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片手?両手?褒めちぎる?名刺の「丁寧な」扱い方

これから名刺交換もオンラインの時代になっていきそうですが、名刺にもお国柄ってあるんです。
それは名刺の扱い方に表れてます。

名刺はその人の顔

日本では、名刺は「その人の顔」なので、丁寧に扱いなさい、と教えられます。
私も新入社員の頃は、名刺交換マナーを徹底的に叩き込まれました。
大げさではなくて本当に「徹底的に」です。

新卒で私が入った会社では、半年間、研修施設に泊まり込むブートキャンプでした。
朝はグラウンドのランニングと体操から始まり、そのあとは夜中までみっちり業界知識などの授業です。
中には、壁を相手に笑顔で挨拶する練習など、不思議(不気味?)な授業もありました。

名刺交換の授業では、名刺の持ち方、差し出し方、受け取り方、渡しながらの自己紹介、相手の名前の読み方が分からなかったときの聞き方など何度も何度も練習し、マナーとして決して失礼のないように叩き込まれました


名刺交換で名前を覚えてもらう小ワザ

新入社員研修で学んだことは意外にも、何年経っても身体に染み付いています。

私の場合、外国の方と挨拶するときには特に、あのとき叩き込まれた名刺交換マナーをここぞ!とばかりに総動員して挨拶するようにしています。

すると相手の方は目をまんまるくして
日本のビジネスマナーは何て丁寧なんだ!」
「Oh My Goodness!これが噂の日本の挨拶ね!ナマで見られて感激☆」
などと予想以上に驚いてくれます。

ちょっとイヤらしいのですが、名刺交換って自分を印象付けることが簡単にできちゃうのです。


名刺は「単なるカード?」「その人の顔?」

名刺は「個人情報が書かれた単なるカード」なのか、「その人を表す顔」なのか、その捉え方は国によって大きく違います。

経験された方もいらっしゃるかも知れませんが、日本の文化を知らない欧米のビジネスパーソンの場合、名刺を片手で渡したり、テーブルの向こうからシュリケン投げでシュッ、と名刺を滑らせるように投げたりします。
(まさかのシュリケン投げチャレンジのお話はこちら↓)

受け取った名刺も、私たちの目の前で折りたたんでポケットに入れたり、メモ代わりにしたりする人までいます。

先述のように「名刺は顔」と教えられている私たち日本人からすると、自分が雑に扱われているような感覚に陥ります。

だけど彼らは決して私たちを雑に扱っている訳ではなく、彼らにとって名刺はあくまでその人の会社、所属、連絡先などが書かれた情報提供ツールで、「あなたの顔」という認識がないだけです。

まぁ、日本のマナー知っといてよ~、とは思いますが・・。


丁寧な扱い方にもお国柄が・・

丁寧な」扱い方にもお国柄が出ます。
日本のように、「両手で扱う」ことが丁寧とは限りません。
例えばアラブやアジアの一部の国では、片手(右手)を使用することが丁寧な扱い方です。
宗教上の理由から、名刺を受け取るために不浄の手である左手を使用しないのです。


ど派手なプラスチック名刺は成功の証

アフリカのナイジェリアでは一見、クレジットカードかと思うようなプラスチック製の分厚い名刺を持つことがステータスです。
紙よりも圧倒的にコスト高ですが、だからこそステータスとなるのでしょう。

縁あって、元ナイジェリア代表サッカー選手のJayJayオコチャさんから名刺をいただきましたが、それは赤・黒・ゴールドで裏に炎のマークがある個性100%(ぶっちゃけド派手)なものでした。

ナイジェリアでは名刺は成功の証をアピールするためのツールなので、名刺を褒めることが丁寧に扱う、つまり相手に敬意を表すことになります。

オコチャさんのアピール度満点の名刺に、私はたじろいでしまい、そのときの彼への褒め言葉は、

「すごく情熱的でパワフルな名刺。さすが世界の舞台で戦った方の名刺は違いますね!」

ナイジェリアの伝説」と呼ばれる名プレーヤーに対して申し訳ないくらいのボキャ貧で、深く反省したのでした。


名刺ひとつ取っても、敬意の表し方が国によってさまざま。
オンラインの名刺の場合も扱い方にお国柄が出るのか、興味津々です。

いまのうちに、私も数枚くらいプラスチック名刺作ってみようかなぁ。
でも、もらう方は、困るかもなぁ(汗)



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