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採用と適応をニコイチで考える

この記事は、『アカツキ人事がハートドリブンに書く Advent Calendar 2019』 の 20日目の記事です。 前回は やざき さんの、「『アカツキらしい』人材像を考えるプロセスのなかで、 合理と非合理に向き合った話」でした。

こんにちは、yuka.です。今回は採用と適応の話について書きたいと思います。

なぜこのテーマで書こうと思ったか

よい人を採用できれば組織的にも事業的にもよい影響があるのは間違いありません。ただ、どんなによい人が採用できても適切にコミュニケーションや評価が行われないと、せっかくその人が持つ熱意や才能を活かしきれないという残念なことが起きてしまいます。そうならないために、採用後の状況を正しく知ることはとても大切です。そんなことを書いている私もこれまでは採用業務に精一杯で、入社後のことは人事企画チームに任せて自ら深く知ることはあまりできていませんでした。ですが、採用する人材像を掴む意味でも採用した人を活かす意味でも必要であるとは感じていました。これは現場を信頼していないという話ではなく、現場のリアルな肌感を持ちたかったからです。最近は業務整理をしながら適応について考える時間が少しずつ増えてきています。今回の記事を書くことで、転職を検討している方や転職したばかりでちょっと不安だなーと思っている方、採用や適応領域に関心がある人事の方に少しでもお役に立てることがあれば嬉しいです。

採用の考え方

アカツキの採用はひと言でいうと「だれをバスに乗せるか」というスタイルです。このもとになる『ビジョナリー・カンパニー 2』(アカツキの推薦図書のひとつです)にはこう書かれています。


“ このバスでどこに行くべきかは分からない。しかし、わかっていることもある。適切な人がバスに乗り、適切な人がそれぞれにふさわしい席につき、不適切な人がバスから降りれば、素晴らしい場所に行く方法を決められるはずだ。”

「今あるスキルだけではなく、今後も共に成長できること」を大切に採用を行なっています。それゆえ、アカツキの正社員採用はプロダクトごとの細分化された採用要件ではなく職種ごとに基準を設け、最後は本当に一緒に働きたいと思う人を採用します。これが根本の考え方です。

イメージと実態

実際に採用活動を行う中で、候補者さんやエージェントさんからアカツキのイメージとして様々な声をいただきます。

一部をご紹介しますと、

・自社の哲学がしっかりあって浸透されていますよね(エンタメの会社ではめずらしいですね)
・熱量の高い優秀な方が多いイメージあります
・面接はいつもとても真摯に話してくれます
・若いリーダーがたくさんいて活気がありますね
・チームビルドに積極的なので人を大事にしてそうです
・けっこう残業は多そうですよね
・中の様子(実態)がなかなかイメージつきません

などなど。
思想が強い分、現実的な部分がなかなか見えてこないところがあるのかなと思っています。

一方、新たにジョインした中途採用メンバーの声はこのような感じです。

・会社の考え方を知る機会(週次報告、役員ランチ、推薦図書の読書会など)がたくさんあるのはすごい
・前はトップダウンの会社にいたので、自分の意思ややりたいことを思った以上に問われるのでびっくりします
・これまで精一杯駆け抜けてきたと思うので、ノウハウの蓄積や体系化はこれからですね..(一緒に頑張ります)
・目標設定をちゃんとやってますね(こんなにちゃんとやるの初めてかも..)
・役割が独特(役職ではなく役割)で、確認や承認の際に誰にどう聞けばいいのか判断に迷います
・みんな忙しそうで時間をもらうのはなんとなく気が引けます
・why(なぜ)を問う文化が浸透していて、それを言語レベルにする力が高いし、求められていると感じます

めちゃくちゃGAPがあるというケースはあまりないですが、「思っていた以上に○○」ということは、まあまあ..あります。

・思っている以上に自分の意思を問われる
・思っている以上に決まってないことが多い
・思っている以上に自走が必要

これらの意見を聞きながら「私たちにとっては当たり前になっていることが、世の中的にはそうではないということ」に改めて気づかされます。できるだけ客観的に会社を見るように意識しているつもりですが、中にいると少なからずアカツキの感覚が染みついているのだな、、、と。

中途採用適応の難しさ

転職経験のある人はなんとなくお分かりになるかもしれませんが、中途入社では早期に成果を出すことが求められる傾向にあると思います。人にもよると思いますが「早く成果を出さなきゃ」という気持ちがいつも隣合わせなことが多いのではないでしょうか。その中で、誰に何を聞くべきか探り探りの中仕事を進めたり、前職とは違う価値観や考え方があったり、これまで培ったやり方が通じない、なんてことも起こったりします。

