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俳句_松尾芭蕉02

白げしに
はねもぐ蝶の
形見哉

芭蕉


白げしの花にまじって日を暮らした蝶が、いざ飛び去ろうとして
惜別の情に耐えず、せめてもの形見として、その羽をもいでいくことだ。
名古屋から熱田に出るとき、杜国の許に残した留別吟。
別れた後の片身をそがれるような寂しさを「羽もぐ」と深切に言い切ったのである。もろく散りやすい白げしにたとえられた杜国の傷心の様もしのばれる。
季語は「けしの花」で夏。

句、解説文ともに
引用元:松尾芭蕉全集 p.95


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