音価 その1

 さて今回は音価のお話です。音価というのは音符の長さですね。音楽をやる上で、絶対に避けては通れないリズム、さらにその先にあるグルーヴのある演奏を実現するためにも絶対に必要な概念です。どこまで深く掘れるかな?イロハのイからいってみましょう。

・ BPMと拍子

 BPMというのはBeat Par Minuteの略だそうで、1分間あたりの拍数を意味します。楽曲の早さ(テンポ)はBPMで表すわけですが、BPMが大きいほどテンポが早いことを意味し、BPM60だったら秒針と同じスピードですね。

 また、ポップスやロックの楽曲で1番多いのは“4分の4拍子”ですが、これは4分音符を1拍として4つの拍数で1小節とし、これを繰り返すリズムですね。

 楽譜で表記する場合は、冒頭の小節に拍子記号を書いて1拍となる音符と拍数を宣言し、以降の小節では特に変更が無い限り拍子記号を表記しないのがルールです。どんなに細かい音符を使っても1小節の中にある音価の合計は拍子記号の通りになっているはずです。拍子記号は例えば“6分の8拍子”は6/8などと分数で書きますが、何故か4/4拍子はCと表記することも覚えておいてください。

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・ 音符の定義

 サラッと音符の定義のおさらいを。1小節ひとつ分の長さは全音符で、半分の長さは2分音符です。以下、半分の長さになるごとに4分音符、8分音符、32分音符と細分した音符で表記します。また、楽譜上で音を出さないタイミングには休符を表記します。音符と休符の記号は楽譜やTAB譜を読む上でも必須なので覚えましょう。

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 任意の長さで拍を分割する場合は連符で表記し、例えば1拍を3等分する場合には3連符で表記します。また、1.5倍の長さを表記する際は付点をひとつ、1.75倍の長さを表記する際は付点をふたつ付けます。楽譜は読みやすく他人に伝わりやすければどのように表記しても構わないとは思いますが、拍をまたぐ音価の場合はひとつの音符で表記せず、タイでふたつの音符を繋ぎます。また、休符はタイでは繋がないのが暗黙のルールです。

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・ 音符の長さ

 さて、もう一度、音符の音の長さについて考えます。4/4拍子は1小節あたりの拍数が4つで、当然すべての拍の時間の長さは同じです。楽譜に書くとどうしても「小節という箱の中に4分音符というボールが4つ入っている」と考えてしまう方もいるかもしれませんが、実際はそうではありません。例えばBPM60ならば4分音符ひとつ分は1秒の長さであり、音符は発音するタイミングと音の長さを示すものです。なので、どちらかというと、音符は音の長さを示すものというより、BPMで定義されたテンポから所定の時間を何等分するかを定義するものと解釈した方がスムーズかと思います。

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・ 音符を読む

 聴いたことの無い楽曲の楽譜やTAB譜を読む(読譜)には音価を正確に把握する必要がありますね。そのためには、まずはしっかり拍を意識しましょう。

 読譜が苦手な方にオススメなのが、言葉を当てはめる方法です。例えば4/4拍子の楽曲では、それぞれの拍を「いーちーにーいーさーんーしーいー」と一定のタイミングで読み上げると裏の拍が意識でき、8分音符のタイミングを図ることができます。16分音符のタイミングを図るには「いちとおにいとおさんとおしいとお」と1拍あたり4つの言葉を当てはめるのが良いですね。言葉を当てはめて読み上げるときは、あくまでも一定のテンポで、棒読みするように休みなく声に出すことが重要です。もちろん、譜面の通りの音程で歌えるのがベストではありますが。

 4分、8分、16分音符や付点音符、タイなどが混在する小節では、最も細かい音符に換算して読み上げるのがオススメです。例えば4分と16分音符が混在する小節では16分音符を「た」、4分音符を「たらりら」などと読んで4分音符が16分音符4つ分の長さであることを意識するわけです。

 休符には「ん」などの言葉を当てはめるとか自分なりのルールを作って読むのも良いと思います。山手線の駅名とか女の子の名前とか言いやすければなんでもいいと思います。僕はまだ習得できてないのですが、この機会にインドのコノコルを覚えても良いかもしれません。

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 ただし、連符が混在する楽曲は上記の「一定のテンポで棒読みする」概念が通用しません。この場合はやはり拍を強く意識して、拍のタイミングを一定に保ちつつ、各音価を把握するようにしましょう。

 というわけで音価のお話は次回に続きます。ベースを弾く上でとても重要な概念になるかと思います。予告ホームラン(笑)。では、お楽しみに。

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