文献情報
URL:https://link.springer.com/content/pdf/10.1007/s12671-022-01902-x.pdf
出版社:Springer
雑誌:MindfullNess
出版年:2022
検索パス:Google Scholar「reconsolidate memory meditation」
なぜ選んだか
読書メモ
まず、AMとは何か。日本語で自伝的記憶と訳され、単純に過去の良し悪しに関わらない記憶の事らしい。それの捉え方がマインドフルネス瞑想で変わって良い影響を与えるらしい。認知行動療法みたいな感じ?
いやそうでもないらしく、単なるエピソードだけでなく、それの意味や感情、自己認識も含めたものを指すらしい。
SMSは、単に過去の事実記憶というだけでなく、解釈されて現在に影響を与える自己形成に関わる記憶という位置づけらしい。
ここで、AMに加えて、作業自己(working self)という概念がSMSに含まれていると述べられ、これが、現在起きている経験を都合の良いように解釈して、一貫性を持たせたり、良い記憶だけ残したり?する機能を持つらしい。
作業自己は、グローバルワークスペースという意識的なワーキングメモリネットワーク上の一部?を使って、長期記憶にアクセスするらしい?
マインドフルネス瞑想のメタ認知タスクは、グローバルワークスペース処理に関連しているらしい。
マインドフルネス瞑想により、AMの想起方法に影響を与える事ができるらしい。
しかし、実際にどういうメカニズムでこれが起こっているかを検討する必要があり、第一に意識的アクセスをする部分、第二にメタ認知の部分がある。第一の部分では、背外側前頭前皮質とデフォルトモードネットワークが関与していて、第二の機能は、サリエンシーネットワークが関与している。
マインドフルネスによって、認知的柔軟性の向上、自己参照の柔軟性の向上ができるらしい。作業自己が、基本的に目標に沿う都合の良い自己像(自伝的記憶)を維持する傾向があるのに対し、瞑想によってこれを柔軟にし、ありのままを受け入れることができるようにするということ?
ここからGeminiの要約を適宜修正したものを載せます。(今まではChatGPT翻訳と自分要約でしたが、制限に当たってしまった為。ただGemini翻訳が少し微妙な気はする)
マインドフルネスは、感情をコントロールする能力(感情調節)を向上させる。
この効果は、特にマインドフルネスの「受け入れる」という側面に関連している。
感情や動機は、意識の深い部分で記憶に影響を与えるが、マインドフルネスによってこの影響を意識的に認識できるようになる。
その結果、マインドフルネスは記憶の形成と想起時の感情的な反応を減らすことができる。
この文章は、記憶(AM)の性質と仏教の五蘊という概念を結びつけています。
AMは、複数の要素から構成され、常に変化するものである。
仏教の五蘊(身体と心の構成要素)は、AMの要素に対応している可能性がある。
五蘊は、感覚、感情、認識、心理状態、意識を含み、これらはすべて記憶のプロセス(符号化、記憶、想起、再符号化(再固結))に関与している。
この文章は、仏教の「無我」の概念と記憶(AM)の関係について述べています。
仏教では、自己は固定的なものではなく、常に変化するものであるという考えがあります。
マインドフルネス瞑想は、この自己の理解を深めることに役立ちます。
自己を動的なプロセスとして捉えることで、自己を固定的なものと捉えがちなAMの想起プロセスを柔軟にする可能性があります。
この文章は、記憶の再固結というプロセスについて説明しています。
記憶は、最初は不安定な状態ですが、時間の経過とともに固まる(固結)。
しかし、一度固まった記憶でも、思い出されると再び不安定な状態になり、再固結というプロセスを経て再び安定化する。
再固結は、記憶を強化する役割を果たしていると考えられています。
この文章は、Laneらの記憶モデルとAM(自伝的記憶)の関係について述べています。
Laneらは、記憶、意味、感情が密接に関連し、不適応につながる可能性があると主張。
心理療法は、記憶を再活性化し、新しい感情を組み込むことで変化をもたらす。
この変化は、さまざまな状況で起こる場合に持続する。
AMにおいても、心理療法による記憶の変化が自己の認識に影響を与える可能性がある。
この研究の目的と仮説の要約
この研究は、マインドフルネストレーニングが、私たちの自己認識や記憶にどのように影響を与えるのかを科学的に解明することを目的としています。
特に、以下の点に注目して研究が進められます。
マインドフルネストレーニングが、過去の出来事を思い出す(自伝的記憶)際に、どのような変化をもたらすのか
マインドフルネストレーニングが、自己認識にどのような影響を与えるのか
マインドフルネスの状態や習慣が、記憶の柔軟性、自己認識の柔軟性、そして感情の柔軟性とどのように関連しているのか
研究の仮説
研究者たちは、以下の仮説を立てています。
マインドフルネストレーニングは、自伝的記憶の想起をより柔軟にする
マインドフルネスは、自己認識をより柔軟にし、過去の出来事に対する捉え方を変える
マインドフルネスは、記憶、自己認識、感情の柔軟性を高め、全体的な心の健康に良い影響を与える
マインドフルネスの練習によって、脳の特定の領域の活動が変化し、記憶や自己認識に関わる神経回路が変化する
研究の意義
この研究は、マインドフルネストレーニングが、私たちの心の働き、特に記憶や自己認識にどのような影響を与えるのかを科学的に明らかにすることで、マインドフルネスの効果をより深く理解することに貢献します。
より具体的には、この研究は、マインドフルネスがどのようにして、
過去のトラウマや負の経験をより健康的に処理する
自己肯定感を高める
ストレスを軽減する
心の柔軟性を高める
といった効果をもたらすのかを解明する手がかりとなることが期待されます。
この研究を通して、マインドフルネスが、単なるリラックス方法ではなく、私たちの心の働きを根本から変える可能性のある実践であることが明らかになるかもしれません。
所感
所要時間:二時間半