた。その終着点はどこだろう。
定められたリターン?そんなわけはないよね。

ぼくは、この映画を、世界で初めて(ソース怪しいけど)のこの実績を。1人でも多くの人に届けることだと思ってる。

正直そうなってくると、映画の内容は重要ではなくなってくるんだ、もう。

僕は、「音楽が好き」とはっきりは言えない。
それぐらい普段は音楽は聞かないし、正直日本のチャートに入る音楽のほとんどを音楽だと認識していない。
僕にとって「音楽」は人生の重要なテーマのひとつだ。
余剰物であるのに、人類の起源からその存在は付きまとっている。これは大きな大きなクイズだと思っている。

その自分を大いに狂わせている音楽。
それに向けた愛情を表現する方法として、映画を作ってみた。4年かかったよ。

リリース日を決めて、
プリレコ、Rec、mix、MV撮影、編集期間で大体半年とかでパケかな。

皆さん、本当に音楽やってるの?

さんざん毒を吐いて申し訳ないけども、
これぐらいきつい言葉を使ってでも伝えたかった。

僕は音楽ってそんなに焦ってやるもんじゃないと思う。
もっと愛を注ぐものだとおもう。
アーティストが、音楽を「商品」にしてしまって。その「商品」を簡単に作れる「技術」ができてしまって、手頃に安く手に入れられる「コンビニ」が出来てしまった。
もうそうゆうの、やめようよ。

兎に角、僕は僕の音楽に対する向き合い方に誇りを持っていて、日本のそれは、かなりズレている。

だから、全力で楽しんで趣味で作ってる人達の方がバズったりするのかもね。

少しズレたけど。
かたちは自由だとおもう。
僕達は少なからず、可能性という風穴を空けたと思う。
そっぽ向いてないでついてくるか別の穴あけたれや。

p.s 見てくれた人ほんとにありがとう。

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元バンドマン。音楽や映像など、芸術が好きで手広くやっています。 自叙伝で小説「とくべつなそうげん」毎日更新してます。 ●ホームページ  https://akimichihiraku.com/