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カーズ/クロスロードは完璧なカムバック・ストーリー。忠誠心、自分であること、あらゆる年齢の人に敬意を払うことを表現している

※この記事は、Omar Holmonさんの下記の記事を意訳したものに自分の感想を付け加えた改造版です。Omar Holmonさんの記事はこちら


聞いてくれ、俺は「カーズ/クロスロード」のトレーラーを見ただけで泣いた。あのライトニング・マックイーンが帰ってきた!レース場で、彼がしたことはエミネムの言葉を借りると「L」、つまりとんでもないすごいブツだった。前に走っている車を抜かすために、壁によじのぼったら、空中で回転しちまって、クラッシュ。かつてのマックイーンなら、こんなヘマはしなかったのに、、

そこで俺は胸を掴まれた。「この映画は見なくちゃいけない」そう思った。このトレーラーは必見だぜ。まず、これを見てからこのレビューを読んでくれ。


見た?はい、よくできました。「カーズ/クロスロード」はライトニング・マックイーンをいつものレーシング場で走らせた。この映画に登場するのは下記の3世代。

1.現役を退くことが決定した旧世代のベテラン
2.ベテランと呼ばれ始めるようになったかつての新人こと中堅
3.そしてピッカピカの新世代の新人

この3が、この映画で初登場するジャクソン・ストーム。彗星のように現れた若き新人、ジャクソン・ストーム!統計やデータ解析を使った、最新鋭のテクノロジーを駆使した走りに、旧世代のマックイーンはどうやっても勝つことができない。この物語の中心になるのは、2であるマックイーンの世代だ。

これは、最初のカーズで、ルーキーであるマックイーンが登場したときと同じ展開だ。1でのマックイーンは若くて放漫で努力知らず、自分の才能に酔いしれていたが、ある日成長の壁にぶつかる。レースでクラッシュして、すっかり自信を失った。そこで、とうに引退した旧世代のレーサー、ドック・ハドソンのもとを訪れると、ドック・ハドソンが彼のメンター(師匠)となってカーレースというものへのリスペクトを教えるというものだった。マックイーンは、ドックの一見無意味とも見えるような訓練を経て、いつの間にか自分で自分の限界を超えられる力を手に入れたことに気づく。先世代の教えというのは、重要なものなのだ。

「カーズ/クロスロード」では、マックイーンは新しいスポンサー、スターリングさんの傘下に入る。スターリングさんは昔からマックイーンのファンで、彼が走った道路をコレクションするくらいのマニア。スターリングさんはマックイーンのために、バーチャル・レースができるような最新鋭のトレーニングセンターまで作ってくれた。

「カーズ/クロスロード」が素晴らしいのは、旧世代が常に新世代と比較されるということだ。マックイーンはバーチャル・レースをシミュレーション走行できるトレーニングルームに自信満々で入るが、機械の使い方さえ全く理解できず、ついには最新鋭マシンを壊してしまう。そこにやってくるのが、モチベーション高くやる気に満ち溢れる「若き女性トレーナー」であるクルース・ラミレス。陽気なテンションで、ベテランのマックイーンに「メンタルの保ち方(自分がフワフワの雲になったと思って!)」、「ストレッチ」を教え込もうとする。マックイーンは当然、「俺は赤ん坊じゃない!」と彼女を突っぱねる。

「ドックが教えてくれたやり方で俺はやる!」自力でトレーニングするマックイーンだが、どんなトレーニングをしても、ジャクソン・ストームのタイムを抜くことはできない。

もう俺は引退するしかないのかもしれない。

そんな不安がマックイーンを襲う。どんな天才であっても、どんな努力家であっても、流れる時間に打ち勝つことはできない。新しい世代が登場し、自分がどんなに努力しても破れない壁がそこにある。でも心から愛し、人生を捧げてきたカーレース業界から去りたくない。

そんなとき、どうする?


という永遠の問に、カーズからの答えが投げかけられています。もう号泣。おすすめです。


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