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スタートアップの裏側 vol.3 - なんでも人工知能に違和感?

Stand.fmはじめました!

「AIスタートアップの裏側」と題して、AI関連のビジネスの裏側をお話するstand.fmチャンネルを作りました。音声で聞きたい方は、以下からご聴講ください!

なんでも「人工知能」に違和感?

こんにちは。イニシャルがAI、元歌舞伎役者、アイデミー代表石川聡彦です。

本日もAIスタートアップの裏側をお話していきたいと思います。
本日もお手紙を頂戴しておりますので1通ご紹介させていただきます。

機械学習の研究者です。
なんでもかんでも人工知能といっている風潮に嫌気がしています。バズワードを利用するのもいいのですがバズワードに振り回されないようにした方がいいとおもいます。いかがお考えでしょうか。

石川自身もご質問内容にたいへん共感しています。確かに「人工知能、AI、機械学習、ディープラーニング」このような言葉は色々な業界の中で一人歩きをしており、いわゆる先端技術や、昨今注目されている技術を使っていないものであってもAIとよばれるような風潮に違和感を感じています。

私もアイデミーのサービスを多くの皆様にご紹介する際には、分かりやすい言葉を使いたいという思いから「人工知能を学べるようなサービスです」、「人工知能が搭載されたようなシステムを内製化するような支援をします」などといった紹介をしています。あくまでも分かりやすさ重視で「人工知能」という言葉を使用する考え方もあるかと思います。もう少し掘り下げてお話していくと頂戴したご質問の背景としては「自分の専門性を持たない分野に対して評論するという姿勢」この姿勢に対して違和感を持っていらっしゃる方が多いのではないかと思います。

悪名は無明に勝る?

昨今、人工知能がこれだけ広がる中で研究者側からみた場合、違和感を感じる部分はこのような部分(分野外に対して評論すること)ではないでしょうか。

例えば高校生の頃を思い出してください。「高校生評論家」や「学生評論家」と肩書きのついた30,40代の方が、今の高校生のあり方やトレンドを定義しているのを聞いた際に違和感を感じた事はないでしょうか。当事者ではない人がその該当する分野について語っていると当事者側としては、よく理解していないのではないか、という感覚を抱いてしまう特徴があるのではないでしょうか。

人工知能についても同様です。これだけ「人工知能」が広がったことで本来の機械学習系の研究者ではない方も「人工知能に対する定義」を語るが故、当事者ではないのに何故こんなにも議論ができるのかといった違和感があるのではないかと思います。確かにそうした要素はあるかと思います。

ただ、「悪名は無名に勝る」ではないですが多くの方に裾野広く「人工知能」、「機械学習」について関心を持っていただいていること、これは素晴らしいことだと思います。

石川の大学時代の研究

石川が大学の学部時代に在籍していたのは水処理の研究でした。今聴講されている方の中で水処理についての知識を得ている方は少ないかと思います

学部では浄水される方式や、どのようにそれが再生されるのかを学びます。
日本では水の安全が担保されていますので意識しなくとも安心してお水を飲むことができます。ゆえに水処理の本式について(水処理の)専門家以外が評論していることが殆どありません。そのため、当事者ではない方が自分の専門について語るという違和感は感じなかったのです。

その分「人工知能」という分野は、自分の専門が分かりやすい言葉で色々な分野に広がっている状態はうらやましく思います。しかしながらこれだけ裾野が広がっていることに全員が正しく理解することは難しいのかもしれません。20〜30人、AIについてご理解いただく方がいればそのうちの2〜3人は「機械学習」、「ディープラーニング」について詳しく理解し、自ら手を動かし、当事者側として機械学習の実装をする方も出てくるのではないかと思います。

ある種の有名税のような形でAIという言葉が分かりやすいキーワードとなって多様な分野に広がっていく、これはある種許容しつつ、その中で本当の技術、について詳しく理解し自ら手を動かして実装していこうという人に注目していくことが一番いいのではないかと思います。

本日は以上となります。いかがでしたしょうか。今後AIを普段扱っている私たちの視点からみたお話を続けていきます。引き続きレターをお待ちしておりますので気になることがありましたらどしどしご投稿くださいませ。

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