【麒麟がくるレビュー・2軍】その33 「比叡山に棲む魔物」見た?
NHK大河ドラマ『麒麟がくる』の超ゆるいドラマレビューを
・82歳のじーちゃん
・12歳のエル
・スペイン女タマラ
・まとめ役の私
というメンバーで絶賛開催中だ。
NHK大河ドラマ『麒麟がくる』について深く理解するのにまず役には立たないこのレビュー。
しかもネタバレする可能性もあるんですけど、すいません。
■タマラの「戦国武将 お顔拝見6 正親町天皇」
「戦国武将」じゃないんだけど、このコーナーで取り上げたかったのがこの人。
正親町(おおぎまち)天皇である。
では、うちの人相見が得意なスペイン女・タマラをさっそく召喚しよう。
彼女は、写真をチラ見した途端、手にしていたコーヒーカップをテーブルに置き、椅子に坐り直して写真を見つめた。
「Strong value(ストロング・バリュー/すごい価値のある)のある人ね」
おっ。
わかる?
だって天皇だもんね。
そして、自信ありげにこう続けた。
「狡賢(ずるがしこ)いわ」
え?
へーっ。
そう見える?
うーん、けど、そうかなぁ・・・。
私の反応を見たタマラが慌ててこう続けた。
「何て言うか、wisdom(賢明さ)があるって感じなのよ」
あ、そういう意味か。
と、安堵したのもつかの間、タマラが続けた。
「でも彼は、悪い方に変わる」
何だって?
わりといい天皇だと思ったけど、この人、悪者なの?
ちょっとびっくり。
「・・・かもしれないし、変わらないかも。状況次第ね」
え?
はい?
「とても。とても価値のある人・・・かもしれない・・・ないかもしれない・・・」
そしてタマラはどことなく落ち着きを失うと、微笑みを浮かべながら、コーヒーに入れる砂糖をもらうの忘れた、と言って席をたってしまった。
おい、こらタマラ。
私の反応を見ながらコメント変えるのはやめろ。
見るのは私の顔じゃなく、写真だ。
■エルの不安を増幅してみる
エルが登場人物の幾人かを心配している。
【①将軍の奉公衆のお二人・三淵藤英&細川藤孝】
エル「ミチュブチ(三淵のこと。エルはうまく言えない)と、光秀のお友だち(細川のことだな)がいない・・・。どうしちゃったのかな?」
確かにあれだけ将軍のことを心配していた彼らが最近見えない。
エル「もう死んだかもしれない。戦国時代なんだからね」
へ?
エルは戦国時代をかなり怖い時代だと受け止めている。
「確かに過酷な時代だけど、あの2人はまだ生きてるよ。テレビに出ないだけだよ」
の言葉をぐっと飲み込んで私は言った。
「アブナイな、あの2人。な?」
【②越前のニクイあいつ・朝倉義景】
エル「変なヒゲの人だけど、光秀のことを助けた。将軍も助けてあげた。でも子供が殺されて、今は信長と戦争だよ。悪い人じゃないのに、やられたら可哀想。大丈夫かな?」
確かに、どこか不思議武将のイメージではあるが、それほどワルという雰囲気もない。
でも、嘘は良くないから私はこう言った。
「あと2年くらいで死ぬで」
私の言葉にエルは沈黙した。
【③光秀の素敵なお母さん・お牧の方】
優しくて芯の強い女性だ。
彼女は故郷の美濃に戻ったっきりで、最近はドラマに登場しない。
きっと美濃に夢中なのだ。
エル「僕、あの人好き。いいお母さんだと思う。今はどうしてるのかな。元気かな?」
おお。そうだったね。
私もお牧の方は好きだ。
でも息子よ、歴史って残酷。
早速私は、
光秀がのちの合戦における取引で、敵に条件を呑ませるためお牧の方を人質に差し出し、信長がその条件を反古にしたことで、結局彼女が敵方に処刑されるエピソード(伝説とされており、まだ史料で裏付けられていませんが)
を話してあげました。
エルがベッドの上にばったり倒れた。
■よくやった光秀。でも心配・・・。
今回の明智光秀は、よくやった。
さすが主人公、というのがじーちゃん、エル、私の感想だ。
摂津晴門の裏工作を見破り、しらばっくれる彼に痛烈な言葉を浴びせた。
そして、心を鬼にして比叡山延暦寺と戦った光秀。
ただし信長の命に従わず、女子供だけは助けたところはいかにも(ドラマの中の)光秀らしい。
エル「信長の言うことをきかなかったのがバレちゃったら、光秀は絶対怒られるよね?」
心配するエル。
82歳男もこう言った。
じーちゃん「光秀も調子のええ間はええんじゃが、いつか信長に問題を指摘される予感がするのぅ。わしにはわかる」
本能寺の変という光秀の未来を知っている我々は、彼がいつ信長の機嫌を損ね、罵倒され、それが信長への怨みに変わるのかと心配でたまらない。
じーちゃん「わしは、以前から光秀が信長に嫌われる予兆を感じておるよぅ・・・」
光秀が頭角を現わせば現わすほど、その後の落差が心配なのだ。
じーちゃん「わしはドラマの2回前くらいから、気づいておったがのぅ」
ああ、うるさい、じーちゃん。
彼は、何か言いたくてたまらないらしい。
「じーちゃんは、2回前のエピソードの何に気づいてたの?」
発言チャンスをもらって喜ぶ82歳。
じーちゃん「えっとな。それはな。うーんとな。・・・」
1分経過。
2分経過。
じーちゃん「だめじゃ・・・。何を言おうとしていたのか、もうわからん」
私はそっと次の話題へと移ることにした。
■順慶がだめなら、覚恕がいるじゃない。
ついにじーちゃんに言われてしまった。
「お前(私のこと)は、麒麟の俳優がハゲのかつらを被っているかどうかについてを書いて発表しておるんか?」
えっ?
いえ。
えー、まあ、はい・・・。
私がゴニョゴニョ言っている間に、じーちゃんは話題を少し変えた。
じーちゃん「わし。頑張って順慶を見たが、どうにも頭のことは見破れんかった・・・」
今回、じーちゃんはかなり努力したが、筒井順慶のハゲヅラ使用疑惑を解明することはできなかったという。
実は、エルと私にも不可能だった。
順慶の出番が短かすぎた。
が、そこに新たな標的登場。
天台座主・覚恕(かくじょ)である。
行列の中を輿に乗って登場した彼にエルがすぐ反応した。
「見て。耳の上。変なシワがあるよ。あれはヅラだよ!」
(*注:「ヅラ」という単語は今回母が教えました。日本語教育の一環)
確かに、覚恕の耳の上のシワは不自然だった。
間違いない、覚恕はヅラだ。
その件をじーちゃんに伝えると、じーちゃんは悔しがった。
「エルは目がいいのぅ。私はよう見つけんかった・・・」
大丈夫、じーちゃん、がっかりしないで。
チャンスはまだある。
来週のターゲットは、武田信玄だ。