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ミニ屋台

先週、郵便受けに見慣れないちらしが入っていました。
「ミニ屋台」をやります。と、書いてあります。

おそらく、どこもそうだと思いますが、地元の夏祭りが中止になりました。もちろん、花火大会もありません。

それを何とかしたい、と思ったお店が、こぢんまりとした屋台を開くことにしたそうです。

『今年の夏は、お祭りや花火大会など、軒並み中止になり、寂しい耐える夏になってしまいました。そこでお祭り・花火大会でおなじみの屋台メニューも用意します』

趣旨に賛同した私とパートナーは、ちらしを持って出かけました。
自宅から歩いて10分程度です。

時間帯は短いですし、屋台と言ってもあまり数は出せません。
地元の割烹料理屋さんの駐車場に、いくつかテントを張っただけの簡素なものでした。

ヨーヨー釣りや、くじ引き、おもちゃの販売。
子供用プールに浮かんだ飲み物が、涼しさを演出してくれました。

となりのトトロの音楽が流れ、子ども達がそれに合わせて歌っています。
微笑ましい光景ですね。

私のお目当ては、食べ物。

焼鳥、コロッケ、川海老の唐揚げ、かぼちゃサラダ、煮物、ポテトサラダ、うま煮、イカの煮付け、炊き込みご飯。
見るからに美味しそうです。

しっかりしたお惣菜があるのは、主催が割烹料理屋さんだからでしょう。

このお店は、創業90年。
地元の有名店ですから、冠婚葬祭によく利用されています。
私も法事や同窓会で何度も足を運びました。

中庭がしつらえてある広間や、旬を生かした日本料理。
特別なイベントにぴったりです。

お店の人から話を聞くと、宴会はほとんどキャンセルされたとのこと。
合わせて、仕出し料理も注文が激減。
お祭りや花火大会への出店依頼も白紙。

来て下さるお客様もいるけれど、もともと少人数で来るような店ではないため、リピート率が低いらしい。

実際に飲食店で働いている人の訴えは、切実です。

「すみませんね、こんな話をしちゃって」
頭を下げる店員さん。
「いいえ、美味しいものも食べられたし、構いませんよ」

私に出来ることは、こういったイベントに顔を出すこと、お店に行くことくらいです。
帰る前に、お惣菜をいくつか購入しました。

帰省すらもはばかられる状態ですから、せめて地元に貢献したい。
そう思います。

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