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女子校のままなのは、これからの社会が女性の力をより必要としているから

こんにちは。学校法人 高木学園の理事長、高木暁子と申します。私は横浜で曾祖母が明治時代に創立した学校(英理女子学院高等学校認定こども園高木学園附属幼稚園)を経営しています。

よく「女子校を経営しています。」と言うと、「なぜ共学にしないんですか?」と聞かれることがあります。今日はその理由についてです。

ずばり、女性の力がこれまでにないほど重要な今、女子校で生き抜く力や自立心、STEAM(Science, Technology, Engineering, Art, Math)分野を学べることがとても大切だと思うからです。

大きな変化の中で、教育は

ビジネスの世界で生きてきた私が、父の急逝がきっかけで学校理事長を継承することになりました。企業とコラボ商品を創らせていただいたり、素晴らしい方々との出会いなどがありながら5年以上の時が経過しましたが、次第に感じるようになってきました。

社会、特にテクノロジー分野の進化が著しく、ビジネスは急速に変化している。そのような中で、教育もこの世の中の大きな変化を見すえて、大きなシフトが必要ではないか・・・

そんな想いが日に日に強くなってきました。

坂村健先生との出会い

さらに、同じ頃、私は世界的なコンピュータサイエンティスト・坂村健先生(東洋大学情報連携学部長、東京大学名誉教授で、国産OS TRONの開発者)のお話をうかがう機会がありました。

ド・文系、基本・アナログ人間の私でさえも感じました。

これからは、IoT(Internet of Things)やAIの発達で、これまで想像もしなかったような社会が到来する!すべての物・サービスがネットを通じてつながり、社会が飛躍的に進化するのは、とてつもなく面白そうだ!

同時に

文系・理系などという受験勉強用の分類で学びを限定してしまったり、文系人間という"くくり"だからということでコンピュータサイエンスについて学ばない(←それまでの私です・・・)と、未来の社会で生きていくことはできなそうだ・・・

坂村先生のご講演が終わると、私はすかさず坂村先生のところにうかがって、思わずお話ししてしまいました!

「先生、私は、女性がこのようなコンピュータサイエンスを楽しく学べるような学校を創りたいと思います!」

創立110周年に式典で発表

それからの2年ほど、これまでの学校(高木学園女子高等学校)を、未来の社会に向けていかに変化させるかについて、数え切れないくらいの議論を重ねて、

* これからの社会で女性が本当に活躍できるような、「創造力」や「理数系リテラシー(STEAM)」を育成する教育を行う

* そのためには、学校の校名も新たにし、新しい学部も創設する

* 創立110周年の2018年にそれらを発表して、2019年4月から新校名での学校教育をスタートする

ということを決定しました。

そして2018年6月16日。

「英理女子学院高等学校」という新校名を発表したうえで

文理融合・STEAM×グローバル教育に力を入れる「iグローバル部」を創設するということも同時にアナウンスしました。

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(写真は隈研吾先生(←幼稚園の新しい園舎を設計してくださいました)と坂村健先生)

2019年4月、女子校「英理女子学院高等学校」スタート

こうして英理女子学院高等学校がスタートすることになりました。

「どうしてこの時代なのに共学にしなかったの?」

よく質問いただきます。

たくさん理由があります。

* そもそもこの高木学園は、女性の創立者(=私の曾祖母)が女性のために創った学校で、その創立の想いを大事にしたい

* 女子だけの環境で学んだ生徒は"(女の子だけの)自力で何とかしようという意識が強くなり、" (→女子校出身の私自身、実体験からその通りだと思い当たるふしはあります・・・)その力こそ、これからの社会を生きるときにとても大切

* 女子だけの環境でSTEAM(理数系リテラシー+創造性)を学ぶと、男子に引け目や劣等感を感じることなく、勉強できるという傾向がある

* 世界中の国で「女子がSTEAM分野にもっと進出してこれからの経済を支えて欲しいと考えているのに、それに応じられていない」(→であれば、それに応じられるような学校を、本校で創りたい!)

そして、それらに加え、

私が女性で、女性の生徒のみんなと一緒に活躍できる社会をともに創りたい

という強い想いがあるということです。

もちろん私学の学校にとって「生徒募集」は大切で、少子化の中で「倍の人数がいる共学校」というものに魅力はあります。ですが、曾祖母から受け継いだこの学校で、私は女性のエンパワーメント・自立のためにもっと挑戦してみたいと思うことがあります。

女子教育を大切にしたい、というのはそのような想いからなのです。

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