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反HPVワクチン界隈に騙されないためのQ&A

こちらの記事と内容が一部重複します。

【HPVワクチンの有効性について】

Q1.
HPVワクチンは、子宮頸がんを予防する効果が証明されていないので、予防効果が無いのでは?

A1.
適切な時期(最速9歳~、通常12~16歳、最遅~45歳)にHPVワクチンを接種することで、子宮頸がんの予防効果が確実視されています。子宮頸がんになるまでに、「ハイリスク型HPVの継続感染→前がん病変→がん」という経過をたどり、発症まで数年~10数年かかると言われています。ターゲットの型のHPVに感染する前にワクチンを接種することで、90%以上がそれらのHPVからの感染を防ぐことができます。がんの原因となるHPVの感染を防ぐことにより、前がん病変が減少する効果が確認されておりますので、結果的に子宮頸がんを減らせることが確実視されています。(参考情報*1)

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Q2.
HPVワクチンの効果は約9年しか持続しないと確認されているので、接種から9年を過ぎたら効果が無いのでは?

A2.
臨床試験でワクチンの効果が約9年間持続すると確認されていることは事実ですが、それを過ぎても効果が全く無くなるわけではなく、32年間効果が維持され、ほぼ生涯にわたって持続するのではないかとシミュレーションされています。(参考情報*2)

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Q3.
200種類以上あるHPVのうち、がんの原因となる型は15種類もあるのに、承認されているHPVワクチンでは、このうち2種類しか対応していません。ワクチン接種よりも検診のほうがどの型にも有効なのでは?

A3.
がんの原因となるHPVの型は15種類ほど存在します。(16.18.31.33.35.39.45.51.52.56.58.59.68.73.82)特にリスクが高い型は16型と18型であり、HPV感染由来の子宮頸がんのうち65%程度を占めます。したがって、承認されている2価ワクチンまたは4価ワクチンを接種することで、最もリスクの高いHPVの感染を防ぐことができます。日本で承認されていないため、自費になりますが、9価ワクチン(低リスク:6.11 高リスク:16.18.31.33.45.52.58)を接種することにより、90%以上をカバーします。(参考情報*5)

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Q4.
性行為を経験済だとワクチン接種の効果はないのでしょうか?

A4.
HPVは主に性行為で感染しますが、必ずしも感染するわけではないので、ワクチンがカバーする型のHPVに感染していなければ、ワクチン接種の効果があります。経験前に接種することで、ワクチンの恩恵を最大に受けられます。
また、コンドームの使用はHPV感染リスクを下げられますが、完全に防ぐことはできません。
HPVには複数の型がありますので、例えば、16型に感染していたとすると、ワクチンを接種してもこの型に対する効果はありません。しかし、2価ワクチンで18型を予防する効果があります。(参考情報*6)


Q5.
ワクチン接種よりも、酒やたばこを控えることや適度な運動をすることでがん予防ができるのでは?子宮頸がん予防には、HPV検診と細胞診を併用した検診で予防できるのでは?

A5.
これらはリスク要因が異なるため、いずれも有効です。HPVワクチン接種は一次予防、検診は二次予防に当たります。食生活、体型、飲酒喫煙の有無、ウイルス感染、化学物質、ホルモンなど、がんのリスク要因はさまざまあります。(参考情報*1および*4)

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【HPVワクチンの安全性について】

Q6.
HPVワクチンは、ほかのワクチンと比べても副反応が多く危険なのでは?

A6.
HPVワクチンの安全性は、さまざまな調査で統計的に明らかになっています。
名古屋市の調査を例に挙げます。「多様な症状」と呼ばれる24種類の症状について、ワクチン接種ありのグループと接種なしのグループを比較しました。

名古屋市_子宮頸がん予防接種調査_回答集計結果-26_OR

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オッズ比と呼ばれる値が1前後であるため、これらの副反応疑いについては、ワクチン接種の因果関係がないことが分かります。
(参考情報*7および*8)

Q7.
ワクチン接種により健康被害が出た場合、救済されますか?

A7.
予防接種法に基づく救済制度があります。第十五条~第二十二条に規定があります。(参考情報*3および*9~*11)


第五章 定期の予防接種等による健康被害の救済措置
(健康被害の救済措置)
第十五条 市町村長は、当該市町村の区域内に居住する間に定期の予防接種等を受けた者が、疾病にかかり、障害の状態となり、又は死亡した場合において、当該疾病、障害又は死亡が当該定期の予防接種等を受けたことによるものであると厚生労働大臣が認定したときは、次条及び第十七条に定めるところにより、給付を行う。

(中略)

(保健福祉事業の推進)
第二十二条 国は、第十六条第一項第一号から第三号まで又は同条第二項第一号から第三号までに掲げる給付の支給に係る者であって居宅において介護を受けるものの医療、介護等に関し、その家庭からの相談に応ずる事業その他の保健福祉事業の推進を図るものとする。

Q8.
HPVワクチンに含まれるタンパク質や免疫反応を高めるアジュバントの成分は危険ではないのですか?

A8.
HPVワクチンに含まれるタンパク質(L1)に発がん性は原理的にありません。アルミニウムを含むアジュバントは、ほかのワクチンにも使用されている成分であり、ごく微量しか含まれていないため、人体に大きな悪影響を与えるものではないということが分かっています。(参考情報*5)

Q9.
HPVワクチン接種後の副反応はあるのでしょうか?

A9.
厚生労働省のQ&Aのページによれば、以下のとおりです。(参考情報*3)

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参考情報)

*1) http://www.jsog.or.jp/modules/jsogpolicy/index.php?content_id=4

*2) https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10601000-Daijinkanboukouseikagakuka-Kouseikagakuka/0000189286.pdf

*3) https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou28/qa_shikyukeigan_vaccine.html

*4) https://ganjoho.jp/public/pre_scr/cause_prevention/factor.html

*5) https://www.buzzfeed.com/jp/soutaromine/hpvv-mine-1

*6) https://www.cancerit.jp/1035.html

*7) http://www.city.nagoya.jp/kenkofukushi/page/0000088972.html

*8) https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S2405852117300708

*9) https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=323AC0000000068

*10) https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=323CO0000000197

*11) https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=323M40000100036


















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