ある中途採用メンバーがこんなことを言っていたことがあります。
「前の会社でもっと中途採用の人に優しくしてあげればよかったな...(笑)初めて転職を経験して、中途入社の難しさを知りました。」

これまで受け入れてきた側だったので転職してきた側に立つと見える景色がまるで違っていたという話でした。

まさに逆の受け入れ側の視点に立つと ”どこまでお任せするのが適切なのか” 期待値のすり合わせやアドバイスに悩んだりしています。私もその1人です。現場側でできることと人事側でできることは違うので、そこも分けて考えなくてはいけません。全然自信もないし、もちろん正解もありません。どんな貢献ができるのか? 向き合って考えた結果、今私にできることは「会社に慣れるための支援すること」と「様々な角度で起こっている事実を集めること」ではないかと思いました。

また、できることは何でもしたいと思う一方で、周囲がサポートすることにはやっぱり限界はあると思っています。これは中途入社メンバーに限った話ではないですが、最後は自分の力で乗り越えるしかないと思うのです。いいものを作りたいから、目指しているものがあるから、このチームで頑張りたいから、応援してくれる人がいるから。人によって様々だと思いますが、「こうしたい」とか「こうありたい」という信念が、最終的には拠り所になって少々のことがあっても踏ん張れる気がしています。だからこそ転職を考える際には表層的なことだけでなく、自身の根っこにあるものと向き合って会社選びをしてほしいです。私たちも一緒に向き合います。


さいごに、アカツキのオンボーディング施策を紹介します

正社員メンバーに向けに行なっている取り組みをご紹介します。どれも試用期間6ヶ月の間、継続して行うものがほとんどです。これらの取り組みがよい悪いというだけでなく、ここから見えてくることを組織へフィードバックしたり採用に活かすことが価値があると思っています。まだまだ道半ばですが、これまで以上によい採用に繋げられるように頑張っていきたいと思います。

推薦図書の輪読会
アドベントカレンダーの発起人である、小能さんのチームHEARTFUL主催で、3冊(ビジョナリー・カンパニー2 / 7つの習慣/メンタリングマネジメント)の輪読会を全3回開催。共通言語の理解を深めたり前向きな話だけではなく疑問や不安など率直な意見を分かち合う場として設けています。入社日が近い人たちが集まるので、同期同士のつながりができるきっかけにもなっています。


SKD(最近どうですか?)面談
最近どうですか?と採用担当とフランクに話す場を設けてます。コミュニケーションを目的に3回程行なっています。評価等には一切絡まない1on1に近い感じです。アカツキ入ってみてどうかを率直に語り合う場です。

・担当している業務や役割を聞いたり
・想定業務や期待値からずれていないか確認したり
・チームのメンバーのことを聞いたり
・今困っていること戸惑っていることないか聞いたり
・入る前と後の印象の違いを聞いたり

30分の時間があっという間に過ぎていきます。面接の時には見れなかった人となりを知れたり、組織の現状理解にも繋がるので個人的にはとても大事にしている時間です。


目標設定
一般的にいうMBOです。試用期間中に目標を設定し、新メンバー⇆現場間で役割や期待値をより具体的なものに落とし込んでいきます。これも設定/レビュー/評価と3段階で面談を設けて運用しています。ゲーム会社でここまでの目標設定をしていることはめずらしいようで、最初は戸惑われることが多いです。ですが、はじめの一歩として重要なプロセスだと捉えています。「成功を明確につくる」ことがの立ち上がりに効果的だと思うからです。それにはできるだけ得意領域にフォーカスし、目標を絞り込み、全力を注ぐ。今もこれに近い目標設定をしていますが、項目が多いのでもっと絞ってシンプルにした方が力が分散しないんじゃないかと思ってます。初めが肝心。よいスタートが切れれば、ここでやっていく自信も持てると思っています。


トレーナー制度
端的に言うと、「困った時はこの人に頼ってね」という人を決めています。日常業務の質問から、上記にあげた目標を達成するためのサポートなどを行います。大事な役割の人であるゆえ、アサインも重要です。トレーナーが評価者や忙しい人を選んでしまうと相談しにくくなってしまうので、ここも適切な人をアサインする必要があります。

おまけ(という名の告知)

今回の記事以外にもアカツキを正しく理解する場を増やしたいという想いで、現在資料を作成中です。できるだけ等身大のアカツキをお伝えできる内容にしたいと思っています。これは発起人であるkayomiを中心にあゆみさん、hanaと一緒に取り組んでいるものです。新春の頃、採用ページにアップ予定ですので、もしよかったらこちらもぜひご覧ください^^

最後までお読みいただき、ありがとうございました。