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手織りのブランケット/制作工程

どんな風につくっているんですか?とご質問頂いたので書いてみます。

1/イメージする

まずはザックリイメージします。こちらはオーダーだったので、お客様のご希望を軸にしつつ「こんな質感で」「こんな肌触りで」とイメージしていきます。

ここではふくらませるイメージは20%くらい。イメージを作り込んでピッタリな糸を探すより、ある糸に合わせてイメージを調整していく方がいい。

2/糸をピックアップする

アトリエにある糸でイメージに近いものをピックアップし「実際にできるのはこんな感じです」という予想や形にしたいこと、避けたいことなどをお客様とすり合わせていきます。
(※2023年1月現在オーダー受付は休止しています)

ちなみにここでピックアップした糸は実際には使わないこともあるけど、イメージに広がりを持たせるため存在が必要。

3/たて糸をセッティングする

・たて糸の長さと本数を決める「整経(せいけい)」
・整経した糸の並び順を決める「筬通し(おさとおし)」
・筬通しした糸を上下に振り分ける「経通し(へとおし)」
・巻取り、糸端を結ぶ

という工程を経てたて糸をセッティングします。
面倒と言われることも多い工程ですが、この段階で何度も糸に触れることで肌触りや伸び方などその糸の個性を知ることができるのでとても大切。

たて糸のデザインは原則として織り上がるまで変えることはできません。感性に耳をすませながら慎重に大胆に決めていきます。

筬通し
経通し/糸端を結ぶ
タテ糸を上下に振り分けるとこんな感じ

「たて糸のセッティングができれば工程の80%が終わる」とも言われるほど手間のかかる作業ですが、単純作業の積み重ねは楽しみでもあります。

4/織る

いわゆる「手織り」としてイメージされる本丸の部分。これぞ手織り。

この布の場合はたて糸と共通の糸をよこ糸にも使いました。そのためたて糸とよこ糸が溶け合うように混ざって見えます。

織る
できあがり

このあと、「縮絨(しゅくじゅう)」という仕上げの工程もあるのですが、それはまたの機会に。

細かな工程は素材や織るものによっても変わります。今回はザックリ駆け足での説明になりました。


今回の記事はcofumi(こふみ)さんとやりとりする中でお声を頂き書かせていただきました。こふみさん、ありがとうございました!

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