リモート授業する人、頑張ろうぜ!(3)あやしい練習風景

はじめの違和感

テレビもラジオもYouTubeも未経験の私にとって、PCのカメラに向かってしゃべるのは、かなりの違和感だ。

「ちゃんと、スムーズにしゃべれんのかな?」

こんな不安がけっこう強かったんです。

そこで私は「YouTubeの始め方」的な動画をいろいろ見ました。
「何かヒントはないかなぁ?」と。

まあ、いろいろでした。

台本を用意する人、頭の中にイメージするだけの人、流れのメモだけつくる人…。もちろん、どれも参考になります。

だったら、試すしかない。
いくつか実験してみましたので、ご報告。

台本をつくってみる

「話しがまとまらず崩壊」みたいになるのは怖い。だったら、話すことをすべて決めておけばいい。グダグダになることも、話しが迷子になることも回避したい。

ということで、台本をつくって、いざ実践!

やってみて思ったのは…

まず、台本をつくるのにはとにかく時間がかかる。

いろいろ調べると、しゃべる速さは、1分300文字くらいがいいらしい。授業が90分として「300文字×90分」で「27,000文字」。

つまり、400字詰め原稿用紙約67枚。WordのA4設定の文書で約19枚。

この時点で、すでに意識がもうろうとしてくる。

これを全科目、全回分つくると思うと…、ほぼご臨終だ。

もうひとつ感じたのは、台本の読み上げると「つまんなさ全開」ってことである。

ためしに自分の模擬授業(パワポでレコーディング)を視聴してみると、「どうぞ寝てください」っていってるようなものだった。

たしかにグダグダにはならない。

しかし、これを起きたまま最後まで聴かせることは、ほとんどパワハラだ。

訴えられてはマズイ。

はい、却下。

頭の中のイメージだけでやってみる

台本作成をあきらめたはいいけど、じゃーどうすんのよ。

その時…

「なんだかんだ、俺も10年以上、授業やってきましたよ。たしかにリモートははじめてだけど、でも、シロートじゃねぇんだからさぁ。デッヘッヘッ。」

と、心の中の悪魔がささやいた。

対面授業では、台本をつくらずになんとかやってきた。だったら、リモートだってできるっしょ。

ということで、「こんな流れでしゃべろう」ってイメージだけで、いざ実践!

やってみて思ったのは…

これは視聴するまでもなく、ことばがスムーズに出てこない、ということ。

今まで学生が目の前にいることで、しゃべりのリズムができていたのだ。たぶん。

学生たちの様子や反応を見たり、マイクを向けて問いかけたりしながら、次のことばが出てきてたってわけだ。

講義の中で、わりと対話を取り入れていた私にとっては、「イメージだけ」っていうのは、ちょっとなじみがなさすぎる。

あえて「イメージだけ」バージョンも視聴もしてみた。いちばん感じたのは…

説明がヘンに長ーくなるってことだった。

「ヘンに」ってところがポイント。ようは、長いのに情報量が少なくて、説明自体もわかりにくい。空回り感ありまくりだ。

こういうときは、不思議とナゾの口ぐせもめちゃくちゃ出やすい。

私の場合は、「たとえば…、たとえば…、たとえば…」の連呼。

しかも、ほぼ、マトモに例えられていないという、驚愕の新事実まで発覚した。

「私はシロートじゃねぇ」だって? 

バカヤロー。

私は、完ぺきなシロート。

遅れてきた、ルーキーなのだ。

悪魔のささやきにしたがってる場合ではない。

「イメージのみ」…

はい、消えた。

メモをつくってやってみる

某有名YouTuberは、流れをまとめた簡単なメモをつくっているという。

たしかに私も対面授業のときは、ある程度の流れをノートにメモって授業に臨んでいた。これならいけるかも!

ということで、いつも通り大まかな流れのメモをつくって、いざ実践!

やってみて思ったのは…

とにかく、「手元ばっかり見てんなぁー」ってことでした。

下ばっかり見てる感じ。
なんか、語りかけてる感じがないんですよねぇ…。

でも、「台本読み」や「イメージ頼み」よりは、自然な感じがした。

じゃー、メモの応用ってのはどうか?

パワポのスライドをメモや手がかりのように使用し、同時に学生にはそれをスライド資料として提示する。けっこうシンプルだ。

これでやってみたら…。

いちばんやりやすかった。

スライドがプロンプターの役割を果たした。

ポイントはスライド1枚の情報量のようだった。ここが対面授業とは違う。

スライドをメモの範囲と考えれば、1枚の情報量は対面授業時よりはグッとおさえられる。学生からするとノートをとりやすい。

情報が足りない分は、口頭でしっかり伝える。逆に、それ以上のことはしゃべらず、メモにそって次に進む。これで、「ヘンに長くなる」ことが減った。

見た目も、基本、画面を見ながらしゃべるので、過度にうつむく印象にはならなかった。

ひとまずは、これで決まりだ!

自主トレ

あとは、家族の留守を見計らって、どんどん声を出して練習。

声はしっかり出す。立ってやったりもした。遠慮なんかしない。

「通し」ではなくても、スライドごとにしゃべってみるのもよかった。スライドによっては、しゃべりすぎてしまうことがわかる。そういう時は、話しがまとまっていない。

スライドを修正したり、できるだけ短くしゃべってみたり…。

何度かしゃべってるうちに、PCに向かってひとりでしゃべることに慣れてくる。声もしっかり出てきた。

そうすると、ウォーキングのときでも練習可能になるのだ。

今は常時マスク着用のご時世。
歩きながらブツブツしゃべってもバレない。
ラッキーだ。

まわりに誰もいなければ、小さい声で。
近くに人の気配があれば、ささやき声で。
車通りの多いところでは、まあまあ普通の声で。

こんな感じで、やってると…

PCのカメラの前でしゃべることに違和感はなくなりました、いつの間にか。

今では、ひとりの空間では、ずーっとしゃべってます。

どう?

こわいでしょ?

私の場合は、これでそれなりに乗り切ることができましたよ。

ご報告まで。

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