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半導体関連の今後

半導体の不足が言われて数ヶ月経過しましたがIntelなどの半導体関連企業の株価の動きは思わしくありません。

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半導体関連と言っても大きく二つに分類することができます。

①デジタル半導体

②アナログ半導体

結局は色々な意味で二つとも不足しているのですが、主に②のアナログ半導体の不足が深刻です。自動車向けやスマホ向けなどで、電源などを管理する半導体もそのうちの一つです。今年の前半は台湾の水不足が追い討ちをかけましたが、それは解消しました。

また①については莫大な処理を行うために必要な最先端技術の行き詰まりが原因です。IntelにできないことがAMDにできるはずもなくAMDは部分的な処理速度の優位性を宣伝しているだけです。また、NvidiaについてはCPUあってのGPUですので業界全体の技術革新から考えると特に優位性はありません。株価はAMDもNvidiaもこの半年で上昇していますが、おそらくピークアウトするものともわれます。

全体の需要については①②ともに強いですが、生産が落ち込んできましたので、今後の見通しは良いものとは言えません。製造の方も色々な国で工場を建設する話が進んでいますが、稼働するまでにおそらく2年ほどかかりますので、そのころの半導体の需要が不透明で、足元の生産体制に対しては好材料にはなりません。


黄リン、年初比7割高 半導体、製造コスト増も

本日(2021/10/20)の日経新聞に半導体向けの「黄リン」が不足しており価格が高騰しているという記事が出ています。このリンは中国やベトナムで採取されますが中国は自分の国だけで消費しており足りない分をベトナムやカザフスタンから調達しているとのことです。これがないと半導体が製造できないですから、なんとも厄介な状況になってきました。

さらに、ベトナムの状況も決して良いとは言えません。コロナ感染者数はピークアウトしましたが、ここでもやはり「労働力不足」「電力不足」が顕著化してきており事態は深刻化しています。


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半導体各社は「値段が高いなどと言っている状況ではない」と価格転嫁もやむなしという態度になってきています。これは最終完成品がもの凄く高価になってしまうことになり、最終的に旺盛な需要に水を刺すことにもなりかねません。半導体関連については日本株も含めて注意しておいた方が良いと思います。

それにしても何もかも不足しており「日本はこの先本当に大丈夫なのか?」と心配になってしまいます。選挙が近いですがどの党もそうした資源高騰についての対応策を公約に掲げているのを見たことがありませんがそんなことで本当にだいじょうぶなんでしょうか。

最後までお読みいただきありがとうございました。