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甘美な夜: ヴィターリ シャコンヌト短調

石畳のヨーロッパ

雨の日

ワンピースを着た女性。

二年前に別れた恋人と再会し
ワインを飲んだ後
一夜を共にした。

彼にはもう新しい家庭がいた。

別れの際に一瞬、コンマ何秒か程、
心が揺れたが
意外と平気だった。

それは、その人にもう新しい家庭があることから来る
理由付けではなく、
彼に対する感情が、これからの恋愛に向けたものではないと
納得できたから。

恋人であったときとように
昨日久しぶりに過ごした夜は
とても楽しかった。

甘美な夜だった。

付き合っていた当時
色々すれ違いもあったが
ロマン的な彼と過ごした思い出
旅先、食事、ワインの数々、、、
どれも日々を彩るものだった。

そんな思いが走馬灯のように
映し出された昨夜だったが

今となってはもう
二人は別々の道を行かねばならない。

自分でも不思議と、
その事実を受け入れている。

彼と一緒ではない、
これからの未来に
目を向けている。

シルクのロングワンピースに、
濃い赤の口紅。

ジミーチュウのハイヒールをはいて、
また歩き出す。

失恋ではない。

振ったのは自分だから。

甘美だった恋、思い出を
雨が映画のように映し

ちょっぴり 感傷的になったが
また歩いていく。

新しい自分へ。


ヴィターリ: シャコンヌト短調 があまりに美しくて
聴きながら勝手にイメージした世界です。

皆様なら、この曲を聴いてどんな情景が脳裏に浮かびますか。

自由に思い描いてみてください✨


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