私の本の選び方

「アメリカで日本の本は買えるの?」と質問されることがある。

私が住むエリアは、日本の書店の最大手である紀伊國屋書店があるので、他のエリアや州と比較すると非常に便利な場所である。

外出自粛が続いたために、数ヶ月この書店には行っていない。しかし、以前は月1度のペースで立ち寄っていた。あまり深く考えずに、直感で面白そうと感じた本を買う。

アマゾンから送られてくる、オススメの本を電子版で買う時もある。

その際に、私はレビューを一切読まない。その人の視点と私の視点は違うから。

友人から紹介された本は、ほとんど読む。紹介された時にすぐにチェックし、電子版で買えるならその場で購入する。なぜならば、友人は「きっと私なら楽しんで読むはず!」と本を通して私を考えてくれているからだ。こんな有難い話はない。

そして、紹介してくれた本は、私が興味がない分野でも、記憶に残ったり、勉強になったり、やはり私に必要な何かを見つけることが多い。

本も人もご縁である。

その時に必要な人に出会うように、本も必要な時に出会うと私は考えている。だから、気に入った本があったら、同じ著者の本を買ったり、本の中に出てくる参考文献を購入することも多々ある。こうやって、本が私と新しい本を引きつけてくれることもある。

時々、本を読み進める中で、少し違和感を感じることがある。たぶん、翻訳の問題だと思う。

その分野のプロ中のプロが翻訳しているんだから、私に違和感を感じるなんて言われたくないだろうけれども、原文で読むことが困難な私にとって、翻訳は大きなポイントになる。

私が、この翻訳はわかりやすいと思ったら、この翻訳者は他にどんな本を翻訳しているのか?翻訳者の名前で検索して選ぶこともある。

選択肢が多くある今、私は何を言いたいかというと、

自分がピンとくる本を読んでみるのはどうか?ということ。

レビューも参考にはなると思うが、それはその人の意見であり、絶対の意見ではない。

面白くなかったら読まなければいい。面白かったら読めばいい。はじめは面白くなかったけど、何年か経ってから読んでみたら面白かったということもある。

私が日本にいた頃、高校生や大学生に向けて講義をしたことがある。これは責任感を感じ、同時にやりがいもある時間だった。

「学生のうちに勉強した方が良いことはなんですか?」

「学生のうちに読んだ方が良い本はなんですか?」

この質問は毎回受けた。

私の答えは「分かりません。。。」

しかし、それだと一気に学生さんと距離ができてしまうので、一応数冊を紹介した。そして、必ず、「私とあなたは違うから、この本が本当にあなたに取って良いかは分からない。だから興味があったら読んでみるといいけど、自分で考えてね。」だった。

実はこれは、何に対しても言えることだと思う。

今は、あれをした方が良い、ここに行った方が良い。あれを食べると良い。と誰かの情報が溢れ、自分の意志と関係ないところで大切な意思決定を無意識にすることが多い。そして、それは損をしたくない。失敗したくない。という感情の元の意思決定だと思う。もちろん、誰にもあることだから否定はしない。

本は、1000円くらいで買える物が多い。そして、テクノロジーのおかげで、電子版なら安価であったり、無料で読める本まである。

だから、レビューで読む読まないを決めるのでなく、自分の興味に沿って選んでも良いのではないか?

大したことなかった、想像より良かった、様々な経験して見る目を縁を養うのではないか?これは著者を判断するのではなく、あくまでも自分の視点を養うという意味で。

これは、本に限ったことでなく、仕事も人間関係も趣味も全部同じである。

自分の直感、なんとなくと感じる感性を大切にすることも、人生を楽しむ、味わう要素だと思う。

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