マチマチを活用した災害時の助け合い
こんにちは。マチマチの浅井です。
地震や大雨、台風など自然災害の多い日本。何かあるたびに「ご近所同士の助けあいが大切だ」という声があがりますが、実際に助け合おうとするとなかなか難しいのが現状です。
この記事では、なぜ地域での助け合い(共助)が難しいのか?について考えると同時に、災害時にインターネット上で実際に起こった共助の事例についてご紹介します。
災害時の地域の助け合いが難しい
災害時をはじめ、困ったときに近隣の住民同士で助け合うことは今後ますます重要になります。
しかし、都市化や価値観の多様化を背景として、地域コミュニティの希薄化がどんどん進んでいます。近所に知り合いがいないため、有事の際にもスムーズに助け合いや情報共有を行うことが難しくなっています。
隣に誰が住んでいるのかも知らない人が多い現代社会で、ご近所同士で声を掛け合い助け合うというのは想像以上に難しいことです。
インターネットを活用した情報共有が鍵
近年のスマートフォンやSNSの普及は、災害時のリアルタイムな情報共有を可能にしました。
2011年の東日本大震災での主なメディアはラジオや口コミだったのに対し、2016年の熊本地震では、自治体が情報発信に積極的にインターネットを利用したのに加え、被災した住民自身も災害発生時からTwitterなどを使い被災状況を広く共有しました(総務省「平成29年版 情報通信白書」より)。
市民の生の声と合わせてリアルタイムで発信される情報は、日本だけでなく世界中に届き、多くの被災地支援活動などにつながりました。
災害時に重要なのは近隣の住民間での情報共有
ただ、緊急時にもっとも大切なのは住民間での情報共有です。
なぜ近隣の住民間での情報共有が重要かというと、被災時に自治体、消防等だけで被害状況を把握するのは難しいためです。
前述の熊本地震をはじめ多くの災害で活用されてきたSNSやwebサイトは、世界中の多くの人に被災地の状況を知らせるのが得意です。一方で、実は、被災した地域内での情報共有にはあまり適していません。
そこで下記に各SNSの災害時の活用における課題について分析を行いました。
Facebookは友人が軸のネットワークです。友人は近所に住んでいるとは限りません。そのため、友人の安否確認には活用できますが、地域の被害状況や防災情報を近所で共有するのには適していません。
LINE
LINEは災害時に友人や家族などの安否を直接確認するのに優れたツールです。しかし、もともと知り合い同士でないご近所さんとはコミュニケーションをとることができず、物理的な助け合いには繋がりません。
例えば、Twitterで発信した情報はリアルタイムで多くの人に拡散されますが、近所の細かな情報は検索しても出てきにくく、あったとしても流れの早いタイムラインでどんどん埋もれていってしまいます。
防災アプリ(自治体提供)
自治体から市民へ防災アプリを提供している場合もあります。
しかし、非常時に備えて平時からアプリを入れておく人が少ないため、実用的ではないのが現状です。
台風被災地の事例
先日の台風15号が関東地方を襲った際に、ご近所SNS「マチマチ」が有効に機能した事例をご紹介します。
大きな被害のあった千葉市、鴨川市などで、住民の方々が、近所の道路の状況や開いているお店・浴場の無料解放・避難所などの情報をマチマチを通してご近所さんに共有してくれました。
他のインターネットツールにはない、ご近所に知り合いがいなければ誰にも教えてもらえないようなリアルな情報が、オンラインで可視化され地域の方々に広まっています。
こうした情報のやり取りと周囲からの「ありがとう」が、地域コミュニティを作っています。
「困ったときは地域で助け合う」という当たり前のことが難しくなってきた現代社会で、マチマチはそれを実現するひとつのプラットフォームになっています。
さいごに
マチマチは、ご近所さん同士で情報交換ができるSNSです。
現在、月間150万人に利用されている日本最大のサービスとなります。
各ユーザーの設定した地域に合わせて、居住地・勤務地・出身地周辺の方々とコミュニケーションを取ることができ、子育て、医療、イベント、生活情報を近所の方と交換することが可能です。災害時は、被害状況の共有などにも活用されています。
また、21の自治体と提携を行い、地域コミュニティの活性化を通じた地域課題の解決に取り組んでいます。
このSNSを使った地域コミュニティの活性化、防災への活用、ご近所SNSを使った情報発信に興味のある方は、お気軽にご連絡ください。日本全国における豊富な事例や地域コミュニティ活性化のノウハウも共有することが可能です。
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