見出し画像

アルセーヌ・ルパン『金三角』その9-「金三角」の真相がついに明かされる&フランス国家と人助けに大活躍のルパン‐

みなさん、こんにちは!

今回は、「金三角」の最終章です。

前回、”シメオンはエサレスの変装だった!”ということが明らかになりました。

エンディングに向けてどう動き出すのか⁉、早速みていきたいと思います!

「金三角」と「パリの街歩き」の参考のために、拙著とYoutubeもあわせてご覧いただけると嬉しいです。

パトリスは、自分を墓石の下に閉じ込めたシメオン(実はエサレスの変装だった!)に激怒しており、コラリーの居場所を言えと詰め寄る。

シメオンは場所を白状するくらいなら、死んだほうがマシだと答える。

ルパンは、ここにピストルがあるからシメオンを殺しなさいというと、パトリスはシメオンが自分の父親であるかもしれないから、出来ないと言う。

ルパンは、このシメオンは君(パトリス)の父ではないと言う。

では、一体誰が父なのですか?とパトリスが聞くと、「君が電話で断末魔の叫びを聞いたその人」だと答える。

(「金三角」の前半で、パトリスに電話をかけてきて「殺される!」と電話で言っていた人物です。)

そして目の前にいる人物が君の父を殺したのだと・・・。

パトリスは目の前にいるシメオンが、実はエサレスだと知って驚愕する。

(そんなにエサレスの変装は素晴らしかった⁉のでしょうか・・・。パトリスは、シメオン(エサレスに殺されるまでパトリスの父がシメオンになりすましていた)にほとんど会ったことがなかったので、エサレスがシメオンに化けていると気づかなかったのかもしれませんね。)

エサレスはここで自分の正体をさらけだす。

もう弱々しいシメオン老人ではなく、血気盛んなエサレスに戻り、コラリーはもう二度とおまえの元へは帰らない、彼女は死んでいると語気を荒げる。

しかしルパンは平然として「コラリーが死んだとそんなに叫ぶな。彼女が目を覚ますじゃないか」と言ってのける。

なんとコラリーはこの部屋の隣のベッドで眠り、静養していたのだ。

ルパンはエサレスに、お前のような悪人は自分から引き下がるべきだと銃身をエサレスのこめかみに当てる。

お前は、パトリスとコラリーの父母を殺し、そして、ヤ・ボンまで殺した、絶対許さないと断言。(正確にはグレゴワールとバシュロも)

そしてパトリスとコラリーが結ばれるためには、おまえが引き下がるほかないと厳しく言う。

それにエサレスはもう既に死んでいて、この世にいないことになっているから、生きていても当局に捕まるだけだった。

ついに、エサレスはピストルの引き金を自分で引き、息絶える・・・。

その後、真相の全貌をルパンから聞き出すため、パトリスはルパンに会いに行く。

しかし、トロカデロ広場から近づいてきたのは、ルパンではなく、警視庁のデマリオン氏だった。

デマリオン氏とパトリスが話していると、一人のイギリス人牧師の格好をした男がやってきた。

パトリスはそれがすぐにルパンだと気づかなかったが、二度までも自分の命を救ってくれた恩人だとデマリオン氏に紹介する。

ルパンは、でマリオン氏にあるひとつのお願いをする。

金貨をフランスのために使ってほしいと提案したのだ。

ルパンは『金三角』とは“三角形になっている砂の山”のことだという。

そしてそこにある砂の山にステッキを挿せば、硬いものにぶつかると・・。

一同は、何ヶ月も前からあるこの砂の山に金貨が隠されていたと知って驚愕する。

パトリスは自分の父の死体がまだ見つかっていないことをルパンに告げる。

ルパンは、顔の判別がわからなくなっていたエサレスの死体が、実はシメオン(つまりパトリスの父)だったことを告げる。

エサレスは、シメオンを殺し、その死体の顔をぐちゃぐちゃにして自分が死亡したように見せかけ、シメオンになり変わっていたのだ。

全ての謎を解き、ルパンはパトリスに別れを告げる。


今回の『金三角』はいかがでしたか。

この物語は、時代背景が第一次世界大戦中ということもあって、当時の暗い雰囲気も伝わってくるミステリーになっています。

ルパンは、フランス国外に金貨を流出させることを防ぎ、そしてそのお金をフランスの勝利のために使ってほしいと手放します(さすが!!)。

私は、(前回の記事にも書きましたが)この本を読んだとき、2度までも(1度目は奇跡的に助かってシメオンと名乗る)エサレスに殺されてしまった(しかも復讐もとげられずに・・・)パトリスの父は何やってんだ!!と思った記憶があります💦

皆さんは、どう思いますか?

パトリスの父はシメオンに、エサレスもまたそのシメオンに変装するので、原作を読み進めていくうちに、混乱する読者さんもいらっしゃるかもしれませんね。

しかし、いくら顔をぐちゃぐちゃにされて殺されていたとはいえ、シメオンの死体をエサレスだと思わせることがすごいですね。

今なら、科学捜査があるので、すぐに別人だと分かると思いますが・・・。

また、シメオンに変装したエサレスもよっぽど演技が上手かったのか・・・周りの人間がおかしいと思わなかったこともすごいですよね・・・。

「金三角」は、暗めの作品(ダークミステリー)だったので、次回のルパン作品は、少し明るめの⁉(それでも事件が起こって誰かが死ぬとは思いますが💦)物語を取り上げようかなと思っています。

次回もお楽しみに♪


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?