年上彼女と甘い同棲生活
「おかえりなさい、ユミさん」
彼女が帰ってくるとすぐに、僕は玄関へ駆け寄った。
9個年上の彼女とは、最近同棲を始めたばかりだ。
仕事が忙しい彼女のために、僕の方が積極的に家事をこなすようにしている。
今日は肉じゃが定食を作って、彼女の帰りを待っていたところだった。
僕とユミさんは、同じ一流企業に勤めている。
…とは言っても僕はまだ入社1年目。
企画部のトップでプロジェクトリーダーを任されている彼女とは、天と地ほどの差がある。
彼女は、僕の社内研修を担当していた。
彼女の仕事に対する姿勢や丁寧な教え方に、僕は次第に惹かれて、研修が終わる日に告白したのだった。彼女は年の差を気にしていたようだが、僕の熱意に負け、OKしてくれたのだった。
付き合って2ヶ月で、彼女が一人暮らしをしていたアパートで、半ば強引に同棲を始めた。
「今日も遅くまでお疲れ様!お腹すいてるよね?ごはん食べる?」
いつもなら笑顔で「ありがとう」と言ってくれる彼女だが、今日は機嫌が悪いようだった。
「どうしたの?僕なんかでよかったら、話聞くよ?」
すると彼女は「ほっといて」と言い、ソファーで頭を抱えて座ってしまった。
「ほっといて」と言われてそうする訳にもいかず、僕は少し様子を伺った後、ハーブティーを入れ、彼女に差し出した。
「これ、すっごい良い香りなんだ。ユミさんも好きだと思うよ。リラックス効果もあるから、よかったら飲んでね。」
彼女が無言だったので、僕は立ち去ることにした。
…が、彼女は僕の袖を引っ張った。
「そばにいてほしい...ってことで良いのかな?」
彼女が頷いたので、後ろに回り、細い彼女の肩をぎゅっと抱きしめた。
彼女も僕にもたれかかってくる。
彼女の重みの分だけ、僕に甘えてくれているように感じて、嬉しくなった。
「僕、ユミさんの支えになりたいんだ」
彼女は「ありがとう」と言い、会社での出来事を話してくれた。
一通り話し終えると、彼女は「ごめん」と僕に謝った。
「どうして謝るの?」と尋ねると、彼女は、「仕事のグチなんて聞きたくないでしょ?年が離れすぎてるから、あなたに嫌われないかって不安だったの」と言った。
「...不安って...それってさ、僕のこと…それだけ好きってことだよね?」
彼女は恥ずかしそうに頷いた。
「やっば...すっげー嬉しい...」
思わず彼女の肩を抱きしめる腕に力が込もった。
「嫌いになるわけないよ。甘えてくれた方が、僕は嬉しい。......ユミさんのこと...大好きだから」
そう言って真っ直ぐ彼女を見つめると、恥ずかしそうに視線を逸らした。
その様子が可愛らしくて、僕は我慢できずに、彼女をソファーに寝かせ、夢中でキスをした。
「嫌な出来事も全部、忘れさせてあげる...」
彼女は会社では見せないような、とろっとした表情で頷き、僕に抱きつく。
それに応えるように、僕もまた、彼女をぎゅっと抱きしめ、
彼女が嫌なことを思い出す余裕のないくらい、熱いキスを続けたのだった...。
ナレーションありがとうございます!!
ナレーション 越智優様
https://twitter.com/yuu_ochi
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