ぼくとミャオンと不思議を売るお店 第6章2話

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第6章 こころがクサクサ!

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2話

 今日もおひさまは元気に輝いていて、ひなたぼっこをするには最高のお天気!
 でもね、私はちょっぴり落ち込んでいるの。
 どうしてかっていうと――。
 昨日「陽太を助けに行かなきゃ!」って家中を駆け回った時、あちこちの置物を落っことしちゃったみたいなのよね。しかも、ママさんとパパさんの思い出の品々を傷つけちゃったみたいで……。
 現場に残っていた足跡から、犯人は私だってことがすぐにわかってしまったみたい。
 だけど――私、タイホされたり、怒られたりしなかった。
 ママさんたちが言うには、自分達が対策してなかったせいだってことらしくって。
 ……だけど、だけどね。
 ママさんたちのものすごくがっかりした顔を見て、さすがに私も反省したの。
 それに昨日探検して、わかった。私の家は、防犯対策がばっちりだってこと。
 家族みんなが毎日、少しの時間入っては水を流して出てくるナゾの小部屋を除いては、ね。
 だから、今日は大人しく家で、お留守番をすることにしました!
 庭にはまたご近所の猫さんたちが顔を見せてくれたわ。モノクロさんたちもね。
 それで、昨日の事件を話したら「あー、とうとうやっちゃったか」ってみんにゃに笑われちゃった。
 なんでも、飼い猫さんたちはみんにゃ似たような経験があるらしいの!(私だけじゃないって知って、びっくりしちゃった!)
 もちろん、誤解のないように言っておくけど、私たちには悪気は全然ありません!
 イタズラしようって思ってやってるわけじゃないからね。くれぐれも、そこのところ、わかって欲しいわ。
 でもね、でもね。
 例えば――家を探検していて、通り道にちょうどいい場所とかを見つけるじゃない?
 そうしたら、どうしても、どうしても、猫っていうものは、よじ登りたくなるものなの!
 そこに通り道があるなら、通らないと我慢できない、そういうイキモノなのよ。
 でね、なんとかかんとかして、そこにたどり着いたとするじゃない?
 そうすると、そこに何か置かれていたりするわけ。
 でも、私たちはそこにそんなのがあるなんて知らずに飛び乗ったりするから――うっかり落っことしちゃったりすることもあって……そうして悲劇が起こってしまうのです。
 もちろん、悲劇が起こらない場合もある。当然のことながら。
 でも、ここでまたワナが仕掛けられていたりするの!
 そこに『見慣れないモノ』があったら、どうしてもスリスリしたくなってしまうのよ。
 どうしてそう思ってしまうのか、そうしてしまいたくなるのかはわからない。
 けれど、スリスリしたくなる魅力があるものなの。
 でね、大抵、みんにゃその誘惑には勝てなくて、スリスリってしてしまうわけ。すると、なぜか飼い主さんが悲鳴をあげたりするの……。
 他にもあるわ。
 美味しそうな葉っぱが家の中にあったら、試しに味見をしてみたくなるじゃない? でもそうすると飼い主さんが落ち込んじゃうこととかもある。
 そしてこういう出来事は、みんにゃ誰しもが一度は通る道なんだって。(毎日のようにやっちゃってるっていう強者もいるみたい!)
 「だから気にするな!」ってみんにゃは言うんだけど――私は気になっちゃうタイプなの。
 だって、だって!
 私の憧れ、クロエさんだったら、きっとこんなドジはしないと思うのよね。
 いつもステキでスマートなオトナの女性のクロエさんは、絶対に飼い主さんを困らせたり悲しませたりしないはずよ。
 だから、クロエさんみたいなオトナの女性を目指す私としては、やっぱりここは反省して、二度と繰り返さないように気を付けることにしたの。
 あの小部屋の、白くてヒラヒラしているステキなおもちゃで遊ぶのも、しばらくはお預けにしておくわ。(楽しみに取っておく!)
 それに、それにね。
 うふふ。
 昨日、陽太と一緒に『お店』に行って「カミカミ」を買っておいたから、私、いつでも人間になれるのでーす!(ジャジャーン!)
 必死にドアのレバーに飛びつく必要もないってわけ。
 こうして買い置きしておけば、いざって時にも慌てないで済むでしょ。
 うふふっ! 私ってば、頭いい!(えっへん!)
 「カミカミ」と「ぽいんとかーど」は、私の秘密基地にしっかりしまってあるから大丈夫。
 だから、今日は一日お昼寝して過ごすことにしたわ。
 遊びに来てくれてたみんにゃも、納得して帰っていったし。
 私はおひさまの光がいっぱいあたる特等席に陣取って、うーんと伸びをして、横たわった。
 はぁ……。床もほっかほか。気持ちいい!
 それじゃ、おやすみなさーい。

 ……zzzzz……

 ――私はすっかりお昼寝していて知らなかったんだけど。
 午後になって目が覚めた私に、グレースが教えてくれたの。
 私が窓辺で寝ていたら、ボス猫ゴンがうちの庭にまた来たんだって(ちょうど他のみんにゃもいない時間帯で……グレースも、自分の家の窓辺にいて、たまたま見かけたらしいわ)。
 それでね、ゴンってば、私が家の中にいるのを見て――みるみる尻尾を膨らませて。何を思ったのか、うちの庭木をガリガリガリガリーッて、ものすごい勢いで引っかいて、そのまま去っていったんだって。(「木を倒すつもりかってくらいの勢いだった!」とかグレースは言ってたけど、さすがにそれは大げさだと思う!)
「また何かたくらんでいるかもしれないぜ。だから、気を付けろよな!」
 グレースはそう言って、どこかへ行っちゃった。
 私は不安になって――陽太に会いたい、早く帰ってきてくれますようにって、おひさまにお祈りした。

                         <3話へ続く>

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ぼくとミャオンと不思議を売るお店 第6章2話

堀井明子

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堀井明子

ご支援を活力に変換して、今後の創作活動に生かしてまいります。各種沼への軍資金、猫たちへのおやつとなる可能性も捨てきれませんが……なにとぞ……!

書いてよかった……!本当にありがとうございます。
シナリオライターの端くれ。日本脚本家連盟・放送作家協会・本づくり協会所属。noteでの小説連載は休止中ですが、時々趣味に走った雑記を書いています。http://www.a-horii.info/