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居ると要るの失敗

この物語はA子とB子と僕の恋模様である。

ここは中学校。
A子とB子は仲良しでいつも一緒に遊んでいた。

そしてこの2人はとても美人。美人の相方はブスであるという生徒手帳にも書いてありそうな定番を裏切って学校中のマドンナだった。

A子は物静かでシャイだけど女王様のようなオーラを持っている。
B子は活発で気さくで誰とでも話すし、こちらからも話しやすい、なのに美人。
2人ともタイプは違うが2人ともモテる。僕も例外なくそんな2人に恋をしていた。

そんなある日、男子数人が集まって、誰が好きなんだ大会が始まった。

僕の番になり、2人好きというのもカッコ悪いので、どっちかというと影がある方が好みなのでA子と答えた。

すると翌日、僕はA子が好きだという事がクラス中に広がっていた。
もちろんA子の耳にも入っていただろう。
それ以来、僕は意識してしまってA子のいる方向に顔を向けることすらできなかった。

そして時はバレンタイン。

僕はなんとA子からチョコを貰った。
びっくりした。
まさかと思った。
舞い上がった。
クラス中に広がったのはむしろ良かったのか?ほんとにあの物静かでシャイだけど女王様のようなオーラを持っているA子からチョコをもらうなんて。

僕はお返しをすぐに買って1か月後のホワイトデーに備えた。
そして、その時に告白しよう。
A子は僕が好きってこと知っててチョコ渡してきたんだからきっと成功する。やらせのフィーリングカップルみたいでどうなるかドキドキ感はないが、そんなドキドキはいらない。僕は期待だけを持ってホワイトデーを待った。

そして当日。

いつもより少し早く学校に行った。
もうA子は教室にいるだろうか?僕は校門をくぐると、下駄箱付近にB子がいた。

僕はB子に聞いた。

「いる?」

B子はビックリした表情を浮かべ行ってしまった。

何か意味がわからなかったが、別に気にしなかった。そんなことより僕は急いで教室に向かった。

教室のドアを開けると、A子がいた。
僕はすぐさま声をかけた。
お返しを渡した。そして間髪入れずに告白しようと思った時、A子の信じられない言葉が僕の耳を襲った。

「私あげてないのにいいの?」


というわけでここから真相を解明していきます。


僕はA子からチョコをもらったと言ったが、厳密に言うとA子から直接チョコをもらったわけではない。
B子に呼び出されてB子に「はい」と渡された。
ずっとA子に頼まれてB子が僕に渡したと思っていた。

あれ?B子が僕にくれたの?A子じゃなくてB子が?

ちょっと待って。
さっき下駄箱で、「いる?」って、僕は「(A子)居る?」だけどB子は「(お返し)要る?」って思ったんじゃない?
そしたら凄い上から目線で言ってない?
だからB子はあんな表情したんじゃない?
ドドドドドーとここまでフラッシュバックのように脳裏を駆け巡った。

結局2人ともうまくいきませんでした。二兎追うものは一兎をも得ずの進化版みたい感じ。

これ僕が悪いの?


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