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圧倒的な家族主義について考えてみる

日本のビジネス社会でも、昭和の昔と比べたら、モーレツサラリーマンは少なくなりましたし、「父ちゃん元気で留守が良い。」みたいな格言?もあまり耳にしなくなりました。日本人も近年では、ワークライフバランスの中で家族を大切にする志向も、高まってきているような気がします。私は、昭和気質なので、娘の父親授業参観も10分で帰りたい派なのですが、1日中、朝から放課後まできっちり参観されるお父様もいるのですから、個人差はありますが、昔のモーレツ時代とは、価値観も異なってきているなとも思っています。
しかし、そんな日本の社会変化でも、まだ追いついていないのは、アジア諸国での家族主義だろうと思ってます。アジアからくる方々は、ほぼ全員、仕事 < 家族という考え方を持っているような気がします。アンケート調査とかはしていないので、「ほぼ全員」とか「もっているような気がする」というのは、全て私の肌感覚でしかないのですが、私の経験からは、そんな気がしています。

家族の意見を大切にする東南アジア出身者

実は、この話題をブログに書こうと思ったきっかけは、先日、口頭では内定応諾、入社意思確認まで出来ていたベトナム人留学生が、翌朝、雇用条件の記載された内定応諾書にサインを求めると、手のひら返しで内定辞退!これには驚きました。えーなんで!? 昨日、あんなに喜んでいたのにー??です。よく話を聞いてみると、実は父親の反対にあったから、という理由。こんな出来事があったことがきっかけで、このテーマを書いています。

本当に父親の反対があったからという理由が、辞退の理由なのか?疑っていけばキリがないのですが、留学資格での在留期間が、もう残り少ない中での内定辞退でしたし、他社選考が進んでいないことも確認もしていたので、おそらくは本当なのかなと。

そこで、この一連の出来事について考えてみた際に、家族主義と個人主義の違いという点にいきついたのです。要するに、ベトナム人はもちろんのこと、東南アジア人は、日本人と比べると家族主義なんだなと。
誤解を恐れずに言ってしまえば、家族の事情は、仕事上の責任感にも勝るのかなと。日本人の場合、家族と上司という2人を比較した場合、個別の事情によって異なるとはいえ、どちらを優先させるかについて、悩むときもあると思います。その同じ場面において、東南アジア人は、悩まずに家族!一択なのかなと。そういった価値観があるのかなと。
なので、そこを理解しないで、東南アジア人とお付き合いすると、あれ!?となるなと。

価値観の違いを超えての上手なお付き合いって?

おそらく、誰よりも血縁関係を重んじているので、そこに割って入っていくことは難しいですね。しかし、こうした価値観の違いを乗り越えて、良いお付き合いというか、職場のコミュニケーションを成立させようとすると、つまるところ、【家族的な付き合いをする!】という方法しかないような気がします。【家族的な付き合い】って何??って話ですが、文字通り、職場の関係以上の気持ちを相手に持ってあげること。プライベートを共有すること。もっとできるなら、相手の家族ともコミュニケーションを持つこと。ということだと思います。
今どきの日本の職場感というか人間関係からすると、面倒くさっ!て感じだとは思います。かくいう私も、職場の同僚は、友人ではない派ですから、必要以上のコミュニケーションは不要って思っていますし、会社は社員の生活は保障するけど、幸せは保障していないという考え方もしているので、個人のプライベートには無関心です。これはこれでドライ過ぎかもですが・・そんなドライ派な私なので、【家族的な付き合い】って??という考えにもなるのですが、相手の価値観が家族主義である以上、そこは理解してあげないといけないなと思います。
それでないと、内定辞退の事件だけではなく、入社後の突然の退職!みたいなことが普通に発生してしまうような気がします。

ひとたび距離が近づけば、きっと胸の内を明かしてくれるのが東南アジアの人々なのだと思っています。ですから、日本人側から、そこまで近づいてあげる必要があるのだろうなと思ってもいます。
良いコミュニケーションがあって始めて仕事や組織が円滑に機能するという観点から言えば、彼らの価値観に即した対応も必要なのだろうと思います。
ときに彼らを本当の家族のように扱ってあげることが、東南アジアの人を雇用する上では大切なのだろうと思います。

まとめ

「郷にいっては郷に従え」という話ではありませんが、日本人とは異なる価値観を持っていることを、キチンと理解して、日本人の価値観で彼らの行動や判断を勝手に期待しないこと。日本人相手とは、違ったコミュニケーションスタイルで接してあげることが必要なのだと思います。
言葉以上に、こうした価値観の違いからくるコミュニケーションのとり方の違いを理解しておくことが、グローバルなコミュニケーションの基本なのかもしれないなと思った次第です。
日本人の常識とか日本人同士の理解の範囲は、実に日本人間だけの話だなと改めて感じたので、本日はこのような内容を書いてみました。

ではまた。

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