初めての収穫から、アーバンファーミングの普及を願う
1ヶ月前、山形の家の裏庭に畑を作って以来、初めて帰省する。
YouTubeの自然農系チャンネルを参考に、見よう見まねで立てた畝(うね)に、果たして作物は育っているだろうか。
初めての収穫
そわそわしながら畑を覗いてみると、青々したものが!
ピンピンの九条ネギに、ところどころ虫に噛まれた大根の葉が、そよそよと、いくつも顔を出している。
なんということでしょう!
お隣の奥さんも、「ほれー、ねぎと大根だの。生えてきたの〜すごいの〜まさかの〜!」と一緒に喜んでくれる。
とはいえ、九条ネギはまだ細く、「青ネギ」のような感じ。でもスーパーで売っているナヨナヨのとは違って、張りがものすごい。シャッキシャキ。
大根は、葉こそフサフサしているものの、根はまだ細く、直径1センチ程度。根が太くなるにはあと2、3ヶ月かかるみたい。
よく見ると、黒いイモムシのようなのが、モソモソと葉を食べている。キラキラ模様でちょっと可愛い。
でも一緒に植えた白菜とラベンダーとカブは、見当たらない。スロースターター?
雑草もほんの少し出ているけど、ネギと大根の勢いに比べたら微々たるもの。草マルチが、効果を発揮している模様。
早速、青ネギと大根の葉を収穫した。ついでに、畑の隅に生えているニラも。ニラは何年か前に母が植えたもので、毎年生えてくるようだ。
実食!
青ネギと大根の葉は、お味噌汁に。
ニラは、味噌豚と一緒に蒸し焼きにしてみた。
お味はというと。うん、臭みもなく、シャキシャキと歯応えがよい。特にうまみは感じられないのは、畑の養分が足りないから?
とはいえ、種まきからまだ1ヶ月程度。来月、再来月はどうなっていくだろう。
それにしても、食材を裏庭から調達できるとは、なんと豊かなことか。節約以上の、ありがたみがある。
農を生活の一部に
家庭菜園に関する全国調査によると、日本人の約半数が家庭菜園の経験者だという。現在、家庭菜園を実施していない人も、約4割が意欲的なのだそう。
想像より多くの人が家庭菜園を経験し、意欲を持っている。
けれども都会には圧倒的に、畑がない。土が少ない。ベランダや庭にプランターを置いて家庭菜園をやっている方は多いかもしれないけれど、やはりプランターと畑では趣が異なる。出会う虫や草花の、種類・数が違う。
畑には、発見や学び、驚きが満ちている。それらは、スマホやPC、テレビや遊園地では得られないもの。生臭くて、人間以外の生物の存在を知らしめられ、身体性を取り戻すようなことだ。
農的な暮らしを求める人がもっと気軽に、気の赴くままに取り組める環境が、各地に増えるとよいのに。そう思わざるを得ない。
特に都会のマンション暮らしやタワマンが良しとされる価値観だけでなく、個々人が豊かなものを感じ取り、選べるような選択肢がもっと増えるとよいと思う。
都市における農的なライフスタイルである「アーバンファーミング」の取り組みが世界的に注目を集めつつある。そうした活動がさらに広がっていくとよいと願う。