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母の日に思うことの変化。

今日は母の日。
お母さんに美しいカーネーションをプレゼントしたり、手紙を送ったりしますね。子どものころはあまり意識しなかったけど、最近は「今年の母の日が来たんだ」と感じることが多くなりました。

母親にお祝いや感謝のメッセージを伝えるとしたら誕生日か母の日ですが、とくに母の日はみんなが共通の記念日ですから当日の雰囲気もあっていろんな思いが伝えやすいのかもしれません。
季節が春から夏へと移っていくこの時期は、一年の中でももっとも美しいですものね。

母親からすれば子どもはいくつになっても子ども。
やっぱり「ありがとう」という気持ちをとっても素直に返してくれます。
誕生日が母親が生まれたことへの「お祝い」だとしたら、母の日は自分の母親であることへの「感謝」。
まさに自分という存在を生み、大切に育ててくれてありがとうですね。

学生のころは勉強や進路について、社会に出てからは仕事や家庭について心配してくれましたが、最近はまた感じが変わってきた気がします。



このところは電話などで母親と話す機会も多くなってきていました。
そのせいもあり、以前よりは逆に距離が縮まってきているように感じます。

ひとはやはり母親の影響を強く受けて育ちます。
それは社会のあり方が変わってきても変わらないと思うし、基本的にも男の子も女の子も同じだと思います。
そして、その影響は社会人になってからも受け続けるし、だからこそ親への感謝や恩返しといった思いも強く持つことになります。

ただ、時代の雰囲気が徐々にではありますが大きく変わってきて、私流にいえば“本来のあり方”に近づいてきて、いわゆる「男の人生」とか「女の人生」という“かつてのスタンダードが確実に変容してきている中にあって、もしかしたら母親との関係も変わってきているのではないでしょうか。



前にも書きましたが、私は幼いころから母親に連れられてレディース服売り場に行きました。洋服の色やデザインを選ぶときに、軽く意見を求められることも少なくなかったと記憶しています。
少し洗練されたいい方をすると「海月姫」の世界です。

こんな経験は私自身もとても楽しくてワクワクしたし、ささやかながら人格形成に影響を与えたと思います。

そして最近になって年に数度会うときは、自然とファッションやメイクの話を振ってみたりもしています。

その意味では、緩やかとはいえ、「母と娘」とか、「母と息子」といった定式的な関係にこだわらない絆があるのかもしれません。



世の中、ダイバーシティとか性の多様化が叫ばれています。
その方向自体は素晴らしいことだと思います。

でも、私が思うにはやや極端な例がクローズアップされる傾向が強いように思います。
心と身体の不一致に苦しむ人を社会的に理解したり、支援したりすることはもちろん大切ですし、私もとても共感しますが、同時に必ずしもそうした傾向を持たないにも関わらず、別の意味で日常に悩んだり苦しんだりしている人たちの存在も忘れてはなりません。

文字どおり、男に生まれても女の要素を持ち、女に生まれても男の要素を持つのが人間。だからこそ、ジェンダーはグラデーションなのです。



私は自分の中の“女性脳”を意識するようになってから、母親との向き合い方が変わったように思います。

外部だったり異質という見方をせずに、内なる自分の中に同質性を見い出すようになって、自然体で接するようになり、感謝の思いもより強くなったのです。

世の中、なんでもかんでも、「男」VS「女」という構図でとらえること自体が、そもそも無理があったのだと思います。

そんなことを社会的に強制することで、男の子はより意固地になり、女の子はより壁をつくったりするのです。



男が女の文化に学び、人格を高められるものをどんどん取り入れる。
女が男の気質に学び、社会性を高められるものをどんどん取り入れる。
それでいいのだと思います。

私自身は日々女性から学び、女性に助けられながら仕事もしているし、もちろん日常の生活を送っています。
その中で取捨選択して中性的な格好もするし、TPOに合わせて女性の服装をすることもあります。

これらはすべて自然なことでし、何もおかしいとは思っていません。

ただ、そのバックボーンにはいま振り返ってみるとやはり母親の存在があるのだとつくづく思います。



もしかしたら、近い日にも女性の格好で会うことがあるかもしれませんね(笑)

それは自分を否定することでも、男であることを否定するものでもなく、むしろ新たな時代の幕開けを意味するくらいに思います。

こんな私を育ててくれた母親に、あらためて感謝です。

男とか女とかではなく、もっともっと世の中のお役に立てるように、人生頑張りたいものです。

学生時代に初めて時事についてコラムを書き、現在のジェンダー、男らしさ・女らしさ、ファッションなどのテーマについて、キャリア、法律、社会、文化、歴史などの視点から、週一ペースで気軽に執筆しています。キャリコンやライターとしても活動中。よろしければサポートをお願いします。