情報等:前回記事参照
翻訳:ChatGPT4o
読書メモ
まず、この論文はレビュー論文なので、色んな論文の結果をまとめる論文。その選定基準等が書いてある。
論文を沢山集めて情報をまとめた結果をこれから述べられる。
まず、実際自伝的記憶がどういうものとして語られ、それにマインドフルネス瞑想がどう影響を与えるか。ここに書かれているのは割と自分にとっても思い当たる節があり、結構悩んでいた所。
ある出来事について聞かれた際に、その抽象的な話はできるけど、具体的なエピソードになっていないケースを「過般化自伝的記憶」と呼ぶらしく、それがうつ病傾向の人に多く見られ、未来予測能力の欠如やPTSDの因子となっている。また、それがマインドフルネスによって緩和される可能性があると書かれている。
以下に具体的なマインドフルネスの、過般化自伝的記憶への影響について述べられている。経験をありのままに受け取る事で、記憶に対する偏見が減り、記憶の具体性が高まる効果が有意に得られたらしい。(これはすごい、本当に自分の悩みが解決するかもしれない)。
以下では、マインドフルネス認知療法が、うつ病傾向を改善させた事が述べられている。
以下では、感情と自伝的記憶、マインドフルネスの関係を調べている様子。
以下は、楽しい・悲しい映画クリップを見た後に、反対の感情のエピソードをどのくらい速くいくつ思い出せるかという心理タスクで、瞑想者と一般人の比較を行っている。
結果として、瞑想者の方が、エピソードを思い出す時間は二倍くらいかかったが、数は同じくらい思い出せた。これは、瞑想者は強く感情と記憶が結びついているが、そこからの切り替えも早く行えていると考察している。
また、感情体験から距離を取ったメタ認知も得意になっている、と言っている?(矛盾しているような?)
以下は、感情的な過去の出来事(トラウマ等)を想起する際に、その感情に対処する方法(集中呼吸法、受容等)をいくつか挙げており、効果があると基本言っている様子。
マインドフルネスは、潜在的に感じた感情をありのままに受容することで、それを否定するような「気そらし」の手法よりも、自分の本当の気分と意識している気分に一貫性をもたらす様子。
結局、マインドフルネスの効果は、呼吸に集中することで、感情の想起がされづらくなる効果によるもの?
マインドフルネスによって自伝的記憶を回想し、それらを感情から切り離したり、再解釈によって良い感情で肯定して再構築することで、トラウマの解消につながる、というような効果もあるらしい。
トラウマを文章に書き下すだけでも、客観的にとらえる事ができるようになって、トラウマの想起による苦痛が和らいだとのこと。
自己慈悲(冷静な受け止め、共通性、自己親切)もトラウマの効果を和らげる効果があったらしい。
所感
実際にうつ病やPTSDに対する実験結果がまとめられていたのは良かった。
うつ病患者は過般化記憶を持ちやすい傾向があるという事は初めて知れた。結局物事の捉え方として、ありのままの出来事の事実よりも自分にとっての文脈や感情との関連が優先されすぎてしまうということか。しかもそれがマインドフルネス瞑想で軽減される可能性があるのは自分にとっても期待できる話だった。
トラウマの治療法として、実際に忘れるだけでなく、出来事を否定的な感情と切り離す訓練も重要らしい。
今の所、結局具体的に脳の中で何が起きていて、何が悪くて何が良いのか、瞑想で悪い現象が良い現象に変化するのか、その辺りが分からないとただの定性的な理解でしかなく、応用可能性が低いと感じた。
所要時間:2時間半