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アルセーヌ・ルパンの大いなる秘密を追う⑩-さりげない暗号-

Akiko Nishimoto lit.link(リットリンク)

みなさん、こんにちは!

今日も、『ジュール・ヴェルヌの暗号 -レンヌ=ル=シャトーの謎と秘密結社-』から、アルセーヌ・ルパンの作者モーリス・ルブラン氏が『女探偵ドロテ』に残した”さりげない暗号”について、みていきたいと思います。

女探偵ドロテのあらすじをまとめた過去記事はこちらです↓

まず、1つ目は赤十字から。

ロボレー城の城主である伯爵が、かつてドロテの父と知り合いであり、赤十字の入った手紙をドロテに渡す場面があります。

さりげなく、「書類入れから赤十字の印のついた手紙を取り出し・・・」と、書かれてあるだけなので、私も『ジュール・ヴェルヌの暗号』を読むまで、その赤十字の意味に気づきませんでした。

赤十字といえば、アンリ・デュナン氏が創設した組織(赤十字社)を思い浮かべますが、テンプル騎士団の紋章でもあるんですね。

集英社さんのテンプル騎士団の本。赤十字の紋章ですね。

作者ルブラン氏が、さりげなく、そしてわざわざ手紙に赤十字が入っていることを書いたのは、何を意味しているのでしょうか。

ドロテの父アルゴンヌ公(ドロテは公爵令嬢!)がテンプル騎士団と関係していたことを暗示するためなのか?

それともドロテの父を含めた4人(この4人の家系に同じ財宝伝説が代々伝わっている)が、追い求めている財宝がテンプル騎士団と関わりがあるから?

それともルブラン氏は暗に自分がレンヌ・ル・シャトーの秘密を知っていることをほのめかしているのでしょうか。

本当の理由はさておき、この赤十字が入った手紙が、女探偵ドロテのストーリーに直接関係ないものの、わざわざルブラン氏が書いた理由は、やはりレンヌ・ル・シャトーの秘密を物語に投影したかったからではないか?と『ジュール・ヴェルヌの暗号』を読んで気づきました。

すなわち、最終的にはドロテも追い求めることになるこの財宝は、レンヌ・ル・シャトーの黄金伝説(ちょうど昨日のブログに書きました!)からヒントを得て書かれたのかもしれません。

そして、レンヌ・ル・シャトーとテンプル騎士団って、やっぱり深く関わっているんだなと、改めて思いました。

映画『ダ・ヴィンチ・コード』でもテンプル騎士団が描かれていましたしね。

そして、2つ目はメロヴィング王朝です。

ドロテは戦争孤児の男の子4人を引き取って、サーカス団を結成し、旅をしているのですが、彼女は子供たちに勉強も教えたりしているんですね。

そして、子供たちに歴史を教える時は、メロヴィング王朝の歴史を教えている場面があります。

メロヴィング王朝は、ご存知の通り、マグダラのマリアの子孫と婚姻関係を結んだという説がありますから、やはりレンヌ・ル・シャトーと繋がりがあるんですね。

こうしてみると、ルブランさんは、ルパン作品にレンヌ・ル・シャトーの秘密をさりげなく暗示したかったのかな、とも思いますね。

ジュール・ヴェルヌが自分の作品に暗号を残した(と言われている)ように、ルブランさんもそうしたのかな、と思わずにいられませんでした。

それにしても、『女探偵ドロテ』は今迄何度か読んでいたものの、全然気づいていなかったことが多くて、今、新鮮な気持ちで読めるのが不思議です。

今日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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