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学校と社会をつなぐ-現場ニーズもあるし文科省も推奨してるんです part.1

みなさま、こんにちは。学校法人 高木学園の高木暁子と申します。

ビジネスの世界にいた私が、家業の学校の仕事に携わるようになってから、いつも思っているのは「学校と社会をつないでいくことで、生徒たちに豊かな経験をして欲しい」ということです。

今日は、なぜそう思うようになったか、そして実際に教育の現場ではそのニーズはあるのか、などについて書いてみたいと思います。

海外の大学、大学院での感動体験

みなさんは、学校で学んでいるときに、学習分野に関連する学校外からのゲストに出会ったことが一生の想い出になった、そんな経験をされたことがありますか?

私は、そんな経験をしたことがあり、それは私の人生の貴重な財産だと思っています。

大学院でロンドンビジネススクールに留学していたころの話です。ビジネススクールには日々、学校外からさまざまなゲストスピーカーが来ています。ある日、私の授業(Entrepreneurship~起業論~)に登壇してくれたゲストスピーカーの話に、私は夢中になりました。そのゲストスピーカーとは・・・

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スムージーの会社innocentを創業した、創業者3人の方々でした。(最近、このinnocentのスムージーは日本にも上陸!コンビニで10年ぶりくらいにinnocentスムージーに再会した私は、本当に感激しました。)

「人々が健康になるような飲み物を作りたい、そのためには100%果汁のスムージーを何としても作る!(水を加えるのもナシ、濃縮にもしないという強い想いがあります)、そしてできるだけfun&pop(楽しそうでポップな感じ)な企業文化を創りたい」

という熱い想いや

「起業する際には、たくさんの苦労(100%果汁のスムージーを作れる工場が本当に見つからずに、工場決定までに苦労が続いた、資金調達にも苦労した etc...)にも直面した」

という起業家ならではの苦しいフェーズのお話を、ご本人たちから聞くことができて、心からワクワクしました。

起業するって、こういうことなのだ、ということを「リアルに」学ぶことができました。

学ぶことの面白さ(←「起業論」の教科書からでは全く伝わらない熱量を受け取ることができました)を感じました。

ビジネススクール在学中には、この他にもマーケティングの父ともいわれるフィリップ・コトラー博士の講演会を直接聞いて、マーケティングの面白さを実感したり、マイクロソフトの前社長・スティーブ・バルマー氏のド迫力のスピーチを聞いて、企業経営者の凄みを垣間見るなどの機会もありました。

海外のビジネススクールだから特別じゃない?と思われるかもしれません・・・。確かに、ビジネススクールは非常に恵まれた環境だったと思います。ですが、どんな学校であっても、学ぶということに、こういう「感動」「驚き」「Wow!」体験があったらいいな、と私は思っています。

高校の現場でもニーズは高い

ビジネススクールであるとか、海外だとか、そういうことに関わらず、どんな学校でもそういう驚きの学習体験を生徒たちにしてもらえたら良いな。

そんなことを感じてきた私は、自分が仕事をすることになった学校(日本の高等学校)でも、できるだけ社会と学校をつなぐことで、生徒たちに感動の学びを経験して欲しいと思っています。

実際に、学校外の方々の経験・知恵が必要な場面は高等学校の現場にもいろいろあります。

たとえば・・・本校(英理女子学院高等学校)には、「ビジネスデザインコース」というコースがあり、「マーケティング」や「商品開発」「電子商取引」などの授業があります。こういう科目の学びには、実際にビジネスの現場でマーケティングや商品開発、eコマースなどに関わっている方のお話が欠かせないのです。

そして、たとえばプレゼンテーション。実際に学校の授業で、生徒たちがプレゼンテーションを行う機会があります。その時に、ビジネスの現場ではどのようなプレゼンを行うのか、それをふまえた上で、高校時代から練習を重ねていくことは意義あることではないでしょうか。

また、高等学校の教育課程の中に「情報と科学」など、ICTに関する科目があります。日々進化しているこれらの分野の学習には、やはりその分野での実際に経験を積んでいらっしゃる方の知見がとても大切です。

実は文部科学省の学習指導要領にも

そして、実は文部科学省も、そのような学びを推奨しています。(文部科学省の「学習指導要領」は、読み込むと、非常になるほどと納得することが書かれています。)

指導要領

(↑これは高等学校の「商業」の学習指導要領の一部です)

「地域や産業界等との連携・交流を通じた実践的な学習活動や就業体験活動を積極的に取り入れるとともに、社会人講師を積極的に活用するなどの工夫に努めること。」

と、しっかり書いてあるのです。

次回は、実際に本校で、こうした文科省の指導要領 & 私自身の体験などをふまえて、どのように学校と社会をつないでいるのか、についてふれてみたいと思います。

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