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心筋梗塞からの生還⑥

始まった一般病棟のくらしはこちら

リハビリの仕上げは100m+階段昇降20段。なんてことない課題だがこれをクリアすると世界が変わる。1階の売店を含めた病棟全体の行動が自由になるのだ。なんという幸せ。

目くるめく変化のICUに比べると病棟の生活はおだやかだ。6時に起床、体温・酸素濃度・血圧3点セットの測定。朝食、昼食、夕食。9時に消灯。その間はひたすら病床の上だ。テレビ、読書、ネットが世界のすべて。テレビは毎日コロナの話題でさすがに病床ではこたえる。ご存知と思うが、病院のテレビは地上波ですら有料だ。1分1.25円。なかなかそれに見合う価値のある番組は少ない。SNSも点滴の写真を1回アップしたらもうネタも無くなった。

物事を考える時間はたっぷりある。退院後の生活に考えがどうしても巡る。

仕事・・・これはなるようにしかない。復帰のタイミング、同じ仕事ができるようになるのだろうか、不安ばかりだが考えても仕方ない。

食生活・・・減塩や外食の制限など初めてのことばかりだが、妻が減塩でもおいしいレシピを色々考えているので楽しみだ。

健康・・・どうして心筋梗塞になったか、なぜもっと早く気付かなかったのか。①でも書いたが心筋梗塞の実感がないまま入院となった。自分のイメージでは心筋梗塞で救急車というのは胸を押さえて「うぅっ!」と倒れて運ばれるもの。あまりにも違いすぎた。症状の発端は5月に入ったころから息苦しさを時々感じるようになった。まさかコロナ肺炎か?とも思ったが、かねてから職場では神経質すぎるほど次亜塩素酸ナトリウム希釈液を撒きまくり、マスクにゴム手袋をするほど対策していたので、これでコロナは恥ずかしい、という浅はかな考えで医者にかかるのをためらっていた。息苦しさは日を追うごとに頻度が増えていき、入院前夜の継続的な苦しさとなったのだ。不幸中の幸い。なんにせよ命拾いしたのだから、悪化や再発させないよう退院後の暮らしは注意しようと思った。

音楽・・・12年所属している合唱団。かねてからのコロナで活動自粛中だが再開しても参加に不安がある。よく考えて1年休団することを決めた。物心ついた時から片時も音楽を演奏しないことが無かった。新たなストレスにならないか?とも思ったが、これは別の解決策が見つかった。これはPLAZAMUSICAに書く。

単調な入院生活。考え事のほかは少しでも普段の生活に近づけることで希望を持てるようになった。次回にはそれを書こう。次回で入院生活記録は完結する。


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