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アルセーヌ・ルパン『金三角』その7-ついにルパン登場!金貨の隠し場所と敵を探し出せ!-

みなさん、こんにちは!

前回は、パトリスとコラリーが屋敷に閉じ込められ、あわや窒息死⁉か!!という、最大のピンチを迎えたところで終わりました。

今回は、その続きからみていきたいと思います。

「金三角」と「パリの街歩き」の参考のため、拙著とYouTubeもあわせてご覧いただけると嬉しいです。

パトリスが目を覚ますとテーブルの前に水が入ったコップが置かれていた。

コラリーも生きている!

そしてパトリスの前には自分の知らない人間が立っていた。

その人物こそ、アルセーヌ・ルパンだったのである。

パトリスはあの大怪盗であるアルセーヌ・ルパンが目の前に立っていることに驚き、そして自分とコラリーを救い出してくれたことに礼を述べる。

パトリスの部下であるヤ・ボンが、パトリスたちがいなくなったので、ルパンに手紙を書いたらしい。

(ヤ・ボンがルパンと知り合いで本当に良かった!もし、知り合いでなかったら、両親たちと全く同じ方法で20年後の同じ日に殺されていたわけですから。)

この屋敷に入ったときにちょうどシメオンとばったり会ったこと、シメオンは気が狂ってなどなく、正気の人間であることをルパンは話す。

ルパンはパトリスがつけていた日記を読んでいたため、今までの出来事を知っていた。

そして驚くべきことに、金貨の隠し場所をこれから1時間のうちに明らかにしてみせるというのだ!

(警察組織やたくさんの人が、何日間も探してわからなかった金貨の隠し場所を1時間で解き明かしてみせるというのが、さすがはルパン!という感じですね。)

ルパンとパトリスは図書室の下にある地下室に行ってみる。

ここはエサレスが金貨を発送するまでしまっておいた場所だ。

ルパンが換気窓の近くに立つと、4メートルほど前方に円形の池があり、その池には子供の像が建っていて、子供が持っている貝殻から水が出ていた。

なんとルパンが子供の像に手をかけ、まわすと池の水が引きはじめた。

(この池の場所が、現在ではパシー公園あたりになるんじゃないかとYouTubeでも語っていますが、詳しくは現地に実際に行って調べてみたいと思います!また、聖地巡礼するのが楽しみです!)

池の底が現れ、ある環の部分を引っ張ると30cmぐらいの穴が開いた。

そしてルパンは金貨はここから出ていったと言う。

二人はここからどこに繋がっているか確かめるため、セーヌ川岸の下流まで行く。

ここにはいくつもの船着場があり、造船所もあった。

2人は「ベルトゥー造船所」と書かれた造船所に入っていく。

戦争が始まってから業務を停止しているようで、誰もいなかったが、池でみた穴と同じ大きさの穴が戸口と反対側の地面に空いていた。

パトリスはなぜこんな短時間の間に金貨の流出ルートがわかったのかと聞くとルパンは1冊の本を彼に差し出した。

それは「フランクリン回想録」というタイトルの本だった。

そこには大理石の池の子供の像をまわすと池の水が引かれるからくりが書かれてあった。

(拙著にも確か書いたと思いますが、「フランクリン回想録」は、この近く(実際、ベンジャミン・フランクリンはレーヌワール通りに住んでいた)に住んでいたベンジャミン・フランクリンが書いた本で、私も読みましたが、(もちろん⁉というか、やはり「大理石の池の子供の像をまわすと池の水が引かれるからくり」は、作者ルブラン氏の創作のようで)、彼が住んでいたパシー周辺のことには触れられていませんでした・・・残念!)

ルパンはこの本をシメオンの部屋で見つけたという。

ルパンは近くの作業員にベルトゥー造船所の前に最近船が停まっていなかったか聞く。

するとやはりある船が停まっていて、昨日出航したばかりだと言うのだ。

2人がエサレス邸に戻ると、ルパンの部下からシメオンがマントに行ったことを告げる。

マント

ルパンとパトリスはシメオンを追ってマントへ向かう。

しかし、ルパンは車でマントへ向かっている最中も何か考え込んでおり、口数も少なかった。

何か事が上手く進みすぎている気がしていたのだ。

マントでの捜査を開始してすぐに、2人は川岸でシメオンを発見。

女が1通の電報をシメオンに渡して、立ち去っていくのが見えた。

パトリスは船の乗組員に対して聞き込みを開始する。

乗組員が言うにはシメオンはもう今頃、ルーアンを過ぎている頃だという。

パトリスがルパンのところに戻ると、ルパンはパリの方向に向かって自動車を飛ばし始めた。

(シメオンがルーアンの方向に向かっていると思っている)パトリスは狼狽するが、ルパンは我々はいっぱい食わされていた、シメオンに騙されていたと言う。

ルパンは今までシメオンの部屋になかった「フランクリン回想録」を見つけたこと(つまりこの本が2人をおびき寄せるためのエサだった)、そしてその本を手がかりにやすやすと下水道(金貨がベルトゥー造船所まで運ばれていたこと)のからくりを解き、ルーアン方面(パリからどんどん離れることになる)におびき寄せられたこと、をパトリスに説明する。

ルパンとパトリスが追跡することに労力を割いている間、シメオンは一足早くパリに戻っていたのだ。

ルパンはシメオンは大した敵で相手にとって不足はないと言う。

パトリスはコラリーがパリにいるため、不安に襲われる。

ルパンは、聞き込みをしているときに奇妙な感じを覚えていたのだ。

もしかしたら男ではなく、女なのではないかと・・・。

パトリスは直感的にその女はエサレスの手下のグレゴワールなのではないかと言う。

グレゴワールは実は女だと一味が話しているのを聞いていたのだ。

ルパンはその事実をもっと早く知っていれば一晩を無駄にすることはなかったと憤慨する。

2人はパリに到着し、ベルトゥー造船所へ行くと、なんとグレゴワールが殺されていた。

そしてパトリスは造船所の川面に面した窓ガラスが割れており、その窓にコラリーの看護婦用のベールが付いているのを発見し、狼狽する。

パトリスはマントから電報を打っていたときに、近くに女がいたことを思い出す。

その女こそが、ここで殺されているグレゴワールだったのだ。

コラリーは偽の電報を受け取り、外出したのだった・・・。

続く。


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