ソーシャルディスタンスはどうした?!

私が今いるのは、スペインのアストゥリアス県。未だ感染者ゼロの岩手県と同じ、とまではいかないけど、スペインの中ではかなり感染者が少ない県らしい。

でも、スペインは今バケーションシーズン真っ只中。移動制限が解除され、この時を待っていたマドリードの人たちが避暑地を求めて、どんどんアストゥリアスへ移動してきている。

昨日は、パウラの家で食事会があった。人々はどんなふうに挨拶をするのかな、と見ていた。
マドリードから遊びにきた60代のカップルは、「我々はマドリードから着いたばっかりだから」と言って、初めて会ったチュースには、ハグにベソではなく、肘を合わせる挨拶。一目でアジア人だとわかる私には会釈。でも、パウラをはじめ、旧友たちにはハグとベソ。
病院勤務の、パウラの息子の彼女は、誰ともベソ、キスの挨拶はしなかった。

でも、食事会が始まったら、挨拶に気を使っても、みんな濃厚接触である。

この日の夕食は、畑のサラダ、スペインオムレツ、コロッケ。つまみには鹿肉のサラミと猪肉のサラミ、ブルーチーズのディップ。
「そういえば、本当は東京オリンピックが始まる日だったんだよ」と言ったら、にわかに乾杯することになる。
「開かれなかったオリンピックに乾杯!」

アントニオの娘、ガブリエラ9歳は、マドリードからきている子供たちと遊びたい。でも、アントニオは言う。
「あの子たちはマドリードからきているから、遊ぶならマスクをするか、2メートル離れて遊びなさい」

でも大人がこんななのに、子どもが守れるわけない。

翌日、チュースの家に帰ったら、村に無茶苦茶車がたくさん停まっていた。そーいえば、チュースの娘、ユナがイベントをするって言ってたっけ。
家の前もこんなである。

そして、お昼ご飯はこんな感じ。総勢40人くらいいた。外だし、太陽光線がコロナウイルスを殺してくれていることを祈るしかない。

ユナのイベントに来た人たちは、ヒッピーっぽい若者たちが多かったけど、こんな集まっていいのか?という感じである。感染者の少ないアストゥリアスだからいいのか?

そう思ってみるも、スペイン全土で、さしあたって田舎は、こんな風であることは簡単に想像がつく。そこにはマドリードからバケーションで来た人たちが1人や2人や3人は混じっている。

話を聞いていると、スペインでもクラスターの考え方があって、brote と表現されていた。brote は、芽生えという意味なのだけど、こんな使い方もあるのか、と初めて知る。
昨日は、アストゥリアスの首都オビエドでbrote があったとか。

カタルーニャ地方など外出禁止令が出ているところもあるスペイン。みんながこんな感じだから、クラスターが発生しまくるのは目に見えている。外出禁止令が出る前に小旅行を遂行してスペインを楽しみたいものである。

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